ジャーナル/Vegetable Garden · 読了目安7分
トマトの葉が黄色くなる原因|症状の出方で見分ける
文: Wren Hollis · 観葉植物とインテリアグリーン
トマトの葉が黄色くなる原因を症状別に解説。下葉の自然な老化、肥料切れ、過湿、マグネシウム不足、輪紋病・疫病、萎凋病の見分け方と対処をまとめました。
かんたんに言うと
黄色くなり方を読み取るのが近道です。実がついた株の一番下の葉が数枚黄色いのは自然な老化。株元から上へ均一に色が抜けていくなら肥料(窒素)切れ。古い葉で葉脈だけ緑に残り、あいだが黄色くなるのはマグネシウム不足。同心円状の茶色い斑点をともなうなら輪紋病(斑点病)。片側の枝だけ黄色くなってしおれるなら萎凋病です。原因を見分けてから手を打ちましょう。
トマトは成長が早く、不調のサインを出すのも早い野菜です。根まわりに問題が起きると、ほとんど間を置かずに葉が反応します。そしてその第一声はたいてい「黄色」です。ただ、同じ黄色でも、どこに出るか、どう広がるか、どんな斑点をともなうかで意味がまるで変わります。慌てて追肥や薬剤散布をする前に、まず症状のパターンを読みましょう。家庭菜園でもプランター栽培でもよくある7つの原因を、まったく心配のないものから、今日中に動いたほうがよいものまで順に見ていきます。
まず下から:下葉の自然な老化
元気に実をつけている株では、いちばん下の古い葉から順に、数枚ずつ黄色くなって枯れていきます。これは異常ではなく、予定どおりの引退です。上の葉に日陰にされて役目を終えた葉から、株が養分を回収して実に送り込んでいるのです。こうした下葉は、付け根から手できれいに折り取ってしまって構いません。心配すべきなのは、黄変が実の熟すスピードより速く上へ広がるとき、あるいは斑点や葉巻き、しおれをともなうときだけです。
株元から均一に色が抜ける:肥料(窒素)切れ
窒素は植物の中を移動できる成分なので、足りなくなるとトマトはまず古い葉から窒素を引き抜きます。特徴は、下の葉が斑点も模様もなく、のっぺりと薄緑から黄色へ変わっていき、株全体の生育も遅く、色が抜けたように見えることです。とくにプランターや培養土袋での栽培でよく起こります。毎日の水やりで肥料分が流れ出てしまうためです。対策は追肥を切らさないこと。まずはバランスのとれた化成肥料で株を立て直し、実がつき始めたらカリの多いトマト用肥料に切り替えて、プランターなら週1回の液肥を目安にします。
ヒント:やりすぎは禁物です。窒素が効きすぎたトマトは、濃い緑の葉ばかりが茂って花も実もつかない「つるぼけ」になります。規定の倍量を与えるより、規定量を回数多く。トマトの追肥は、まとめてより少しずつが基本です。
土がいつも濡れている:過湿と根傷み
水浸しの土では根が呼吸できず、傷んだ根は養分を吸い上げられません。その結果、葉が黄色くなります。しかも同時にしおれるため、つい「水が足りない」と思ってさらに水をやってしまうのが厄介なところです。土が常に湿っている、鉢底から水が抜けにくい、雨のあと畝が水を抱えたまま——そんなときは水やりのほうを疑ってください。表土が2〜3cm乾いてから、鉢底から流れるまでたっぷり与える。回数を減らして、一度をしっかり。逆に梅雨明け後の高温期は水切れも起こりやすく、これも下葉の黄変と落葉を招きます。極端な乾湿の繰り返しは、実の尻腐れの原因にもなります。
葉脈だけ緑に残る:マグネシウム不足
古い葉で葉脈がくっきり緑のまま残り、そのあいだだけが黄色くなる——魚の骨のような模様——のはマグネシウム不足のサインです。プランター栽培、砂質の土、そしてカリ分の多いトマト用肥料をたっぷり与えている株でよく起こります。カリは根の吸収でマグネシウムと競合するためです。見た目は派手ですが、収穫量への影響はそれほど大きくありません。カリ肥料を少し控えめにし、応急処置としては硫酸マグネシウム(にがり成分)を水4〜5Lに大さじ1杯ほど溶かして、2週間おきに株元へ与えるか葉面散布します。新しい葉は緑色で出てくるはずです。
同心円状の斑点をともなう黄変:輪紋病・斑点病
輪紋病(アルテルナリア菌)は、下の葉から茶色い斑点が出て、それが同心円状の輪に広がり、まわりが黄色いかさ状に色づいてから葉全体が枯れていきます。雨で土が跳ね上がることで広がるため、梅雨や秋の長雨の時期に一気に上へ進みます。早めの対応が肝心です。傷んだ葉は取り除いて処分し(堆肥にはしない)、株元を敷きわらやマルチで覆って泥はねを防ぎ、水は株元へ静かに。わき芽をこまめに取り、株間を広げて風通しを確保します。よく似た斑点病(セプトリア)は、小さな黒縁の斑点が下葉に無数に出るタイプで、対処は同じです。
注意:黄変とともに、大きく灰褐色でにじんだような病斑が出て、湿った日には葉裏に白いカビが見え、実まで茶色く変色してくる場合は輪紋病ではなく疫病です。疫病の進行はけた違いに速く、数日で株が倒れることもあります。見つけたらためらわずに感染部位を取り除き、ひどい場合は株ごと処分して、まわりの株を守ってください。雨よけを設置するのがいちばんの予防になります。
片側だけ黄色くなってしおれる:萎凋病・半身萎凋病
萎凋病(フザリウム)と半身萎凋病(バーティシリウム)は、土の中の糸状菌が導管を詰まらせる病気です。特徴は、株の片側だけ、あるいは枝ごとに黄色くなってしおれること。多くは下のほうから始まります。土が湿っていてもしおれが戻らず、茎を切ってみると内部が褐色に変色しています。治療法はありません。発病株は抜き取って処分し、悪循環を断ちましょう。接ぎ木苗や抵抗性品種を選び、同じ場所に3〜4年はトマト(およびナス科)を植えないこと。プランターなら培養土を全部入れ替えます。
低温と植え傷み
早植えした若い苗がすねることもあります。葉が黄色や紫がかって、生育が止まる状態です。トマトは地温が低いと養分を吸えません。10℃前後を下回ると、土に肥料があっても根がほとんど働かないのです。地温が上がってくる5月の連休以降に植えるのが安全なのはこのためです。同じことは秋の終わりにも起こります。夜が冷え込むにつれて株全体がゆっくり黄色くなるのは、季節の終わりの自然な姿で、こちらは打つ手がありません。
症状別チェックリスト
- 実がよくついた株の下葉が数枚だけ黄色い:正常。取り除けばOK。
- 株元から上へ均一に色が抜け、生育も遅い:肥料切れ(窒素)。
- 葉が黄色く、土が常に濡れていてしおれる:水やりと排水の見直し。
- 古い葉で葉脈だけ緑、あいだが黄色い:マグネシウム不足。
- 同心円状の斑点と黄色いかさ:輪紋病。傷んだ葉の除去、マルチ、風通し。
- 片側だけ黄変してしおれ、茎の内部が褐色:萎凋病。抜き取り、輪作、抵抗性品種へ。
どのパターンか判断がつかないときは、その葉をPlantMeアプリで撮影してみてください。500種類以上の病気や生理障害と照合して、数秒で診断と対処法を返してくれます。小さな不調のうちに手を打てば、収穫はまだ十分に守れます。
よくある質問
トマトの黄色い葉は取ったほうがいいですか?
取ってください。いちど黄色くなった葉が緑に戻ることはありませんし、取り除くことで風通しがよくなり、葉についた病原菌も一緒に減らせます。晴れた日の午前中に、茎の際で折り取るか清潔なはさみで切り、斑点やカビのある葉は堆肥にせずゴミとして処分します。
下葉だけ黄色くなるのはなぜですか?
株が元気に育って実もついているなら、多くは自然な老化です。日陰になった古い葉から養分を回収して実に回している状態なので心配ありません。ただし黄変がじわじわ上へ進み、株全体が薄い色で生育も遅いなら肥料切れです。定期的な追肥を始めてください。
水のやりすぎでもトマトの葉は黄色くなりますか?
はい、よくあります。常に湿った土は根を窒息させ、傷んだ根は養分を運べないため葉が黄色くなり、土が濡れているのにしおれることもあります。表土が2〜3cm乾いてから水をやるようにし、プランターは水がしっかり抜けるか確認してください。
葉が黄色い株のトマトは食べられますか?
食べられます。葉の黄変や肥料不足、輪紋病が出ている株でも、実そのものが健全なら問題ありません。早めに収穫し、斑点やカビ、傷みのある実だけを避けてください。疫病の病斑が出た実は処分しましょう。