ジャーナル/Care Basics · 読了5分

底面給水のやり方|時間の目安とメリット・注意点

Wren Hollis

文: Wren Hollis · 観葉植物とインテリアグリーン

観葉植物の底面給水を解説。鉢を水に浸す時間の目安は10〜30分。向いている植物、コバエ対策との関係、肥料の塩類対策まで紹介します。

かんたんに言うと

鉢を2〜5cmほどの常温の水に立て、鉢底穴から土が水を吸い上げて表面が湿るまで待ちます。目安は10〜30分で、そのあと必ずしっかり水を切ってください。底面給水はカラカラに乾いた根鉢をムラなく湿らせ、葉を濡らさずに済む方法ですが、月に1回は上から水を流して肥料の塩類を洗い流しましょう。

底面給水——鉢を水を張った皿に立て、下から用土に水を吸わせる方法——は、もともとセントポーリア愛好家の間で知られていた技ですが、いまではインターネットで人気の観葉植物への水やり方法になりました。実際、これはとても優れたテクニックです。ただし、意外なほど多くの誤解にも包まれています。ここでは正しいやり方、実際に恩恵を受ける植物、そしてほとんどの人が見落としがちなメンテナンスの一手間を紹介します。

底面給水のやり方・手順

  • まず本当に水が必要かを確認します。鉢が軽く感じられ、表面数cmの用土が乾いていれば水やりのタイミングです。
  • 育苗ポットや鉢を、2〜5cmほどの常温の水を張った洗面器やトレー、シンクに立てます。鉢底穴がしっかり水に浸かっている状態にしましょう。
  • 毛細管現象によって水が用土の中を上がってくるのを待ちます。小さな鉢なら10分ほど、大きな鉢やカラカラに乾いた鉢は30分以上かかることもあります。
  • 用土の表面が黒っぽく色づき、触ると湿っていて、鉢が明らかに重くなっていれば完了です。
  • 鉢を持ち上げて、カバー鉢や受け皿に戻す前に10〜15分ほどしっかり水を切りましょう。水に浸けたまま放置するのは禁物です。

なぜこれほど効果があるのか

ピートを多く含む用土は、乾ききると水をはじく性質(撥水性)を持ちます。上から水をかけると水滴が表面で玉になり、土と鉢の隙間を伝ってそのまま底から流れ出てしまい、根鉢そのものはカラカラに乾いたままということがよくあります。底面給水はこの問題を完全に解決します。下からゆっくり吸い上げることで、根鉢全体をムラなく、乾いた部分を残さずに湿らせることができるのです。ひどく乾ききってしまった株を救うには、まるごと水に沈める方法を除けば最も効果的な手段と言えます。

また、葉に水がかからずに済む点も大きなメリットです。セントポーリアやグロキシニアのように、葉が濡れると斑点や腐りが出やすいふわふわした葉を持つ植物や、エケベリアやケープアイビス(ストレプトカーパスの仲間)のように株の中心に水がたまりやすい密なロゼット状の植物にとって、葉を濡らさない給水方法は多くの典型的なトラブルを防いでくれます。

コバエ対策になるのか

部分的には効果があります。キノコバエ(コバエ)は湿った用土の表面数cmに卵を産みつけるため、水やりのあいだ表面が乾いた状態を保てるようにすると、鉢がコバエにとって魅力的な産卵場所ではなくなります。ただし底面給水はあくまで予防であって治療ではありません。すでに用土の奥深くにいる幼虫を駆除することはできないのです。すでに発生してしまっている場合は、底面給水と黄色い粘着トラップを併用し、水やりの間に用土をしっかり乾かすようにしましょう。

落とし穴:肥料の塩類の蓄積

いつも上から水やりをしていると、余分な水が肥料の溶け残った塩分や水道水中のミネラル分を鉢底穴から洗い流してくれます。底面給水はその逆で、水が運び上げたものはすべて鉢の中にとどまり続けます。これが徐々に蓄積していくと、やがて用土の表面や鉢のふちに白い結晶が見られるようになり、葉先が焼けたように傷み始めます。

ポイント:月に1回、あるいは4〜5回に1回の水やりのタイミングで、代わりに上からたっぷりと水を与え、鉢底穴から1〜2分ほど水が自由に流れ出るようにしましょう。この一手間だけで、底面給水の唯一の弱点をほぼ解消できます。

上からの水やりのほうが向いている場合

  • 床置きの大型植物:直径30cmもある鉢を洗面器に立てる作業は誰にとっても大変です。
  • バークを多く含むごつごつしたアロイドやラン用の用土:粗い用土は水を吸い上げにくく、下から水を吸わせてもあまり効果がありません。
  • 施肥をするとき:与える肥料の量を自分でしっかりコントロールしたい場合。
  • 月1回の塩類の洗い流しを行うタイミング。

見直しておきたい2つの誤解

「底面給水は根を深く張らせる」というのは、実はあまり正確ではありません。根は水がどちらの方向から来たかに関係なく、水や空気、養分がある場所に伸びていくものです。また「底面給水なら水のやりすぎを防げる」という説も半分だけ正しいと言えます。何時間も水に浸けっぱなしにした鉢は、上からたっぷり水をかけて水浸しにしたときと同じくらい過湿の状態になってしまいます。底面給水は優しい方法ではありますが、失敗しない魔法ではありません。しっかり水を切る工程は決して省略できないのです。

注意:鉢底穴のない鉢を底面給水することは絶対に避け、鉢を1時間以上水に浸けたままにしないでください。水を吸いすぎて空気の通らなくなった用土は、水がどちらの方向から来たかにかかわらず、根腐れの引き金になります。

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よくある質問

底面給水はどのくらいの時間行えばよいですか?

用土の表面が見た目にも湿ってきて、鉢を持つと重く感じられるようになるまでで、鉢の大きさや乾き具合にもよりますが目安は10〜30分です。そのあとは必ず10〜15分ほどしっかり水を切ってから受け皿に戻しましょう。

底面給水でも水のやりすぎになりますか?

なります。鉢を何時間も水に浸けたままにすると、用土は完全に水浸しになり、他の水のやりすぎと同じように根が窒息してしまいます。底面給水は植物が本当に必要としているときだけ行い、水切りの工程は絶対に省かないようにしましょう。

底面給水がいちばん向いている植物は何ですか?

セントポーリアやグロキシニア、エケベリアなど、ふわふわした葉やロゼット状の株を持つ植物のほか、シダやカラテア、種まきトレーなど、ピートを多く含み乾燥しやすい用土に植えられている植物全般です。ランや大型アロイドに使う粗いバーク主体の用土は、底面給水の恩恵をあまり受けません。

底面給水をしていても土を洗い流す必要はありますか?

必要です。ここが多くの人が見落としがちな工程です。月に1回程度は上からたっぷりと水を与え、鉢底穴から蓄積した肥料の塩分やミネラル分を洗い流しましょう。怠ると、やがて用土の表面に白い結晶が出たり、葉先が焼けたように傷んだりします。

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