ジャーナル/Vegetable Garden · 読了7分
緑肥の育て方|種まきの時期と鋤き込み方
文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業
緑肥(カバークロップ)のまき方と時期。秋まきに向く草種、9〜10月の播種、鋤き込みのタイミングまで、春の作付けに効く土づくりを解説します。
かんたんに言うと
緑肥は、空いた畑にまいて土を守り、肥やすための生育の早い作物です。日本では9〜10月が秋まきの重要な時期で、エンバク、ライ麦、ヘアリーベッチ、クリムソンクローバー、レンゲなどが冬を越します。春の作付けの3〜4週間前に刈り取り、鋤き込む(またはたい肥にする)のが基本です。
夏の終わりになると、家庭菜園は少しずつ空いていきます。タマネギを収穫し、ジャガイモを掘り上げ、片付いた畝が裸のまま残る——この状態で冬を越すと、雨で土が締まり、養分は流亡し、雑草が入り込みます。緑肥は、そこに効く昔ながらの安価な方法です。今のうちに生育の早いカバークロップをまき、冬のあいだ土を覆って養分を抱えさせ、春の作付け前に土へ返す。それだけで、畑は前の年より良い状態で春を迎えられます。
緑肥が実際にしてくれること
- 裸地を覆い、冬の雨による土の締まりや流亡を防ぎます。
- 残った養分を生きた組織に取り込み、流亡させずに鋤き込み時へ持ち越します。
- マメ科(ヘアリーベッチ、クリムソンクローバー、レンゲ)は根粒菌で空気中の窒素を固定します。
- 密に茂った葉が、秋に発芽する雑草を抑えます。
- 有機物が増え、土壌生物が育ち、団粒構造が良くなります。
- ライ麦のような深根性の草種は、硬くなった層をほぐしてくれます。
いまの時期にまける草種
9〜10月は一年でもっとも実用的な播種期です。越冬できる耐寒性の緑肥がちょうどこの時期に適します。片付けて軽く耕した畑に、ばらまき(散播)か条間の狭い条播でまき、乾燥が続くようなら灌水します。地温が高いうちなら、多くは1〜2週間で発芽します。
秋まき緑肥の早見表
| 草種 | 播種期 | 越冬性 | 窒素固定 | 向いている目的 |
|---|---|---|---|---|
| エンバク(燕麦) | 9〜10月 | 地域による(寒冷地では枯死) | なし | 有機物の確保、線虫対策品種もあり |
| ライ麦 | 9〜11月 | 高い | なし | 土壌構造の改善、雑草抑制 |
| ヘアリーベッチ | 9〜10月 | 高い | あり | 窒素供給とマルチ効果 |
| クリムソンクローバー | 9〜10月 | 比較的高い | あり | 軽い砂質土、景観と蜜源 |
| レンゲ | 9〜10月 | 高い | あり | 春の花と窒素供給、水田・畑地の定番 |
| シロカラシ | 3〜9月 | 低い(霜で枯死) | なし | 6週間ほどの短期被覆、枯死後はマルチに |
ポイント:次に何を植えるかで草種を選びましょう。シロカラシはアブラナ科なので、キャベツやブロッコリーを作る畝には避けます。根こぶ病など同じ病気を持ち越す可能性があるためです。同じ理屈で、エンドウやソラマメの前作にマメ科の緑肥を続けるのも避けます。どこにでも使いやすいのはライ麦とエンバクです。
まき方
- 収穫残さと大きな雑草を片付け、表面を軽く耕して整えます。
- 種を均一にばらまきます(播種量は袋の表示に従い、多くは1平方メートルあたりひと握り程度)。
- 軽くレーキで覆土して鎮圧し、乾燥時は灌水します。
- ハトなどの鳥害がある地域では、発芽初期に防鳥ネットをかけます。
鋤き込み——いちばん失敗しやすいところ
緑肥は、若いうちに土へ返すほど効果が出ます。柔らかく葉が多い状態、つまり出穂・開花して種を付ける前が目安です。春に地上部を刈り倒し、スコップで粗く刻んで、表層20〜25cmに鋤き込みます。そのあとが大切で、分解中の緑の有機物は一時的に窒素を取り込み、発芽を妨げることがあります。播種や定植までは3〜4週間空けてください。硬くなりすぎたライ麦は典型的な失敗例なので、まだ柔らかいうちに早めに処理しましょう。
不耕起で育てている場合も同じ恩恵を受けられます。鋤き込む代わりに地際で刈り、根はそのまま土中で分解させ、刈った地上部はたい肥にするか、そのまま表面に敷いてマルチにします。土壌生物が時間をかけて取り込んでくれます。
ひとつだけ注意
よく茂った緑肥の株元は、ナメクジにとって最高の住みかです。ナメクジの被害が多い畑では、春の刈り取りを少し早めて表面を乾かし、次に植える柔らかい苗を守る準備をしておきましょう。
緑肥の間から出てきた芽が、こぼれ種なのか雑草なのか分からない——そんなときはPlantMeで撮影してみてください。1枚の写真から35,000+の植物クラスを判別し、幼苗にも対応します(4.4★・26,000件以上の評価)。
よくある質問
緑肥の種まきはいつまで間に合いますか。
耐寒性のある草種は、地温が保たれている10月中までなら十分に育ちます。それ以降は発芽が揃いにくいので、寒冷地では春まきに切り替えるほうが確実です。
マメ科の緑肥は本当に窒素を増やしますか。
増やします。根粒菌が空気中の窒素を固定するためです。ただしタイミングが重要で、次の作物が使える形になるのは、開花前の若いうちに刈って鋤き込んだ場合がほとんどです。
刈らずにそのまま育ててもいいですか。
レンゲやクローバーを蜜源として咲かせるのは問題ありませんが、多くの草種は硬くなって種を落とし、その後の雑草になります。越冬させた緑肥は遅くとも春の半ばまでに刈り取りましょう。
プランターや小さな家庭菜園でも意味がありますか。
十分にあります。6週間空くだけでも被覆する価値があります。短い期間ならエンバクやシロカラシ、秋から春まで空く畝には越冬タイプが向いています。