ジャーナル/Care Basics · 7分で読めます
シャコバサボテンの育て方|置き場所・水やり・花を咲かせるコツ
シャコバサボテン(デンマークカクタス)の育て方。明るい日陰、水やりの目安、9月下旬からの短日処理、そして蕾がぽろぽろ落ちる原因と対策を解説します。
かんたんに言うと
シャコバサボテン(シュルンベルゲラ)は砂漠ではなくブラジルの雨林生まれの植物です。明るい日陰に置き、用土の表面2〜3cmが乾いたら水を与え、ある程度の湿度を保ちます。11月から1月に咲かせたいなら、9月下旬から約6週間、夜温10〜15℃と12〜14時間の暗さを確保すること。そして蕾が見えたら、もう動かさないでください。
「サボテン」という名前から連想する管理は、シャコバサボテンにはほとんど当てはまりません。シュルンベルゲラの自生地は砂漠ではなく、ブラジル南東部の涼しく霧の多い海岸山地。木の枝の上、落ち葉がたまったくぼみに根を張り、木漏れ日の下で育つ植物です。「根の過湿を嫌う雨林の植物」として扱えば、何十年でも生きます。祖母の代から受け継がれ、同じ窓辺で50年間毎冬花を咲かせている——そういう鉢になり得る植物です。
手元にあるのはどのタイプ?
3種類の「カニバサボテン」の見分け方
| 茎節のふち | 日本での開花期 | |
|---|---|---|
| シャコバサボテン(S. truncata) | とがった爪のようなギザギザ | 11月〜12月 |
| クリスマスカクタス(S. × buckleyi) | 丸みのある波形 | 12月〜1月 |
| イースターカクタス(現在はRhipsalidopsis属) | とても丸く、毛が生える | 春(3〜5月) |
日本で「シャコバサボテン」「デンマークカクタス」として流通しているものの多くはS. truncata系の園芸品種です。デンマークカクタスというのは、デンマークで改良された系統に付けられた流通名で、育て方は同じと考えて問題ありません。上の2種の管理は共通で、イースターカクタスも基本は同じですが、こちらは冬の低温のあとに春の日長が伸びることで蕾をつけます。
置き場所
明るいけれど直射は当たらない場所が最適です。東向きの窓辺、あるいは南向きの窓から少し離れた位置がちょうど良いでしょう。真夏の直射日光は茎節を焼き、赤みを帯びてしぼんだ姿にしてしまいます。逆に暗すぎると、緑は濃くなっても花はつきません。夏は屋根のあるベランダの日陰や、樹木の下の木漏れ日もよく合います。夜間の気温が10℃を下回る前に取り込んでください。
水やり
ここで「雨林の植物」という側面が効いてきます。砂漠のサボテンと違い、シュルンベルゲラは何週間もからからに乾かされるのを嫌います。用土の表面2〜3cmが乾いたら、鉢底から流れ出るまで与え、受け皿の水は捨てましょう。暖かい室内なら夏はおよそ週1回、冬は10〜14日に1回が目安です。一方で、細い根を持つ着生植物であることも事実で、常に湿った用土では簡単に根腐れします。茎節がしぼんで垂れているとき、用土が濡れていれば根腐れ、乾いていれば水切れです。
湿度・用土・肥料
湿度は50%以上を目安に。受け皿に軽石を敷いて水を張るか、明るいキッチンや洗面所に置くのも有効です。用土は水はけの良いものを。観葉植物用の土2に対してパーライトか細かいバークを1の割合で混ぜると、自生地の落ち葉のくぼみに近い環境になります。春から夏の終わりまで、規定の半分の液体肥料を月1回。蕾ができ始めたら止めます。植え替えは3〜4年に一度で十分で、シャコバサボテンは根が少し詰まっているほうがよく咲きます。梅雨どきは特に、風通しの悪い場所での過湿に注意してください。
花を咲かせる:9月下旬がスタート
シュルンベルゲラは短日植物で、長い夜と低めの気温が重なると花芽をつけます。自生地のブラジルでは、その二つが秋に同時にやってきます。日本では9月下旬から10月にかけて、次の3点を約6週間続けてください。ひと晩に12〜14時間の、途切れない本当の暗さ(照明やテレビの光が届かない部屋。段ボールをかぶせる方法でも構いません)。夜間10〜15℃程度の涼しさ。そして水やりを少し控えること。暖房を入れていない部屋の窓辺なら、この3つが自動的にそろいます。だいたい13℃以下になると、日長にほとんど関係なく蕾がつきます。無加温の玄関先に置かれた鉢が近所でいちばんよく咲くのは、そのためです。
ヒント:秋のあいだ屋外に置いておくのがいちばん自然な方法です。日陰で夜温が10℃に近づくまで外に置いておけば、取り込むころにはたいてい蕾がついています。
蕾が見えたら守る鉄則
注意:蕾が確認できたら、その鉢はもう動かさないでください。シュルンベルゲラは環境の急変で蕾を落とすことで知られています。置き場所の変更、暖房の風、冷たいすきま風、極端な乾燥や過湿——どれも原因になります。蕾がつく前に「咲かせる場所」を決め、水やりは一定に、鉢を回すのもごくわずかに。放っておけば6週間以上咲き続けます。
花が終わったら
2か月ほど休ませます。水はやや控えめ、肥料はなし、置き場所は同じ明るい場所のままで構いません。春になったら、伸びすぎた茎の関節部分で1〜2節をひねって取り、軽く整えましょう。株がまとまり、分岐が促されるので、翌シーズンの花つきが増えます。
増やし方:贈り物にも最適
- 春から初夏に、2〜4節のまとまりをひねって外します(切らずにひねるのがコツです)。
- 切り口を1〜2日乾かします。
- いちばん下の節を、わずかに湿らせた水はけの良い用土に1cmほど挿します。1鉢に数本まとめて構いません。
- 暖かく明るい場所で、用土をごく軽く湿った状態に保ちます。3〜4週間で発根します。挿し木した株が最初の冬に咲くことも珍しくありません。
よくあるトラブル
- 開く前に蕾が落ちる:環境の急変が原因です。鉢の移動、温度差、水やりの極端な変化など。すべて一定に戻し、株を落ち着かせましょう。
- 茎節がしぼんで垂れる:用土を確認してください。濡れていれば根腐れ(傷んだ根を切って乾いた新しい用土に植え替え)、乾いていれば水切れです。
- 茎節が赤や紫を帯びる:直射日光が強すぎるか、寒さと肥料切れです。多くの場合は見た目だけの問題です。
- まったく咲かない:暖かい部屋と夜の照明が定番の原因で、長く涼しい夜を一度も経験できていません。9〜10月の管理をやり直してください。
- 古い茎節にできる褐色のかさぶた状の部分:加齢による傷跡で、病気ではありません。
ペットのいる家庭にうれしいことに、多くの冬の鉢花と違って、シャコバサボテンは犬や猫に対して無毒とされています。手元の株がシャコバサボテンなのかクリスマスカクタスなのかイースターカクタスなのか——あるいはそのしおれが根腐れなのか水切れなのか——迷ったら、PlantMeアプリで撮影してください。数秒で種類の判定と症状の診断が返ってきます。
よくある質問
シャコバサボテンの水やりはどのくらいの頻度ですか?
用土の表面2〜3cmが乾いたらで、夏はおよそ週1回、冬は10〜14日に1回が目安です。与えるときは鉢底から流れるまでたっぷりと。砂漠のサボテンより水を好みますが、過湿の鉢では同じくらい早く根腐れします。
蕾がぽろぽろ落ちるのはなぜですか?
蕾落ちのほとんどは急な環境変化への反応です。蕾がついた後の移動、暖房の温風、冷たいすきま風、水やりの大きなむらなど。蕾がつき始めてから花が終わるまで、明るく条件の安定した一か所に置いたままにしてください。
短日処理はいつから始めればいいですか?
9月下旬から10月上旬です。12〜14時間の暗さと10〜15℃の涼しさを6週間続けると、11月から12月の開花に向けて花芽がつきます。夜に照明をつけない涼しい部屋があれば、置いておくだけで条件が整います。
シャコバサボテンは犬や猫に有毒ですか?
いいえ。シュルンベルゲラは犬や猫に対して無毒とされています。大量に食べれば軽い胃腸の不調が出ることはありますが、冬に出回る鉢花のなかではもっとも安全な部類です。