ジャーナル/Care Basics · 7分で読めます
胡蝶蘭の育て方|室内での置き場所・水やり・再開花
文: Wren Hollis · 観葉植物とインテリアグリーン
胡蝶蘭の育て方を解説。明るい日陰の置き場所、水やりの頻度とつけ置きのコツ、バーク植え、肥料、そして花が終わったあとに もう一度咲かせる方法まで。
かんたんに言うと
胡蝶蘭は明るい日陰を好み、根が銀白色になってから週1回ほど、たっぷり水を吸わせて完全に水を切ります。用土は培養土ではなく通気性のよいバーク、室温は18〜27℃が目安です。花が終わったら夜間16〜18℃ほどの涼しさを数週間与えると、新しい花芽が上がってきます。
胡蝶蘭は「気難しい花」と思われがちですが、園芸店やスーパーでも並ぶファレノプシス(胡蝶蘭)は、ふつうの観葉植物の感覚をいったん手放せば、実はとても育てやすい植物です。土では育たず、数日おきに少しずつ水をやる必要もなく、あの太い根はそれで正常です。この記事では、胡蝶蘭を数か月咲かせ、翌年もまた咲かせるために必要なことをまとめます。
胡蝶蘭とはどんな植物か
自生地の胡蝶蘭は着生植物です。熱帯の森で樹皮に張り付き、根を空気にさらしたまま、雨と木もれ日で暮らしています。目の詰まった培養土の鉢は、その環境とはまったく別物です。だからこそ胡蝶蘭は粗いバークに植えられていますし、シダのように扱うのが最も早く枯らす方法でもあります。「木に着いて育つ植物」というイメージを持てば、以下のポイントはすべて理解しやすくなります。
置き場所と光
目安は明るい日陰、つまりレースのカーテン越しの光です。東向きの窓辺はほぼ理想的で、南向きや西向きの窓の「そば」(直射ではない位置)も向いています。真夏の直射日光は葉焼けを起こしますし、逆に光不足は、元気そうに見える株が二度と咲かない最大の原因です。よく光が当たっている株の葉は明るい草色になります。葉が濃い緑すぎる場合は光が足りず、赤みを帯びてきた場合は少し強すぎるサインです。
水やりの頻度|吸わせて、切って、終わり
カレンダーで決めるのではなく、根の色を見て判断します。透明鉢越しに見える根が緑でふっくらしていれば水は足りており、銀白色になったら水やりのタイミングです。多くのご家庭では、夏は週に1回程度、冬は10〜14日に1回くらいになります。
- 内鉢を取り出し、常温の水を張った容器に10〜15分ほど浸けます。または1分ほどかけて、バーク全体にゆっくり水を通します。
- 鉢カバーに戻す前に、水をしっかり切ります。胡蝶蘭を水に浸けたままにするのは厳禁です。
- 水やりは午前中に。株元の中心(葉の付け根)に水をためないようにしてください。ここに水が残ると芯腐れの原因になります。かかってしまったらティッシュで吸い取ります。
- 「氷を置く」方法はおすすめしません。すぐ枯れるわけではありませんが、熱帯の着生植物の根には常温の水のほうが合いますし、浸けたほうがバーク全体が均一に湿ります。
注意:葉が黄色くやわらかく垂れ、根が茶色くぶよぶよしている場合は水のやりすぎによる根腐れです。胡蝶蘭を枯らす原因の第一位で、梅雨どきや冬に鉢が乾かないまま水を足したときによく起こります。鉢から抜き、清潔なはさみで傷んだ根を切り、新しいバークで植え直してください。
用土と植え替え
胡蝶蘭には蘭用の植え込み材料、つまり粗いバーク(ときにパーライトや水苔を少量混ぜたもの)を使います。一般的な培養土では数週間で根が窒息します。植え替えは1〜2年に一度、あるいはバークが崩れて土のようになったときに、花が終わった直後に行うのが理想です。鉢は透明なプラ鉢でワンサイズ上まで。胡蝶蘭は少し窮屈なほうがよく咲きます。鉢の外に伸びる気根は健康な証拠ですので、切ったり無理に鉢へ押し込んだりしないでください。
温度・湿度・肥料
胡蝶蘭が快適な温度は人と同じで、日中18〜27℃、夜間も15℃を下回らない程度です。エアコンの風、窓際の冷え込み、暖房の乾いた風は避けましょう。湿度は50%前後あれば十分ですが、冬の室内は乾きやすいので、加湿器や水を張った受け皿(鉢底が水に触れないように)があると安心です。梅雨どきは逆に、風通しを確保して蒸れを防ぎます。肥料は「薄く、こまめに」。春から夏は蘭用液肥を1/4〜1/2に薄めて水やりのたびに、冬は月1回程度にし、月に一度は真水だけを流して肥料の塩類を洗い流します。
花が終わったら|もう一度咲かせる方法
いちばん多い質問ですが、答えの大半は温度です。最後の花が落ちたら花茎を切ります。緑色のままなら下から2〜3番目の節(茎にある小さなふくらみ)のすぐ上で切ると、脇から新しい蕾がつきやすくなります。茶色く枯れていれば付け根から切ってください。そのうえで、明るさは保ったまま、夜間16〜18℃ほどの涼しい時期を数週間経験させます。秋、窓辺に置いておけば自然にこの条件になります。健康でよく光の当たった株なら、1〜3か月ほどで新しい花茎が上がり、2〜4か月ほど咲き続けます。
ヒント:出てきたばかりの花芽と根はよく似ています。根は下向きに伸び、先端が丸く銀緑色。花芽は葉の間から出て、伸びるにつれて平たくなり、ミトンのような形になります。光のほうへ向かって伸びていればそれは花芽ですので、細い支柱を立ててクリップで留めながら誘引しましょう。
よくあるトラブル
- 蕾が開かずにしぼんで落ちる:急な温度変化、冷暖房の風、乾かしすぎが原因です。購入して持ち帰った直後によく起こります。
- 葉がしわしわで硬い:水不足か、根が傷んで吸えていないかのどちらかです。根の状態を見れば判断できます。
- 下葉が黄色くなる:古い葉が1枚黄変して落ちるのは自然な老化ですが、何枚も同時なら水のやりすぎを疑います。
- 茎や葉に粘つく水滴:多くは無害な蜜ですが、胡蝶蘭につきやすいカイガラムシやコナカイガラムシがいないか確認してください。
- 水をやっても銀白色のまま張りが戻らない根:バークが分解しています。植え替えの時期です。
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よくある質問
胡蝶蘭の水やりの頻度はどれくらいですか。
根が銀白色になり、鉢が軽く感じたときです。夏はおよそ週1回、冬は10〜14日に1回が目安になります。たっぷり吸わせたあとは必ず完全に水を切り、鉢カバーに水をためないでください。
花が終わったら花茎は切ったほうがいいですか。
はい。緑色の花茎なら下から2〜3番目の節の上で切ると、脇から新しい花が咲きやすくなります。茶色く枯れている場合は付け根で切り、株が新しい葉と根に力を回せるようにします。
根が鉢の外に伸びていますが大丈夫ですか。
それは気根で、着生植物としてまったく正常です。切ったり土に埋めたりせず、そのままにしてください。太い気根がたくさんあるのは健康な株の証拠です。
花が咲いている間に植え替えてもいいですか。
根腐れなどの緊急時を除き、避けたほうが無難です。植え替えは株にとって負担が大きく、たいてい花を落としてしまいます。最後の花が落ちてから、新しいバークで植え替えましょう。