ジャーナル/Seasonal · 7分で読めます

花の種の採取と保存方法|こぼれ種で終わらせないコツ

Arthur Meade

文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業

花の種の採り方と正しい乾燥・保存方法、初心者でも失敗しにくい花の種類まで、晩夏〜秋の種採りシーズンの手順をわかりやすく解説します。

かんたんに言うと

花の種は、種のさやや花がらが茶色くカラカラに乾いてカタカタと音がするようになってから、晴れた日に採取します。緑色のうちに採ってはいけません。室内で1週間ほど紙の上で乾燥させ、殻や不要な部分を取り除いてから、名前を書いた紙封筒に入れ、涼しく乾燥した暗い場所で保管します。多くの花の種は1〜3年ほど発芽力を保ちますが、F1(一代交配)品種は避けましょう。親株と同じ花にはなりません。

晩夏になると、庭は来年の花をひっそりと無料で分けてくれます。茶色くなったコスモスの花がら、カタカタ鳴るポピーのさや、黒ずんでいくキンセンカの巻いた花芯——そのひとつひとつが、園芸店で買えば数百円かかる種の詰め合わせです。しかも自分で採った種は、自分の庭の環境でいちばんよく育った株から選ばれているという利点があります。種採りは晩夏〜秋(9〜10月)が多くの一年草のシーズンで、週に10分ほどの手間と紙袋・封筒さえあればでき、園芸の中でもとりわけ満足感の高い習慣のひとつです。ここでは、来春きちんと芽が出るように、正しい採取方法を紹介します。

初心者でも失敗しにくい花

まずは、種が大きくてわかりやすく、発芽もしやすい固定種の一年草から始めましょう。キンセンカ(カレンデュラ)、コスモス、ニゲラ、ポピー、ヒマワリ、ナスタチウム、スイートピー、ジニア(百日草)、マリーゴールドなどがおすすめです。多年草ではエキナセア、ルドベキア、タチアオイも安定して種が採れます。これらはいずれも「親株に似た花が咲く」性質を持ちますが、それは親株がF1品種でない場合に限られます。

注意:F1(一代交配)品種から採った種は、パッケージやラベルに「F1」と表示されているはずですが、その種を蒔いても採取元と同じ花にはなりません。交配種の子は形質がばらつき、なかには種ができないものもあります。種採りをするなら固定種や在来種を選ぶか、F1品種の種は「くじ引き」感覚で蒔いてみるとよいでしょう。

種はいつ採ればよいのか

もっとも多い失敗は、早く採りすぎることです。種は株が養分を送り終えてはじめて完熟し、その合図は色と質感に表れます。さやや花がらは緑色から茶色へ変わり、羊皮紙のようにパリパリに乾いて、たたくとカタカタ音がすることが多いです。ポピーのさやは、蓋の下に小さな窓のような穴が開きます。ニゲラのさやは紙のように薄く、中が空洞になります。キンセンカの種は緑から茶色に変わり、軽く触れるだけで外れます。ヒマワリの種は、花の裏側が黄褐色になり、種の模様がはっきり見えるようになれば完熟のサインです。花がらが茶色くても天気が悪いときは、晴れた日の午後まで待ちましょう。湿った種はそのまま保存するとカビが生えてしまいます。

採取の手順

  • 晴れて風のない日、できれば露が乾いた昼過ぎを選びます。
  • 清潔なはさみや剪定ばさみで花がらごと切り取り、そのまま紙袋や封筒に入れます。湿気がこもるビニール袋は避けてください。
  • 採ったその場ですぐに、品種名と日付を袋に書いておきます。この一手間を省くと、必ずと言っていいほど冬に後悔します。
  • スイートピーやゲラニウム、ビオラのように種を弾き飛ばすタイプは、さやがふっくらして、はじける直前に収穫し、袋の中で仕上げます。ポンと弾ける音が聞こえるはずです。
  • 崩れやすい花は、花がらごと袋の中で逆さにして軽く振り落とします。

乾燥のさせ方

花がらを新聞紙やトレー、目の細かい網の上に重ならないように広げ、暖かく、乾燥していて風通しがよく、直射日光の当たらない場所に置きます。日の当たらない窓辺の部屋などが最適です。1〜2週間そのままにしておきましょう。保存前には種をしっかり乾かすことが大切で、爪で押して曲がったりへこんだりする種はまだ乾燥が足りません。きちんと乾いた種はパキッと折れるか、しっかり抵抗します。どの工程よりもこの乾燥が重要で、湿気こそが保存中の種を傷める最大の原因です。

選別と不要物の除去

しっかり乾いたら、花がらをボウルの上でほぐし、種とゴミを分けます。大きな種(ヒマワリ、ナスタチウム、スイートピーなど)は手で選り分けられます。細かい種は、皿の上に全部あけて軽く息を吹きかけるか、弱い風量の扇風機の前で2つのボウルの間を移し替えると、軽いゴミだけが飛んで種が下に落ちます。完璧に取り除く必要はなく、封筒に多少のゴミが入っていても問題ありませんが、まだ緑色のやわらかい植物片は種を傷めるので取り除いてください。

保存:涼しく、暗く、乾燥した場所で

きれいにした種は紙封筒に移し、1品種につき1袋、名前・色・採取日を書いておきます。封筒は密閉できる缶や瓶に入れ、涼しく暗く、温度変化の少ない場所で保管してください。暖房のない部屋の戸棚などでよいですが、長期保存なら冷蔵庫の野菜室(4〜5℃)がさらに向いています。梅雨の湿気対策として、瓶にシリカゲル(乾燥剤)の小袋か乾いた米を大さじ1杯ほど入れておくと湿度を抑えられます。目安として、保存温度が5℃下がるごと、湿度が1%下がるごとに、種の寿命はおよそ倍になると言われています。

採った種はどれくらいもつのか

涼しく乾燥した場所で保存した場合の一般的な発芽可能期間

発芽可能期間
キンセンカ(カレンデュラ)3〜5年
コスモス3〜4年
ジニア(百日草)3〜5年
ヒマワリ2〜3年
ポピー4年以上
ニゲラ2〜3年
スイートピー2〜3年
ナスタチウム3〜5年
デルフィニウム・フロックス1年——できるだけ早く蒔く

ヒント:冬の終わりに、古い種を実際に蒔く前に発芽テストをしておきましょう。湿らせたキッチンペーパーに種を10粒包み、口を軽く閉じたビニール袋に入れて暖かい場所に置き、1〜2週間後に確認します。8粒発芽すれば発芽率80%——通常どおり蒔いて大丈夫です。半分を下回るようなら、いつもより厚めに蒔くか、来年また新しく種を採りましょう。

温暖な地域で育てている方へ

この方法は特定の気候だけのものではありません。どの地域で育てていても、目安になるのはカレンダーの月ではなく植物の状態です。開花のピークが終わり、花がらが茶色く乾いたときに採取し、次の生育シーズンの始まりに蒔いてください。霜の降りない温暖な地域では、長期保存せずに数週間後にはもう蒔けることも多く、その場合の保存はさらに簡単で、乾燥させてラベルを貼り、蒔く時期まで涼しい場所に置いておくだけで十分です。

種を採る前に花の名前がわからないときは、花やさやをPlantMeで撮影してみてください。正確な種類(原種か、名前のついた交配種か)がわかれば、その種を保存する価値があるかどうかが判断でき、アプリの植物ライブラリで春に蒔く深さや時期も確認できます。

よくある質問

F1(一代交配)品種の花からも種を採れますか。

採ることはできますが、その種から咲く花は親株と同じにはなりません。交配種の子は形質がばらつき、なかには発芽しない種もあります。確実な結果を求めるなら、固定種や在来種の花からのみ種を採りましょう。

種の採り時はどう見分ければよいですか。

さやや花がらが茶色く乾いてパリパリになり、種が外れやすくなったりカタカタ音がするようになった頃が目安です。緑色でやわらかい花がらはまだ未熟で、その段階で採った種はほとんど発芽しません。

種は冷蔵庫と冷凍庫のどちらに保存すべきですか。

乾燥剤を入れた密閉容器での冷蔵保存(4〜5℃)が家庭での保存には最適です。種が十分に乾いていない限り冷凍は避けてください。残った水分が氷の結晶になり、種の胚を傷めてしまいます。

採った種が発芽しなかったのはなぜですか。

よくある原因は、緑色のうちに採ってしまった、湿ったまま保存した、保存場所が暖かすぎた、単純に種が古すぎた、のいずれかです。一部の多年草は発芽前に低温期間(休眠打破)を必要とするため、種類ごとに確認しましょう。

採った種はその年のうちに蒔けますか。

温暖で霜の降りない地域では、多くの一年草をそのまま蒔き直せることが多いです。冬に厳しく冷え込む地域では、乾燥させて冬を越させ、春に蒔いてください。

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