ジャーナル/Seasonal · 読了目安5分

紫陽花(アジサイ)のドライフラワーの作り方

Dr. Lena Okafor

文: Dr. Lena Okafor · 植物の科学と不思議

アジサイをきれいな色のまま乾燥させる方法を解説。花を切るタイミングや水揚げ乾燥のやり方、日本の高湿度な夏を乗り切るコツまで紹介します。

かんたんに言うと

アジサイのドライフラワーは、株についたまま花色が抜けて秋色に変わり、花びらが紙のようにカサカサしてきた頃に切るのがコツです。目安は9〜10月。葉を取り除いた茎を花瓶に少量の水を入れて生け、2〜3週間かけて水を自然に蒸発させながらゆっくり乾かすと、形と色をきれいに保てます。

アジサイのドライフラワーは「永遠に楽しめる花」の中でもいちばん手軽なもののひとつです。プレス機もグリセリンも特別な道具もいりません。すべてはタイミング次第で、早く切りすぎると花房がしぼんで茶色く縮れてしまい、ちょうどよい時期に切るとほとんど手間をかけずに乾いていき、深みのあるグリーンやローズ、生成り色を1年以上保ってくれます。梅雨に美しく咲いたアジサイが秋色に変わっていく9〜10月ごろが、まさにハサミを持って庭に出るタイミングです。

切るタイミング:株の上で色づかせてから

意外なコツは、いちばん華やかな満開の時期に切らないことです。梅雨(6〜7月)に咲いたばかりの、水分をたっぷり含んだ花房を乾かそうとすると、花びらの組織に水分が多すぎてしぼんでしまいます。花が株の上で自然に老化し始め、花びらが絹のような質感からカサカサと紙のような手触りに変わり、色が鮮やかな青やピンクから、くすんだ秋色――青は藍色がかったグレーに、ピンクはワインレッドに、白は緑を帯びた色に――変わってくるまで待ちましょう。花びらの一部が緑や銅色を帯びてくるのも、乾燥に適したサインです。

多くの地域では、この時期が9月から10月にかけて訪れます。晴れて乾いた日の午前中、朝露が乾いたあとで、日中の暑さで茎が弱る前に切りましょう。茶色く傷んだ花や、カビが出ている花房は避けること。傷みは乾燥させると余計に目立ち、ひとつの茶色い傷みが花房全体に広がってしまうことがあります。

水揚げ乾燥のやり方

  • 1. 茎を30〜45cmほどの長さで、節のすぐ上を斜めに切る
  • 2. 葉はすべて取り除く。葉が残っていると傷みやすく、花房から水分を奪ってしまう
  • 3. 花瓶に3〜5cmほどの少量の水を入れて茎を生ける
  • 4. 涼しく風通しがよく、直射日光の当たらない場所に置く
  • 5. 水を足さずに2〜3週間かけて自然に蒸発させる
  • 6. 花びらが薄紙のようにパリッとして、茎がポキッと折れるようになれば完成

水に生けたまま乾かすというのは矛盾しているように聞こえますが、この緩やかな水切れこそが、乾いた空気の中でいきなり逆さに吊るしたときに起こる急な萎びを防いでくれます。花房は水を吸いながら少しずつ張りを保ち、花瓶の水がなくなる頃には花びらの組織がしっかりと固まって、最終的な形に落ち着いています。

日本の夏を乗り切る乾燥のコツ

日本の夏は高温多湿で、花を自然乾燥させるにはあまり向いていません。空気中に水分が多いと、乾くはずの花がかえってカビてしまうことがあります。エアコンの効いた部屋や、風通しのよい2階の部屋など、湿度が低く空気が動く場所を選びましょう。除湿機のある部屋に置くのも効果的です。梅雨明け直後のまだ蒸し暑い時期は避け、秋になって湿度が落ち着いてから作業するほうが、きれいに仕上がります。

自然乾燥とシリカゲルを使う方法

株の上ですでに紙のようになりかけている花房であれば、水揚げの工程を省いても構いません。葉を取り除いて空の花瓶に立てておくか、暗く風通しのよい場所に2週間ほど逆さに吊るして乾かします。特別な一輪をきれいな色のまま残したい場合は、密閉容器の中でシリカゲルの粒に花房を埋め、1週間ほど置く方法が色の保存にもっとも優れています。ただしコストがかかり、一度に1つの花房しか処理できないので、記念に残したい特別な花に使うとよいでしょう。

色をきれいに保つコツ

  • 直射日光を避けて乾かす。紫外線は乾燥の前後を問わず、あっという間に色を褪せさせる
  • 秋色に色づいてから切った花房のほうが、色の持ちが格段によい
  • 乾いたあとは、明るい窓辺や暖房器具の近く、湿気の多い部屋(浴室など)を避けて飾る
  • ほこりが気になるときは、ドライヤーの冷風・弱風でやさしく払う
  • ヘアスプレーなどの定着剤は使わない。時間が経つと黄ばみ、ほこりを呼び寄せる原因になる

うまく乾いた花房は1年以上楽しめますが、多くの方は毎年秋にその年の新しい花で作り替え、いつもぱりっとした状態を保っています。

ヒント:ガクアジサイやホンアジサイのほか、房が丸く大きくなる「アナベル」(セイヨウアジサイの一種)もドライフラワーに向いています。アナベルは茎がしっかりしているのでもっとも扱いやすく、秋が深まるとほんのりピンクを帯びることもあります。

警告:多くのアジサイは、今年伸びた枝の付け根近くに来年の花芽をつけています。ドライフラワー用に切る際は、長い枝ごと切らずに、花のすぐ下1〜2節ほどの短い茎で切りましょう。長く切りすぎると来年の花を減らしてしまいます。詳しくはアジサイの剪定時期についての記事もあわせてご覧ください。

ドライフラワーの楽しみ方

乾いた花房は、水を入れずに大きな花瓶へまとめて生けたり、リースの土台にしたり、スワッグに束ねたり、一輪ずつ席札やラッピングに添えたりと、さまざまに楽しめます。茎を持って扱うようにし、乾いた花びらは崩れやすいので、いったん飾ったらできるだけ動かさないようにしましょう。

よくある質問

アジサイをドライフラワーにするのに最適な時期はいつですか。

多くの地域では9月から10月、花びらが紙のようになり、色が秋色に変わったころが最適です。まだみずみずしく咲いている花はしぼみやすく、うまく乾きません。

ドライにしたアジサイがしなびて茶色くなってしまいました。なぜですか。

多くの場合、まだ新しすぎる花を切ってしまったか、暖かく乾いた空気や直射日光の下で急いで乾かしたことが原因です。秋色に色づいてから切り、水揚げ乾燥でゆっくり乾かしましょう。

ドライフラワーにするアジサイは水に生けるべきですか。

乾かす過程だけ、少量の水に生けます。3〜5cmほどの水から始め、自然に蒸発させましょう。完全に乾いたあとは水を足さず、乾いた花瓶に飾ってください。

ドライにしたアジサイはどのくらい日持ちしますか。

直射日光と湿気を避ければ1年以上楽しめます。徐々に色は落ち着いていくので、毎年秋に新しい花房で作り替える方も多いです。

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