ジャーナル/Seasonal · 7分で読めます

観葉植物を室内に取り込む時期|害虫を持ち込まない手順

観葉植物を屋外から室内に取り込む時期の目安と、害虫チェック・隔離・光への慣らし方など、秋の取り込み手順をわかりやすく解説します。

かんたんに言うと

観葉植物は最低気温が10℃を下回る前、本州ではおおむね10月中旬〜11月上旬を目安に室内へ取り込みます。5〜8℃で傷み始め、霜に当たると枯れてしまうため、霜の予報を待ってはいけません。取り込む前に葉の裏や鉢底の害虫を確認して葉水と鉢の水没処理を行い、戻した鉢は3〜4週間ほど室内のほかの植物から隔離しておきましょう。

夏の間、屋外で過ごすことは多くの観葉植物にとって最高の環境です。本物の光、動く空気、雨水がもたらす生育は、室内の窓辺ではまねできません。問題はむしろ室内へ戻すタイミングで、遅すぎたり、急ぎすぎたり、あるいはハダニの集団を一緒に連れて帰ってきてしまったりと、失敗が起こりやすい場面です。難しい作業ではありませんが、手順の順番がとても大切です。

取り込みの目安は「気温」であって「日付」ではない

判断の基準はカレンダーの日付ではなく、夜間の最低気温です。夜の気温が10℃前後まで安定して下がってきたら、観葉植物は室内へ取り込みましょう。この数字はあえて余裕を持たせてあります。多くの熱帯植物は5〜8℃あたりですでに細胞レベルのダメージを受け始め、黒ずんだ斑点や茎のしおれ、水を吸えなくなった根といった症状が出て、霜に当たれば確実に枯れてしまいます。しかも寒さによるダメージは数日後に表れることが多いので、寒い夜を越えて一見無事に見えた株が、じつは静かにダメージを受けている場合もあります。

初霜の予報を待ってはいけません。霜の予報が出るころには、すでに一桁の気温に近い夜を何度か経験してしまっているのが普通です。9月下旬からは、カレンダーではなく週間・10日予報を確認する習慣をつけてください。年によって適切な時期は2週間ほど前後します。目安として、本州ではおおむね10月中旬〜11月上旬が取り込みの時期ですが、寒冷地はもっと早く、九州や沖縄など暖地ではもう少し遅くても大丈夫です。多肉植物やサボテン、クンシランや月桂樹のような比較的丈夫な植物は少し低い気温でも耐えられますが、モンステラ・フィロデンドロン・カラテア・アロカシア・フィカス類のような葉の柔らかい熱帯植物は、真っ先に取り込みましょう。

取り込む前の害虫チェック

この一手間が、室内のコレクション全体を守ります。屋外では天敵が害虫の数を抑えてくれますが、室内は暖かく乾燥していて天敵もいないため、わずかなハダニでも3週間ほどで大発生に変わってしまいます。取り込む前に、明るい場所でそれぞれの株をしっかり点検してください。

  • 葉を裏返して確認します。ハダニ・コナジラミの幼虫・小さなカイガラムシなど、問題になる害虫のほとんどは葉裏の主脈沿いに潜んでいます。
  • 茎や葉の付け根を指でなぞり、カイガラムシの盛り上がった茶色い殻や、コナカイガラムシの白い綿状のかたまりがないか確認します。
  • 鉢底穴や鉢の裏側も見ておきましょう。アリ・ダンゴムシ・ナメクジなどは、日中この場所に潜んでいることが多いです。
  • 生長点付近の細い糸、ざらついた・粉っぽい葉の表面、べたつき、葉の表面のすす状の黒いカビなどは、いずれも害虫がすでに活動しているサインです。

点検が終わったら、すべての株を洗いましょう。屋外で葉の表と裏にホースやシャワーでしっかり葉水をかけると、薬剤を使う前の段階で、大部分のハダニとその卵を物理的に洗い流せます。次に根鉢の処理です。鉢ごとバケツの水に、土の表面が完全に浸かるように入れて15〜20分ほど沈めておきます。アリ・ハサミムシ・ナメクジ・ダンゴムシ・ムカデなどが土の中から逃げ出してきます。しっかり水を切ってから、床の近くに置くようにしてください。

点検でカイガラムシ・コナカイガラムシ・ハダニ・コナジラミなどが見つかった場合は、室内に入れる前に殺虫殺菌剤や薬用石けん、ニームオイルのスプレーで処理し、葉裏までしっかりかけたうえで、7日後にもう一度処理してください。1回の処理だけで終わることはほとんどありません。

注意:1鉢に紛れ込んだ害虫が、1か月ほどで室内のコレクション全体に広がってしまうことがあります。とくにコナカイガラムシやカイガラムシは、予防するほうが室内で駆除するよりずっと簡単です。室内に戻した鉢は、これまで室内にあった植物とは別の部屋に3〜4週間隔離し、毎週様子を確認してください。この期間は代表的な害虫の卵がふ化するサイクルをちょうどカバーするもので、取り込んだ日には何もいなかった株が、12日後には害虫だらけになっている理由でもあります。

見つけたものがカイガラムシなのか、それとも無害な樹脂の粒なのか、あるいはハダニの被害なのか葉焼けなのか判断がつかないときは、その葉をPlantMeで撮影してみてください。500種類以上の病害虫やストレスを識別し、対処法を提示してくれるので、正体のわからない相手にやみくもにニームオイルを散布するよりずっと確実です。

光への慣らし

ここを甘く見る人が非常に多いです。曇りの日の屋外の日陰でも、室内の明るい窓辺よりはるかに多くの光が届いており、その差は桁違いになることもあります。日当たりのよいベランダから室内の隅にいきなり移すと、植物にとってはほぼ真っ暗になったのと同じで、維持できなくなった葉を落として反応します。

移動は段階的に。取り込みの1週間ほど前から、屋外でいちばん日陰になる場所に移しておくと、光量の変化を一段階で済ませず二段階に分けられます。あるいは、夜だけ室内に入れて日中は外に出す、というのを数日繰り返す方法もあります。室内に入れたら、最終的にそこに置くつもりがなくても、まずいちばん明るい場所に置き、数週間かけて最終的な置き場所へ移していきましょう。

多少の落葉は起こるものと考えてください。これは失敗のサインではなく、ごく正常な反応です。強い光の中で育った葉と日陰で育つ葉は構造そのものが違うため、植物はいったん古い葉を落とし、室内の環境に合った新しい葉をつくり直します。生長点が健康で、新しい葉が出続けている限り、心配はいりません。

秋冬の管理への切り替え

8月に毎日水やりが必要だった株も、10月の室内ではその何分の1かの水しか使いません。光が弱まり気温も下がることで成長が緩やかになり、必要な水分量も大きく減ります。土の表面から数cmを確認し、乾いてから水を与えるようにしてください。これを怠ると、健康だった株が1か月ほどで根腐れを起こしてしまいます。同じ理由で、肥料も春まで完全にやめましょう。使われなかった肥料成分は土の中で塩類として蓄積してしまいます。

置き場所にも気を配ってください。暖房器具は乾いた熱い空気の層をつくり葉の縁を傷めますし、冬の冷たい窓ガラスに葉が触れていると、せっかく室内に取り込んだ意味がないほどの低温障害を受けてしまいます。どちらからも植物を離し、暖房で空気がひどく乾燥するようなら植物同士をまとめて置くか、加湿器を使いましょう。夏の間についたほこりや泥はねも、この機会に葉を拭いて落としておきます。ただでさえ光の少ない季節に、ほこりが届く光をさらに減らしてしまうからです。

取り込み作業の全体の流れ

  • 9月下旬から、週間・10日予報で夜間の最低気温が10℃に近づいていないか確認する。
  • 取り込みの1週間ほど前に、屋外でいちばん日陰になる場所へ移し、光量の変化に慣らし始める。
  • 葉裏・茎・葉の付け根・鉢底穴を中心に、それぞれの株をしっかり点検する。
  • ホースやシャワーで葉の表と裏に葉水をかける。
  • 鉢ごとバケツの水に15〜20分沈め、土の中の害虫を追い出してからしっかり水を切る。
  • 見つかった害虫には薬用石けんやニームオイルで処理し、7日後にもう一度処理する。
  • 枯れた葉や咲き終わった花を取り除き、流れてしまった土を足す。植え替えは根詰まりしている場合のみ行う。
  • 室内に取り込み、これまで室内にあった植物とは別の部屋で3〜4週間隔離し、毎週再点検する。
  • 隔離後は、暖房器具や冷たい窓ガラスから離れた、家の中でいちばん明るい場所に置く。
  • 成長が緩やかになった分、水やりの間隔をあけ、肥料は春まで与えない。

ポイント:屋外でどの株をどこに置いていたか、ラベルや写真で記録しておきましょう。春になるころには、去年よく育った場所がどこだったか忘れてしまいがちで、去年と同じ場所を再現するほうが、また一から試行錯誤するより確実です。

よくある質問

屋外の観葉植物は何℃まで大丈夫ですか。

夜間の気温が安定して10℃前後に近づいてきたら、熱帯性の観葉植物は室内に取り込みましょう。多くは5〜8℃の範囲ですでに低温障害を受け始め、霜に当たると枯れてしまいます。サボテンや多肉植物、比較的丈夫な植物はもう少し低い気温にも耐えられますが、様子を見て判断が遅れると、ダメージがすぐには見えないこともあります。

取り込む前に植え替えるべきですか。

根が鉢の中でぐるぐる巻いていたり、鉢底穴から根が飛び出していたりと、明らかに根詰まりしている場合のみ植え替えます。それ以外は春まで待ちましょう。光の少ない季節に大きな鉢へ植え替えると、冬の間ずっと湿ったまま根が張らない土の状態が続き、根腐れやコバエの原因になります。

取り込んだら葉が落ちるのはなぜですか。

ほとんどの場合、光量の低下が原因です。屋外で育った葉は室内の光の量では自分を維持できないため、植物はその葉を落とし、新しい環境に合った葉をつくり直します。いちばん明るい場所に置き、水やりを控えめにし、肥料をやめておけば、新しい葉が出てくる限り正常な反応として問題ありません。

隔離期間はどのくらい必要ですか。

室内にずっとあった植物とは別の部屋で3〜4週間、毎週葉裏を点検しながら隔離してください。この期間は、ハダニやコナカイガラムシ、カイガラムシなど代表的な害虫の卵がふ化するサイクルをカバーしており、取り込んだ時点では清潔に見えた株が、2週間後に発生していることがあるのはこのためです。

害虫が見えなくても薬剤処理は必要ですか。

処理そのものは必須ではありませんが、葉水と鉢の水没処理は必ず行ってください。どちらも予防としてすぐにでき、目に見えないほど小さかったり、うまく隠れていたりする害虫も一緒に取り除けます。これに加えてきちんと隔離期間を設ければ、点検で見落としたものも、ほかの植物に被害が及ぶ前に食い止められます。

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