ジャーナル/Care Basics · 6分で読めます
アンスリウムの育て方|花を咲かせ続けるコツ
アンスリウムの育て方を解説。置き場所と水やり、湿度、用土に加え、花を再び咲かせる方法や花色が緑になる原因もまとめました。
かんたんに言うと
アンスリウムは明るい半日陰を好み、土の上半分が乾いたら水やり(目安は週1回程度)、湿度は60%以上、粗めの洋ラン用ミックスのような通気性のよい用土、気温は18〜27℃を保つと元気に育ちます。光が多いほど花数が増えます。花を再び咲かせたいときは、15〜16℃前後のやや涼しい場所で6週間ほど休ませ、その後暖かく明るい場所に戻してあげましょう。
アンスリウムは「フラミンゴフラワー」の名前でも流通する観葉植物で、室内で一年を通して花を楽しめる数少ない存在です。ハート形をした赤やピンク、白の「花」は昔から生花店の定番で、見た目の華やかさに反して育て方自体は決して難しくありません。ただし、お店で買ってきたアンスリウムの多くが数か月で花を止めてしまうのも事実です。難しいからではなく、2〜3の条件がそっと満たされていないだけなのです。このガイドでは、アンスリウムが本当に必要としているものと、花が止まったときの再スタートのさせ方を解説します。
まず知っておきたい秘密:あの「花」は花ではありません
ハート形の色づいた部分は「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる、いわば宣伝役に特化した変形した葉です。本当の花は、中央に伸びる棒状の部分(肉穂花序)にびっしりと並んだ小さな粒々のほうです。これは育て方にも関わる大事なポイントで、仏炎苞は葉と同じ構造なので数週間から数か月ともちます。切り花の花束よりアンスリウムがずっと長もちするのはこのためです。仏炎苞がやがて色あせて緑がかってくるのは自然な老化現象であり、育て方の失敗ではありません。
光:花を咲かせる最大のカギ
アンスリウムはもともと中南米の熱帯雨林で、地面や木の幹に着生して育つ植物です。そのため、明るいけれど直射日光ではない、やわらかい光を好みます。東向きの窓のそば、または南向きや西向きの窓から1〜2mほど離した場所が理想的です。覚えておきたいルールはただひとつ、「アンスリウムに当たる(間接的な)光が多いほど、花の数が増える」ということ。暗い場所でも枯れはしませんが、花が止まってしまいます――これがいちばん多い相談内容です。反対に、真昼の直射日光は葉を白く焼いてしまいます。
水やり
鉢の上半分が乾いたら水やりのタイミングです。明るく暖かい部屋なら、だいたい週に1回程度、冬はもっと間隔をあけます。鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿にたまった水は必ず捨ててください。アンスリウムは半着生植物特有の太い根を持ち、空気を必要とします。常に湿った土は根を窒息させ、根腐れを招きます。葉が黄色くなるのは水のやりすぎ、葉先が茶色くパリパリになるのは水不足か空気の乾燥が原因であることがほとんどです。
ワンポイント:アンスリウムは冷たい水に敏感な根を持っています。常温の水を使い、「氷を土に置いて溶かす」水やり方法は避けてください。溶けた氷水は熱帯育ちの根を冷やしすぎてしまいます。
湿度と気温
湿度は60%以上を目安にしてください。50%を下回ると葉や仏炎苞の先端が茶色くなってきます。加湿器や水を張ったトレイの上に鉢を置く方法、湿度の高い浴室やキッチンでの管理も効果的です。気温は18〜27℃を保ち、15℃を長く下回らないようにし、暖房の吹き出し口やエアコンの風、窓辺の冷たいすきま風からは離してください。とくに冬は、日本の住宅では窓際が想像以上に冷え込むので注意が必要です。梅雨の時期の高い湿度はアンスリウムにとってむしろ好都合ですが、夏の直射日光はレースのカーテン越しにやわらげて、葉焼けを防ぎましょう。
用土・鉢・肥料
一般的な観葉植物用の培養土だけでは目が詰まりすぎています。観葉植物用培養土、洋ラン用バークチップ、パーライトをおおよそ同量ずつ混ぜた、粗くて通気性のよい用土を、排水穴のある鉢に入れて使いましょう。根が鉢の中でぐるぐる回り始めたら、あるいは2年に1回を目安に、ひと回り大きな鉢へ植え替えます。春から夏にかけては月に1回、バランス肥料または開花促進タイプの液肥を規定の半分の濃度に薄めて与えてください。肥料を与えすぎると根を傷め、葉ばかり茂って花が犠牲になってしまいます。
アンスリウムをもう一度咲かせる方法
- まず光を見直しましょう。花が咲かない薄暗い場所に置いているなら、他の何よりもまず明るい場所への移動が先です。
- 休息期間を設けます。15〜16℃前後のやや涼しい場所で約6週間、水やりを控えめにし、肥料も与えないことで、亜熱帯の「冬」に似た環境を再現し、花芽のスイッチを入れます。
- その後、暖かく明るい間接光の場所に戻し、通常の水やりと月1回・半分濃度の施肥を再開すると、1〜2か月ほどで新しい仏炎苞が現れることが多いです。
- 咲き終わった花茎は根元から切り取り、株のエネルギーを新しいつぼみに回してあげましょう。
よくあるトラブル早見表
| 症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 光不足、または休息期間を経ていない | 明るい場所に移動し、6週間の低温休息を試す |
| 葉先が茶色くなる | 空気の乾燥、または水不足 | 湿度を上げ、水やりのリズムを見直す |
| 下葉が黄色くなる | 水のやりすぎ | 土をしっかり乾かしてから水やり。排水を確認 |
| 仏炎苞が緑がかって色あせる | 自然な老化、または光不足 | 古い花茎を切り、光の量を見直す |
| 葉が白っぽく焼けたようになる | 直射日光 | 真昼の直射日光を避ける場所へ移動 |
注意:アンスリウムはシュウ酸カルシウムの結晶を含んでおり、かじると猫や犬、人間にとっても有毒です。ペットや小さなお子さんの手の届かない場所に置き、剪定のあとは必ず手を洗ってください。
葉の茶色い変色が水やりのせいなのか、空気の乾燥なのか、それとも別の原因なのか迷ったら、PlantMeで写真を撮ってみてください。数秒で原因を絞り込み、対処法まで教えてくれます。
よくある質問
アンスリウムの花はどれくらいもちますか。
健康な仏炎苞は6〜8週間、長ければ3か月ほどもちます。老化すると色あせて緑がかってくるので、花茎を根元から切り取ると次の花が咲きやすくなります。
アンスリウムには葉水(霧吹き)が必要ですか。
葉水は湿度を一時的に上げるだけで効果は長続きせず、葉が濡れたままだとカビによる斑点の原因にもなります。加湿器や水を張ったトレイ、もともと湿度の高い部屋のほうがずっと効果的です。
新しく咲いた花が赤ではなく緑色なのはなぜですか。
仏炎苞が緑色や薄い色をしているのは、光が足りない場所で咲いた場合か、単に花が老化している場合がほとんどです。次の花では、より明るい(ただし直射日光ではない)場所に移してみてください。
アンスリウムは犬や猫にとって安全ですか。
いいえ、安全ではありません。多くのサトイモ科植物と同じくシュウ酸カルシウムを含んでおり、かじると口の痛みやよだれ、嘔吐を引き起こします。ペットの手が届かない場所に置くか、ペットに安全な植物を選ぶことをおすすめします。