ジャーナル/Care Basics · 7分で読めます
マランタの育て方|葉が動く「祈りの植物」を元気に保つコツ
文: Wren Hollis · 観葉植物とインテリアグリーン
マランタ(プレヤープランツ)の育て方を解説。置き場所・水やり・湿度・用土のポイントと、葉が丸まる・先端が茶色くなるときの対処法。
かんたんに言うと
マランタ(Maranta leuconeura)は、明るい日陰、常に軽く湿った用土、そして50%以上の湿度を好みます。用土の表面2〜3cmが乾いたら、常温の浄水か雨水で水やりを。冬も最低15℃を保ち、直射日光は絶対に避けてください。葉の美しい模様が色あせる原因になります。夕方に葉が立ち上がるのは正常な性質で、「祈りの植物」と呼ばれる理由でもあります。
1日に2回も見せ場をつくる観葉植物は、そう多くありません。マランタは夕方になると模様の入った葉を祈るように上へ立ち上げ、朝になるとまた光を受けるために水平に開きます。この毎日の動きに加えて、赤いヘリンボーン模様、深い緑、銀色を帯びた葉——ここ数年、マランタが人気を集めているのも納得です。「気難しい」と言われがちですが、実は難しいのではなく、要求がはっきりしているだけ。必要なポイントを押さえれば、観葉植物の中でも屈指の美しい葉を長く楽しめます。
なぜマランタの葉は動くのか
この動きは就眠運動(ニクチナスティ)と呼ばれ、葉の付け根にある小さな関節(葉枕)が昼夜のリズムに合わせて水圧を変えることで起こります。なぜこの性質が進化したのかは今も議論があり、夜の雨を落としやすくするため、体温調節のため、カビを防ぐためなどの説があります。私たちにとって大切なのは、動いている株は健康で反応が良いということ。まったく動かなくなったマランタは、光不足・水切れ・寒さのサインであることが多いので、早めの警告として受け止めてください。
置き場所:明るい日陰、直射日光は厳禁
マランタはブラジルの熱帯雨林の林床に自生し、木漏れ日の環境に適応しています。室内なら、東向きの窓辺のすぐそば、または南・西向きの窓から1〜2m離した位置が理想です。真昼の直射日光は葉焼けを起こし、自慢の模様を色あせさせます。暗めの場所にも比較的耐えますが、生育が止まり色も鈍くなるので、日陰は「生きられる」だけで「最適」ではありません。冬は暖房の風が直接当たらない場所を選びましょう。
水やり:少しずつ、こまめに
- 用土の表面2〜3cmが乾いたら水やり。多くの家庭では春夏は週1回程度、冬は10〜14日に1回が目安です。
- 目指すのは、全体が均一に軽く湿った状態。完全に乾かすのも、受け皿に水を溜めたままにするのも嫌います。どちらも数日で葉に出ます。
- 水は常温で。冷たい水道水をそのまま与えると根が傷み、葉にシミが出ます。
- 水道水の塩素やミネラルが気になる場合は、浄水・精製水・雨水に切り替えてください。マランタは溶けた塩類にとくに敏感で、葉先が茶色くパリパリになる原因になります。
ヒント:マランタは喉の渇きを教えてくれます。夜に立ち上がるのではなく、日中に葉が縦方向に丸まっていたら水切れのサインです。水を与えれば、たいてい1日で元に戻ります。
湿度と温度
湿度こそが成否を分けます。40%を下回ると、どれだけ丁寧に水やりをしても葉の縁が茶色くなります。50〜60%以上をキープできれば葉は美しいまま。植物をまとめて置く、鉢を水を張った受け皿と小石の上に置く、小型の加湿器を使うなどが有効です。明るい浴室やキッチンはマランタに向いた場所。温度は18〜27℃、常に15℃以上を保ち、暖房やエアコンの風、冷たいすきま風は避けてください。梅雨どきは湿度が高くて好条件ですが、風通しが悪いと蒸れるので空気を動かすこと、冬は乾燥するので加湿を意識するのがポイントです。
用土・肥料・植え替え
観葉植物用の培養土に3分の1ほどパーライトを混ぜると、水はけを保ちながらマランタ好みの均一な湿り気を維持できます。春から初秋までは、規定の半分に薄めた液体肥料を月1回。控えめが鉄則で、与えすぎると硬水と同じように葉先が茶色くなります。根は浅く、少し窮屈なくらいがちょうど良く育ちます。植え替えは2〜3年に1回、春に、ひと回り大きい浅めで広い鉢へ。
増やし方:1株から何株にも
マランタは模様のある観葉植物の中でも、とくに増やしやすい部類です。いちばん手軽なのは植え替え時の株分け。自然に株立ちになるので、根を付けて手で分ければ、それぞれが1株になります。挿し木も可能で、節の下で切って葉を1〜2枚残し、水に挿して4〜6週間で発根したら鉢上げします。春から初夏の挿し穂がもっとも早く根を出します。
よくあるトラブルと原因
- 葉が丸まる:水切れ、または空気の乾燥。まず用土、次に湿度を確認します。
- 葉先が茶色くパリパリ:硬水・乾燥・肥料のやりすぎ。水を替えて湿度を上げれば、ほぼ解決します。
- 模様が色あせる:直射日光の当たりすぎ。窓から離せば、新しい葉はしっかり色づいて出てきます。
- 下葉が黄色くなる:たいていは水のやりすぎか低温。表土を乾かし、冷たい風が当たっていないか確認を。
- 夜に葉が動かなくなった:光不足か全体的なストレス。より明るい場所(直射日光は避ける)へ移し、水やりを見直します。
注意:葉を光らせるためのリーフシャイン剤やオイルは使わないでください。マランタの葉は薄く、跡が残りやすいものです。柔らかい布で軽く拭くだけで十分で、そのついでに害虫チェックもできます。
ペットがいても大丈夫?
はい。Maranta leuconeura は犬や猫に対して無毒とされており、好奇心旺盛なペットがいる家庭でも安心して飾れる数少ない「主役級」の観葉植物です。手元の株が本当にマランタなのか、それとも近縁のカラテアなのか迷ったら、PlantMeアプリで撮影してみてください。数秒で種類を判定し、その株に合った育て方プランを表示します。
よくある質問
マランタの葉が夜に閉じなくなりました。なぜですか?
多いのは光不足とストレスです。就眠運動は光で調整される体内時計に従うため、暗い場所ではほとんど動かなくなります。明るい日陰へ移し、水やりを一定にして暖かく保てば、数週間でリズムが戻ることがほとんどです。
霧吹きは必要ですか?
霧吹きで湿度が上がるのは数分だけなので、それだけでは葉先の茶変は防げません。小石を敷いた受け皿、植物のグループ植え、加湿器のほうがはるかに効果的です。霧吹きをするなら、夜までに葉が乾く午前中に行ってください。
マランタとカラテアの違いは?
同じ科の近縁で、どちらも葉を動かします。マランタは横に広がりコンパクトで葉は楕円形、カラテアは中心から直立して育ちます。一般にマランタのほうが育てやすいとされています。
ハンギングで育てられますか?
できます。茎は60cm以上垂れ下がることもあり、明るい窓の近く(直射日光は避ける)に吊るせば、模様も夜の動きもよく見えます。ただしハンギングは乾きが早いので、用土のチェックはこまめに。