ジャーナル/Vegetable Garden · 6分で読めます
イチゴのランナーで増やし方|子株の育て方
文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業
イチゴのランナーから子株を増やす方法。収穫後の6〜7月にポットで受けて発根させ、切り離して10月頃に植え付ければ、翌春しっかり収穫できます。
かんたんに言うと
ランナーの先にできた子株を、親株につないだまま湿らせた培養土のポットに受けてピンで留め、4〜6週間かけて発根させてから切り離します。収穫が終わる6〜7月から夏にかけて発根させ、10月頃に定植すれば、冬までにしっかり根づいて翌春に実をつけます。
イチゴは毎年、とても気前のよいことをしてくれます。ランナー(ほふく枝)を長く伸ばし、その先に小さな子株を次々とつくるのです。この子株はどれも、親株とまったく同じ遺伝子を持つ「無料の苗」です。日本の家庭菜園では、収穫が終わる6〜7月からがそのチャンス。夏のあいだに子株を育て、秋に植え付ければ、翌春には立派に実をつける株になります。手順を順番に見ていきましょう。
ランナーとは何か、なぜ出るのか
ランナーは、イチゴが地面を這うように伸ばす横向きの茎です。節ごとに、上に葉の束、下に根の元をつけた子株をつくり、土に触れるのを待っています。イチゴにとっては生育域を広げるための仕組みであり、育てる側にとっては、果樹・果菜のなかでもっとも簡単なふやし方です。種まきも挿し木用土も霧吹きもいりません。健康な親株1株から、ひと夏で5株以上は無理なく取れます。
日本の家庭菜園での適期
収穫がひと段落する6〜7月になると、株は力をランナーに向け、子株が次々と出ます。この時期は地温も高く、発根はふつう4〜6週間ほどと早いのが利点です。梅雨のあいだは水やりの手間が減る一方、蒸れて灰色かびが出やすいので、風通しのよい場所に置いてください。猛暑の盛りは半日陰に移し、乾かしすぎないように管理します。そして涼しくなる10月頃に定植すれば、冬までに根が張り、春の花芽をしっかり抱えた状態で越冬できます。定植が遅れると株は生き延びても、翌春の収穫は寂しいものになります。
太郎苗ではなく、二郎苗・三郎苗を使う
日本の栽培では、親株にいちばん近い最初の子株(太郎苗)は使わないのが定石です。親株に近いぶん、炭疽病などの病気を受け継ぎやすく、株も暴れやすいためです。そのひとつ先、ふたつ先にできる二郎苗・三郎苗を選ぶと、生育がそろい、病気のリスクも下がります。親株が明らかに健全な場合を除き、太郎苗は切り落として構いません。
手順|ランナーを発根させる
- よい親株を選びます。健康でよく実をつけた、1〜3年目の株。葉が縮れたり、まだらに変色したり、生育が極端に悪い株は避けてください。
- 9cmポットに培養土を入れて水をやり、親株のそばの畑やプランターに埋めておきます。
- 各ランナーの二郎苗・三郎苗を選び、ランナーを切らないまま、土の表面にそっと置きます。
- U字に曲げた針金、ヘアピン、小石などで留め、株元が土にしっかり触れた状態を保ちます。
- 留めた子株より先に伸びるランナーは切ります。そうすることで、力が新しい子株づくりではなく発根に向かいます。
- ポットの土は乾かさないように管理します。温かい土と安定した水分、コツはそれだけです。
ヒント:畑の土に直接留めて、あとで掘り上げる方法もあります。ただしポットで受けたほうが根鉢が崩れず、植え傷みがほとんどなく、ベランダへ移したり人に譲ったりもしやすくなります。
切り離しと植え付け
4〜6週間たったら子株を軽く引いてみてください。抵抗があれば発根しています。ランナーを子株の近くで切り、数日そのまま置いて自立を確認してから植え付けます。イチゴは日当たりがよく、水はけと肥もちのよい土を好みます。株間は30〜45cm、クラウン(株の中心の芯)は必ず地面と同じ高さに。埋めると腐り、浮かせると乾きます。植え付け後はたっぷり水をやり、秋の乾いた日が続くときは水やりを続けてください。
注意:増やすのは必ず健康で収量のよい株からにしてください。ランナーは親株を丸ごとコピーします。病気も樹勢も味も、そのままです。イチゴは年数とともにウイルス病を蓄積しますので、弱っていたり葉が奇形の株からは増やさず、ウイルスフリーの購入苗に切り替え、翌年からそれを親株にしましょう。
ランナーで株を更新する
イチゴの株がよく働くのは3〜4年ほど。その後は収量が落ち、病気も溜まっていきます。ランナーでの更新は、その衰えを費用ゼロで先回りする方法です。毎年、1〜2年目のよい株から子株を取って新しい列をつくり、できればイチゴ(そして土壌病害を共有するトマトやジャガイモ)を最近つくっていない場所に植えます。古い列を引退させる頃には、後継がもう実をつけています。
畑がなくてもプランターで
同じやり方はプランターでも完結します。ベランダのプランターやハンギングから伸びたランナーを、隣に並べたポットに留めるだけです。冬は軒下など霜と冷たい風を避けられる場所で、土を乾かしすぎない程度に管理し、春に一回り大きな鉢へ。夏に発根させた子株を25cm鉢で育てれば、翌春にはボウル一杯の実が期待できます。
親株の葉のまだら模様がウイルス病なのか、斑点病なのか、単なる老化なのか迷ったら、PlantMeで撮影してみてください。Plant Doctorが500以上の病害と照合しますので、増やす前に確認できます。
よくある質問
ランナーから取った苗は翌春に収穫できますか。
はい。10月頃までに定植できれば、冬までに根が張り、春にしっかり収穫できます。6〜7月に受けた子株なら余裕をもって間に合います。
1株あたり、ランナーは何本残せばよいですか。
1本のランナーにつき二郎苗・三郎苗を1〜2株、親株あたり4〜5本までが目安です。それ以上は切り、親株を消耗させないようにします。
苗を増やさない場合、ランナーは切るべきですか。
はい。ランナーは実に回るはずの力を奪い、株元も混み合います。収穫期のあいだは、出てきたら付け根から切ってください。
イチゴのランナーは水挿しで発根しますか。
水でもある程度は根が出ますが、植え付け後の活着がよくありません。親株につないだまま土のポットに留める方法のほうが、はるかに丈夫な苗になり、失敗もほとんどありません。