ジャーナル/Vegetable Garden · 6分で読めます
ぶどうの収穫時期|完熟のサイン5つと収穫・保存のコツ
文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業
ぶどうは収穫後に甘くなりません。味・色・種・果粒の張り・鳥の動きという5つの完熟サインと、房の切り方・保存方法を解説します。
かんたんに言うと
ぶどうは、味が甘く、果粒が張り、房全体が色づき、中の種が茶色くなったら収穫適期です。日本ではおおむね8月から10月が収穫期で、品種と地域によって前後します。色づきは甘さのピークより1〜3週間早く来るため、最後に決めるのは味見です。収穫後は糖度が上がらないので、晴れた乾いた日にはさみで房ごと切り取ります。
ぶどうは、待てない人をもっとも甘く罰する果実です。トマトと違い、早採りした房が窓辺で追熟することはありません。木についているあいだに蓄えた糖が、その房の糖のすべてです。かといって1週間遅れれば、ヒヨドリやスズメバチが先に収穫祭を済ませています。庭先の1本でも棚仕立ての数本でも、その「窓」をどう見極めるかを解説します。
色づきは約束であって、答えではない
真夏になると、房はヴェレゾン(色づき期)に入ります。巨峰のような赤・黒系は緑から紫へ、デラウェアやシャインマスカットのような白系は草色から透きとおった黄金色へと変わります。ここではさみを持ちたくなりますが、色づきは「熟しはじめた」という合図にすぎません。色が完成して見えたあとも、糖度は1〜3週間かけて上がり続けます。見た目は完璧なのに、口に入れると酸っぱいだけ——よくあることです。
完熟した房を見分ける5つのサイン
- 1. 味——これがすべてを決める唯一のテストです。同じ房の上・中・下、そして別の株からも1粒ずつ食べてみます。甘く、香りがあり、渋みで口が縮まらなければ収穫適期。房は軸に近い粒から熟すので、先端の粒こそ正直な判定役です。
- 2. 種が茶色くなっている。粒をかみ割ってみてください。未熟な種は白から緑、熟した種は淡褐色から茶色です。りんごと同じ見分け方です。
- 3. 果粒がふっくらしてわずかに柔らかく、果汁で満ち、軽く引くだけで軸から外れる。
- 4. 房全体が均一に色づき、表面のブルーム(白い粉)が残っている。房の先に緑の粒が残っていないこと。
- 5. 鳥や虫が気づいている。ヒヨドリやムクドリ、スズメバチが急に集まりはじめたら、甘さの一線を越えた何よりの証拠です。
収穫期は何月ごろ?
日本の露地栽培では、収穫期はおおむね8月から10月です。デラウェアのような早生品種は真夏に、巨峰やシャインマスカットは晩夏から秋にかけて。冷涼な地域や日照の少ない年は全体に遅れます。カレンダーより、上の5つのサインを信じてください。秋が深まって朝晩が冷え込むころには長く粘らず、収穫を終えるのが無難です。
ポイント:ワインやジュースを仕込む人、感覚に頼りたくない人には、ポケット糖度計(屈折計)がおすすめです。果汁1滴で糖度(Brix)が測れます。生食用なら16〜18度あたりから十分おいしく、ワイン用は21〜25度が目安。それ以外の人にとっては、自分の舌が立派な糖度計です。
傷めずに収穫するには
収穫は、晴れて乾いた日、朝露が乾いたころに。濡れた房はいちばん早く傷みますし、日を浴びたあとがもっとも糖度が高くなります。粒だけをむしったり、房を引きちぎったりしないでください。房を下から支え、木質化した軸を房の2センチほど上で、よく切れる剪定ばさみやはさみで切ります。房は重ねず、浅い容器やかごに並べます。ぶどうは卵と同じくらい打ち身に弱い果実です。表面の白い粉(ブルーム)は汚れではなく天然の保護膜なので、落とさずそのままに。
収穫したあとは
洗わずに通気のよい容器に入れれば、冷蔵庫で1〜2週間もちます。洗うのは食べる直前に。洗い流してしまうブルームこそが鮮度を保っているからです。たくさん採れたらジュースやゼリー、干しぶどうに。食卓用の大きな房は、小さな房に切り分けておくと、食べかけの軸が果物かごで干からびずに済みます。いずれにしても手早く。ぶどうは貯蔵庫でもっとも気の短い果物のひとつです。
注意:茂みにスズメバチが入り込んでいるときは、動きの鈍い早朝の涼しい時間に収穫し、長袖を着て、手を入れる前に房の中を必ず確認してください。房の影にひそんだハチは、楽しい収穫の午後を台無しにする昔ながらの原因です。
来年の房を守るために
今年、鳥に先を越されたなら、来年の夏に向けてメモを。色づきが始まったらすぐ、棚に防鳥ネットを張るか、房ごとに袋かけをします。日本では雨よけと袋かけが裂果や病気の予防にも効くので、セットで考えると効率的です。収穫前の葉に斑点やかび、焼けたような症状が出ていたら、PlantMe で撮影してみてください。500種類以上の病害虫・トラブルを見分け、季節末の自然な傷みなのか、来季に越冬しようとしているべと病なのかを教えてくれます。
よくある質問
ぶどうの収穫時期は何月ですか。
日本ではおおむね8月から10月です。デラウェアなどの早生種が先、巨峰やシャインマスカットなどは晩夏から秋にかけて。地域とその年の天候で前後するので、カレンダーではなく、味・色・種の色・果粒の張りで判断してください。
ぶどうは収穫後に甘くなりますか。
なりません。ぶどうは非クライマクテリック型の果実で、房が木から離れた瞬間に糖の蓄積が止まります。酸っぱい房は置いておけば柔らかくはなりますが、甘くはなりません。だからこそ切る前の味見が大切です。
糖度計がなくても完熟を見分けられますか。
できます。複数の房から(最後に熟す房の先端も含めて)粒を味見し、種が茶色くなっているか確認し、ふっくらしてわずかに柔らかく、軽く引けば外れるかを確かめます。鳥やスズメバチが急に集まりはじめたら、最終確認と考えてよいでしょう。
収穫したぶどうは洗ったほうがいいですか。
食べる直前まで洗わないでください。皮の白い粉(ブルーム)は水分の蒸発や腐敗を防ぐ天然の保護膜です。洗わないまま通気のよい容器に入れて冷蔵すれば、1〜2週間はおいしく保てます。