ジャーナル/Seasonal · 読了6分
菊(マム)の育て方|ポットマムを長く楽しむコツ
文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業
秋の鉢花ポットマムと庭の菊の育て方を解説。毎日の水やりチェック、花がら摘み、摘心、冬越しのコツで花を6週間以上楽しめます。
かんたんに言うと
菊は日当たりのよい場所で、土を乾かしすぎないように育て、咲き終わった花をこまめに摘み取ると6週間以上花が楽しめます。秋に出回るポットマムは鉢の中が根でいっぱいで乾きやすいため、水やりは毎日チェックしましょう。庭植えで毎年咲かせられるのは、春に植え付けた宿根性の品種です。
秋になると、園芸店の店先は赤茶や黄金、紫色の菊のクッションで埋め尽くされます。そして冬になると、そのほとんどが姿を消し、育てていた人をひそかにがっかりさせます。コツは、自分が買ったのがどのタイプの菊で、それが何を求めているのかを知ることです。日本では重陽の節句や各地の菊花展にも登場するように、古くから親しまれてきた花でもあります。正しく扱えば、つぼみがしっかりついた株は6週間以上花を咲かせ続けますし、品種を選べば庭で何年も楽しめます。ここでは、秋の鉢花としても、庭やインテリアを彩る植物としても魅力的な菊の育て方を紹介します。
ポットマムと庭植えの宿根菊の違い
まず知っておきたいのは、すべての菊が同じではないということです。庭植え向きの宿根性の菊は、春に植え付けて根をしっかり張らせれば、氷点下十数度に達する冬でも耐えられる多年草です。一方、秋に満開の姿で売られる贈答用・鑑賞用の菊や、室内向けのポットマムは、耐寒性ではなく花つきのよさを重視して作られています。10月に植え付けても、たとえ「宿根性」とされる品種であっても、霜が降りるまでに根を張る時間がほとんどありません。秋に買った株は2か月ほどの鑑賞を楽しむものと割り切り、冬を越せたらもうけものくらいに考えましょう。
日照と置き場所
菊は太陽が大好きな植物です。1日6時間以上の直射日光が当たる、大きな低木や樹木の根から離れた場所を選びましょう。日陰では茎が間延びし、花つきが悪くなり、うどんこ病にもかかりやすくなります。知っておきたい菊の性質のひとつが、夜の長さが12時間を超えるとつぼみをつける短日植物だという点です。秋を代表する花である理由もここにあります。明るい玄関灯や街灯のそばに置いてしまうと、光の影響でつぼみがまったくつかなくなることがあるので注意しましょう。
水やり——ポットマムが早く枯れる最大の原因
満開の菊は、まさに水を吸い上げるポンプのような存在です。育苗ポットの中は根でぎっしり詰まっており、晴れた日1日でしっとりした状態からカラカラに乾いてしまうこともあります。一度でも激しくしおれてしまうと、つぼみを落として花期が短くなりがちです。鉢は毎日チェックし、鉢底から水が流れ出るまで株元にたっぷり水を与え、受け皿に水をためたままにしないようにしましょう。庭植えの場合は土を常に均一に湿らせておき、葉ではなく地面にじっくり水を与えます。葉が濡れたままだとうどんこ病や斑点病を招きやすくなります。
花がら摘みと肥料
咲き終わって茶色くなった花は、次の芽や葉のところまで茎を戻して摘み取りましょう。株が見た目にもすっきりし、種づくりに無駄なエネルギーを使わずに済み、残ったつぼみが開きやすくなります。これをするかしないかで、花期が3週間で終わるか、6週間続くかの違いが生まれます。庭植えの菊には生育期の間、月1回のペースでバランスのよい肥料を与え、つぼみに色がつき始めたら止めます。秋に買ったポットマムには肥料はまったく必要ありません。
摘心:来年の株姿は春に決まる
園芸店に並ぶあの見事なドーム状の株姿は、遺伝ではなく摘心のたまものです。菊を宿根草として育てているなら、それぞれの新芽が8〜10cmほどに伸びたところで先端を摘み取り、5月から7月上旬にかけて2週間おきくらいに繰り返します。摘心のたびに枝数が倍になり、7月上旬までに止めておけば、つぼみが形成される時間を確保できます。これを省くと、丈だけ高くなって倒れやすく、花数の少ない株になってしまいます。
宿根性の菊の冬越し
- 宿根性の品種は秋ではなく春に植え付けます。株がしっかり根を張ることが、冬を越すための条件です。
- 花が終わったあと、枯れた茎はそのまま残しておくと株元を保温してくれます。切り戻しは春に行いましょう。
- 本格的に寒くなったら、株元を8〜10cmほどの厚さで落ち葉やわらでマルチングします。
- 特に寒さの厳しい地域では、初霜のあとに鉢上げして、涼しく暗く霜の当たらない場所で春まで保管します。
- 2〜3年に一度、春に株を掘り上げて分け、勢いのよい外側の部分を植え直しましょう。
ポイント:秋の菊を選ぶときは、開いている花が少なく、色づいたつぼみがたくさんついている株を選びましょう。すでに満開の株は、鑑賞期間の半分をすでに店先で使ってしまっています。つぼみが固いうちに買えば、その先の見頃をまるごと自宅で楽しめます。
注意しておきたい病害虫
アブラムシはやわらかい茎先に群がり、ハダニは乾燥した時期に葉に細かい斑点をつくり、うどんこ病は込み合って湿った葉を白く粉をふいたようにします。風通しをよくするために株間をあけ、水は株元に与え、害虫は強めの水流や防除用の石けん水で早めに対処しましょう。重い湿った土での根腐れは、定着した株を枯らす最大の原因です。寒さよりも水はけのほうが重要だと考えてください。
注意:菊にはピレトリン(除虫菊由来の成分)が含まれており、猫や犬がかじると中毒を起こすことがあります。嘔吐、よだれ、ふらつきなどが典型的な症状です。ポットマムはペットの手が届かない場所に置き、もし誤って口にしてしまった場合はすぐに獣医師に相談してください。
玄関先に置いた菊が耐寒性のある品種かどうか、葉に出ている斑点が何なのか気になったら、PlantMeで写真を撮ってみてください。35,000種以上の植物を93%のTop3精度で識別し、500種類以上の病気を写真から見つけ出してくれます。
よくある質問
ポットマムはどのくらい花が持ちますか?
つぼみの状態で購入し、屋外の日当たりのよい場所で水切れさせずに育てれば、4〜6週間、涼しい時期なら8週間ほど花を楽しめます。咲き終わった花をこまめに摘み取り、毎日水やりの状態を確認することが花期を延ばすコツです。
うちの菊は来年も咲きますか?
春に植え付けた宿根性の品種であれば、たいてい咲き続けます。一方、秋に買った鑑賞用の菊は、冬までに根を張る時間がなく、そもそも耐寒性のある品種でないことも多いため、翌年再び咲くとは限りません。試したい場合は、花後に庭へ植え付け、しっかりマルチングし、冬の間は枯れた茎をそのまま残しておきましょう。
菊のつぼみがつかないのはなぜですか?
多くの場合、日照不足、夜間の照明による光害(菊はつぼみをつけるために長く暗い夜を必要とします)、または摘心の時期が遅すぎたことが原因です。秋になっても窒素分の多い肥料を与え続けると、花よりも葉が茂りやすくなります。
贈られた菊を観葉植物として室内で育て続けられますか?
室内の涼しく明るい場所であれば、今咲いている花をきれいに楽しむことはできますが、窓辺で再び花を咲かせることは期待できません。花が終わったら処分するか、春に屋外へ植え付けて庭の多年草として試してみるとよいでしょう。