ジャーナル/Seasonal · 7分で読めます
唐辛子(トウガラシ)の冬越し方法|株を来年につなぐコツ
文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業
唐辛子は本来多年草。霜が降りる前に室内へ取り込み、切り戻して冬越しさせれば、翌年はひと足早くたくさん収穫できます。手順を詳しく解説。
かんたんに言うと
唐辛子は一年草ではなく多年草です。最低気温が10℃を切る前、霜が降りるより早く室内へ取り込みましょう。株を2分の1〜3分の2ほど切り戻し、害虫がいないか丁寧に確認してから、明るく涼しい場所(10〜15℃)で管理します。水やりは数週間に1回で十分。春に新しい用土へ植え替え、遅霜の心配がなくなってから外に慣らせば、種まきの株より1か月以上早くスタートできます。
毎年秋になると、元気な唐辛子の株が大量に処分されています。私たちがトマトと同じ「一年草」として育てているからです。しかし原産地では、唐辛子は数年にわたって実をつける短命の多年生低木。霜には勝てませんが、明るい窓辺があれば越冬できます。今シーズンの株を冬越しさせれば、翌年は木質化した骨格と発達した根を持った状態でスタートでき、種まきの株より数週間——多くの場合1か月以上——早く開花・結実します。成熟に時間のかかる品種ほど、この差が「数個」と「たっぷり収穫」の分かれ目になります。
冬越しさせる価値がある株
もっとも健康で、よく実をつけた株を選びましょう。冬に入るときの勢いは、春に出てくるときの勢いを予告します。ハバネロやスコッチボネットなどのCapsicum chinense系、いわゆる激辛・晩生品種は生育期間が長く必要なので、冬越しの恩恵がもっとも大きいタイプ。コンパクトな鉢植え品種は窓辺にそのまま収まるので、いちばん手軽です。夏の間ずっと調子が悪かった株や病気の兆候がある株は、場所を取るだけ。冬越しは良い株を残す方法であって、悪い株を治す方法ではありません。
取り込みのタイミング
カレンダーではなく夜間の最低気温を見てください。唐辛子は10℃を下回ると生育が止まり、霜に当たれば枯れます。日本では地域にもよりますが10〜11月、予報で最低気温が一桁になり始めたら取り込みどきです。取り込む前に残った実はすべて収穫を。青い実も、暖かい室内の窓辺に置けば1〜2週間で色づきます。
下準備:思い切って剪定し、念入りにチェック
- 株を2分の1〜3分の2まで切り戻します。Y字の主枝で、外向きの節のすぐ上を切るのがコツ。かなり大胆に見えますが、株は平気です。葉が減れば、光の少ない冬に維持する負担も、害虫の隠れ場所も減ります。
- 傷んだ葉はすべて取り除き、花と実も残さず落とします。これから休ませる株であって、実らせる株ではありません。
- 茎と葉裏をよく観察し、株全体を強めのシャワーで洗い流します。アブラムシは冬越しの定番の「密航者」です。
- 必要なら古い土を落とし、根を整理して、ひと回り小さい鉢に新しい用土で植え替えます。省スペースになり、土中の害虫も持ち込みません。
注意:室内に入れてから最初の2週間は、ほかの観葉植物から離して隔離してください。見落としたアブラムシのコロニーは、暖かい室内なら数日で広がります。1週間後にもう一度シャワーで洗うか、石けん系の薬剤を散布すると、生き残りが増える前に抑えられます。
2つの方法:涼しく休ませるか、暖かい窓辺で育てるか
王道は「涼しい休眠」です。切り戻した株を、明るく霜の当たらない10〜15℃程度の場所——暖房のない部屋、明るい玄関、無加温の温室やサンルームなど——に置きます。生育はほぼ止まりますが、それが狙い。わずかな光と水だけで春まで持ちこたえます。もう一つは、通常の室温で、いちばん日当たりの良い窓辺で観葉植物として育てる方法。ゆっくり生長を続け、品種によっては冬にも実がつきますが、そのぶん光も水も害虫対策も必要になります。涼しくて明るい場所が確保できるなら、休眠させるほうが手間もリスクも少ない選択です。
冬の管理:やらないことが仕事
休眠中の唐辛子は、ほとんど何も必要としません。水は控えめに——3〜4週間に一度、用土がカラカラにならない程度に少量——、肥料は一切与えません。冬越しの失敗原因の第1位は水のやりすぎです。冷たく湿った用土は、乾燥よりずっと早く根を腐らせます。葉が落ちるのは正常な反応で、爪で軽くこすって茎が硬く緑なら生きています。暖かい部屋で管理する場合は、表土数cmが乾いたら水を与え、鉢をときどき回して窓側に偏らないようにしましょう。
春の目覚めさせ方
冬の終わりから早春、日が長くなってきたら、より暖かく明るい場所へ移し、新しい培養土でひと回り大きな鉢に植え替えて、通常の水やりを再開します。数週間で古い枝から新芽が吹きます——意外と低い位置から出ることも多いものです。生長が動き出したら2週間に1回の追肥を始め、ごく早い時期の最初の花は摘み取って、まず丈夫な骨格づくりに力を回させます。その後7〜10日かけて外気に慣らし、遅霜の心配がなくなってからベランダや庭に出します。種まき株とまったく同じ手順です。
ヒント:2年目の収穫は1年目を上回るのが普通です。株が春の時間を「自分をつくること」ではなく「実をつけること」に使えるからです。激辛品種の愛好家は、同じ株を3〜4シーズン維持することも珍しくありません。
うまくいかなかったときは
葉をすべて落としたまま二度と芽吹かないこともあります。多くは冬の水のやりすぎによる根腐れか、気づかないうちに窓辺で寒さに当たったケースです。落ち込む必要はありません。春に茎を削ってみて、中が茶色く乾いていれば処分して、通常どおり種をまきましょう。冬越しは涼しい部屋の片隅を使うだけでコストはゼロ。成功率が半分でも、数週間分の先行きが手に入ります。冬の間に葉の斑点、べたつき、クモの巣のような糸が出たら、PlantMeアプリで撮影してください。アプリの植物ドクターが、原因となる害虫や病気とその対処法を教えてくれます。
よくある質問
地植えの唐辛子も冬越しできますか?
できます。霜が降りる前に、できるだけ根を付けて掘り上げ、根が収まる大きさの鉢に新しい用土で植え付けます。あとは強めに切り戻して、鉢植え株と同じように管理してください。
冬越し中に植物育成ライトは必要ですか?
涼しく休眠させるなら不要で、明るい窓辺で十分です。暖かい室内で生長させ続ける場合は、1日数時間の育成ライトがあると冬の生育が目に見えて良くなりますが、あくまで補助であって必須ではありません。
冬越し中の唐辛子が葉を全部落としました。枯れたのでしょうか?
おそらく生きています。とくに強く切り戻したあとの落葉は、休眠の正常な反応です。主枝を爪で削って、下が緑でみずみずしければ生きている証拠。全体が茶色くもろい場合だけ、枯死と判断してください。
唐辛子の株は何年生きますか?
霜に当てなければ、多くの品種で3〜5年、さらに長く生きることもあります。骨格が充実しつつ勢いも残る2〜3年目が、収穫のピークになることが多いです。