ジャーナル/Indoor Styling · 6分で読めます
浴室に置ける観葉植物:お風呂場の湿気で元気に育つ植物とは
シダ類からスパティフィラムまで、浴室に置ける観葉植物を紹介します。湿気を好む種類、本当に必要な光の量、そして窓のない浴室でできること・できないことを解説します。
かんたんに言うと
シダ類、オリヅルラン、スパティフィラムは浴室向きの定番です。入浴時の湿気を好み、やわらかな光でも育ちます。本当の制約は湯気ではなく光です。窓のない浴室で長く育てられる植物はありません。実際の窓の条件に合う植物を選べば、あとはシャワーが手助けしてくれます。
お風呂場にシダを置くのが定番になっているのには理由があります。うまくいくからです。シャワーを浴びるたびに暖かく湿った空気が浴室に広がり、熱帯雨林を故郷にもつ一部の植物は、まるで里帰りしたかのように生き生きとします。窓辺や棚、タイルの一角が空いているなら、浴室は家のなかでも特に失敗しにくい置き場所のひとつです。
とはいえ、手持ちの鉢をすべて浴室に運び込む前に、浴室が与えてくれるもの、与えてくれないものを正直に確認しておきましょう。そこさえ押さえれば、あとは簡単です。
まずは湿度についての本当のところ
シャワーによる湿度の上昇は本物ですが、長くは続きません。米国ペンシルベニア州立大学エクステンションの専門家によると、湿度が上がるのは水が蒸発して散らばるまでの間だけです。葉水で湿度を上げようとしてもあまり効果がないのも同じ理由で、数分で効果は消えてしまいます。1日1回さっとシャワーを浴びるだけの浴室は、イメージよりも乾いています。実際の湿度が気になるなら、安価な湿度計を棚に置いておけば1週間でわかります。
それでも、ふだん使っている浴室はたいてい家でいちばん湿度の高い場所です。英国王立園芸協会(RHS)が浴室をすすめているのもそのためで、暖かく湿った空気は、人気の観葉植物の多くが生まれたジャングルの環境に近いのです。リビングの棚でカリカリになっていたシダが、移してから2週間ほどで目に見えて落ち着くこともよくあります。家全体が乾きがちな場合は(梅雨どきは逆に湿気が多すぎることもあります)、観葉植物の湿度のガイドで、本当に効く方法と迷信を整理しています。
すべてを決めるのは光
湯気はおまけで、決め手は光です。すりガラスの窓はむしろありがたい存在で、直射日光を散らして、多くの熱帯植物が好むやわらかく明るい間接光にしてくれます。北向きの小さな窓なら、選べるのは日陰に強い植物に限られます。日陰に強い観葉植物で紹介しているのと同じ顔ぶれです。そして、お店が何と言おうと、窓がまったくない浴室では植物は次第に弱っていきます。照明のスイッチと換気扇だけで光合成できる植物はありません。そんな浴室なら、丈夫な植物を1〜2週間ずつ置いては明るい場所で休ませるローテーションにするか、すてきなドライフラワーを気兼ねなく飾りましょう。
窓辺や棚に置ける小さな植物
窓がひとつで置き場所も限られる一般的な浴室なら、大きく存在感のある植物より、小さくても葉がこんもり茂る植物のほうが向いています。次の5つがおすすめです。
- アジアンタム(Adiantum)――浴室でようやくおとなしくしてくれる気難し屋。薄く繊細な小葉は乾いた部屋ではすぐ傷みますが、シャワーのそばなら緑を保ちます。
- ボストンファーン/タマシダ(Nephrolepis exaltata)――アーチ状に広がるたっぷりした葉で、湿った空気のなかでは葉が落ちにくくなります。詳しくはボストンファーンの育て方をご覧ください。
- オリヅルラン(Chlorophytum comosum)――とにかく丈夫で、やわらかな光でも機嫌よく育ち、すぐに子株で棚をにぎやかにしてくれます。
- アスプレニウム(Asplenium nidus)――つやのあるロゼット状の葉をもち、やわらかく遮った光と湿った空気を好みます。
- チランジア・キアネア(Tillandsia cyanea)――葉からも水分を吸収するブロメリアの仲間で、湯気の多い浴室がよく合います。
広めの浴室に置きたい存在感のある植物
床にスペースがあり光も十分なら、主役になる植物をひとつ置くこともできます。
- スパティフィラム(Spathiphyllum)――暗めの場所にも耐え、それでも花を咲かせ、水が欲しいときははっきり態度で教えてくれます。
- モンステラ(Monstera deliciosa)――湿った一角は、モンステラが育ち始めた森の地面に近い環境です。リビングよりもつやのある葉が期待できます。
- ザミオクルカス(Zamioculcas zamiifolia)――暗めの浴室向け。光が少なくても、多少放っておいても平気です。
- ベンジャミン(Ficus benjamina)――明るい窓辺で優雅に育ちますが、一度置き場所を決めたら動かさないこと。すきま風や急な環境の変化で葉を落とします。
このベンジャミンの注意点は、浴室では特に重要です。換気扇、頻繁に開ける窓、浴室暖房などで、浴室は家のなかでいちばん風の動きが激しい場所になることがあります。できるだけ落ち着いた一角を選んでください。
湯気でもカバーできない3つの失敗
ひとつ目は、習慣だけで水やりをすることです。湿った空気のなかでは土の乾きが遅くなるので、浴室の植物はリビングの同じ植物よりも水が少なくて済みます。水をあげる前に指で土を確かめましょう。そうしないと、葉先の枯れの代わりに根腐れを招いてしまいます。ふたつ目は、温度差を気にしないことです。冬の浴室の冷え込んだタイルの床と、その1時間後の熱いシャワーという組み合わせは植物にとって負担になります。いちばん冷える場所に鉢を直接置かないようにしましょう。3つ目は、植物ではなく部屋を信じてしまうことです。RHSによると、床暖房は鉢を驚くほど早く乾かします。部屋は熱帯のように感じても、土はからからになっていることがあるのです。
あとは浴室におまかせ
浴室の植物は、いちばん手軽な置き場所がいちばん植物にやさしい場所でもある、めずらしい例です。光の条件に合わせて選び、水やりは控えめに。そうすれば毎日の湯気が、覚えておく必要のないお手入れになってくれます。スーパーで名札のないシダを買ってきたときは、PlantMeアプリで写真を撮れば35,000以上の植物クラスから名前を調べられます。アジアンタムなのか、もっと手のかからない種類なのかがわかってから、どの棚に置くか決めましょう。
参考文献・出典
執筆者について

観葉植物とインテリアグリーン
ウレンさんは数えきれないほどの観葉植物を枯らしてきたからこそ、あなたの株が弱っている理由がすぐに分かります。今では実験室も兼ねた明るい小さな部屋で、何百株もの植物を元気に育てています。ルールに従うのではなく植物のサインを読み取ることを大切にし、どんな窓辺にも一枚の葉があってほしいと考えています。
