ジャーナル/Care Basics · 読了目安8分

植物育成ライトの使い方|選び方から設置のコツまで

Wren Hollis

文: Wren Hollis · 観葉植物とインテリアグリーン

植物育成ライトは本当に必要か。PPFDの意味、点灯時間、設置距離、そしてお金を無駄にしがちな失敗まで、育成ライトの効果を実用目線で解説します。

かんたんに言うと

多くの観葉植物は、葉の位置でPPFDがおおよそ100〜200µmol/m²/sになるフルスペクトルの白色LED育成ライトで十分満足します。実際には、まずまずの性能のLEDバーや電球を葉から25〜35cm離して設置するイメージです。タイマーを使って1日12〜14時間点灯しましょう。ライトを比較する際はワット数やルーメンではなく、記載された距離でのPPFDだけを見るのが正解です。

観葉植物を育てていると、多くの人に必ず訪れる瞬間があります。日が短くなり、窓から差し込む光が心もとなく感じられるようになる頃、植物が元気をなくし始め、「育成ライトが必要なのでは」という疑問が頭をよぎるのです。正直なところ、必要ない人も多い一方で、絶対に必要な人もいますし、購入した人のほとんどが箱に書かれた数字の意味に戸惑います。この記事では、単位の話も紫がかった光の話もマーケティング文句も一気に整理して解説します。

そもそも育成ライトは必要か

育成ライトが本領を発揮するのは、主に次の3つの場面です。1つ目は、窓が小さかったり北向きだったり、何かに遮られていたりする部屋で、いわゆる「耐陰性」の植物ですら、ただ生き延びているだけの状態になっている場合。2つ目は日照不足の季節、つまり日本でいえば北向きの部屋や、梅雨や冬のように6月には十分だった窓辺の光が12月には一気に少なくなる時期です。3つ目は、自分の環境を超えた目標がある場合で、挿し木や実生苗の育成、あるいは多肉植物のように本来もっと明るい環境を好む植物を、窓から離れた場所で育てたいときです。光不足の兆候としては、成長が遅い、または止まっている、茎が間延びして窓の方向に傾いている、新しい葉が小さく色が薄い、斑入り品種の模様が知らぬ間に消えて緑一色になってしまう、といったサインが挙げられます。心当たりがあるなら、補助照明はどんな肥料よりもコレクション全体の状態を底上げしてくれるはずです。

唯一注目すべき単位:PPFD

育成ライトのパッケージにはワット数やルーメンが大きく書かれていますが、どちらもほぼ役に立たない数字です。ワットは消費される電力量を表すもので、発せられる光の量ではありません。ルーメンは人間の目にどれだけ明るく見えるかを表す数値で、植物がどう光を利用するかとは無関係です。本当に見るべき数字はPPFD(光合成光量子束密度)で、単位はµmol/m²/s。ある距離で葉に実際にどれだけ光合成に使える光が届いているかを示します。良心的なメーカーであれば、例えば30cmや60cmといった距離でのPPFD値をチャートとして公開しています。ワット数とルーメンしか書かれていないライトは、それ自体が一つのシグナルだと考えましょう。

  • 耐陰性の観葉植物(ポトス、サンスベリア、ザミオクルカスなど):50〜100µmol/m²/sあれば、ただ生きているだけでなく本当に健康に育ちます。
  • 一般的な熱帯性の観葉植物(モンステラ、フィロデンドロン、カラテアなど):100〜200µmol/m²/sが心地よい中間値です。
  • より明るさを好むアロイド系やコレクター向けの植物:150〜300µmol/m²/sを与えると、葉が大きく速く育ちます。
  • 多肉植物やサボテン:300〜800µmol/m²/s以上。本棚の上では育たないのに、適切なライトの下では見違えるように育つのはこのためです。
  • 実をつける植物(室内で育てる唐辛子やミニトマトなど):500µmol/m²/s以上と、かなり本格的な設備が必要な領域に入ります。

紫がかった光より白色光が優れる理由

初期のLED育成ライトは赤と青のダイオードを組み合わせた、いわゆる「ブループル」と呼ばれるまぶしい紫色の光を放つものが主流でした。植物には機能しても、その部屋で過ごすには気が滅入りますし、すべての葉が黒っぽく見えてしまうため、コレクションを眺めて楽しむこともできません。現代のフルスペクトル白色LEDは、同じ光合成有効範囲(400〜700nm)の光を放ちながら、部屋の中を、そして害虫や病気の初期症状までも、本来の色で見せてくれます。専用の栽培用テントを組むのでない限り、白色光を選ぶのが賢明です。植物は問題なく光合成できますし、リビングがナイトクラブのようにならずに済みます。

点灯時間と距離:実践的な目安

点灯時間の目安はシンプルです。多くの熱帯性の観葉植物は1日12〜14時間の点灯でよく育ち、実生苗や挿し木は14〜16時間を好みます。長ければ長いほど良いわけではなく、植物にも暗期が必要で、24時間点けっぱなしにすると多くの種でストレスの原因になります。距離についても目安があり、一般的なLEDバーや電球であれば、まず葉から25〜35cmの位置に設置し、そこからメーカー公表のPPFDチャートを見ながら微調整します。距離を半分にすると光の強さはおよそ4倍になるため、「少し近づける」という小さな調整が驚くほど大きな効果を持ちます。1mの距離では弱く感じたライトが、30cmまで近づけると十分な強さになることも珍しくありません。

  • 設置初日から安価なコンセントタイマーを使いましょう。完璧さよりも一貫性が大切で、毎朝7時に手動でライトを点けるのを永遠に続けるのは現実的ではありません。
  • チャートの数字だけでなく植物自身の様子も観察しましょう。ライトに向かって伸び始めたら光を強くするか距離を縮め、上部の葉が白っぽく色あせたり焦げたりしていたら距離を離しましょう。
  • 家庭用の一般的なLED電球は育成ライトの代わりにはなりません。目には心地よくても、植物の高さでは光が弱すぎることがほとんどです。
  • ライトの下は環境が変わることも意識しましょう。棚や収納の中は暖まって乾きやすくなるので、水やりの頻度はこまめに確認してください。

プロのコツ:冬は窓辺かライトかを選ぶ必要はありません。植物は明るい窓辺に置いたまま、朝と夕方の数時間だけ上から育成ライトを当てて、短い日照時間の前後を挟み込むように補ってあげましょう。わずかな電気代で、12月でも夏並みの日照時間を植物に与えられますし、置き場所を変える必要もありません。

注意:「フルスペクトル」「太陽光と同等」「白熱電球1000W相当」といった表現は、規制のない、いわばマーケティング上の言い回しにすぎません。2つの育成ライトを比較する際に信頼できるのは、指定された距離での公表PPFD値だけです。販売者がそのチャートを示せない、あるいは示そうとしないなら、そのお店では買わないほうが賢明です。

うまくいっているかは植物が教えてくれる

新しい照明環境を導入したら、2〜4週間ほど様子を見て結果を判断しましょう。節間の詰まった新しい葉、色つやの向上、成長スピードの上昇、消えかけていた斑入り模様の復活などが見られれば成功のサインです。逆に、ライトの真下で葉が白っぽく縮れたり焦げたりしている場合は近づけすぎです。また、より良い光を当てても一向に元気にならない場合、そもそも問題は光ではなかった可能性があります。PlantMeで写真を撮り、500種類以上の病気と35,000種以上の植物データベースを93%のトップ3精度で照合してもらいましょう。育成ライトが必要だったのか、それとも殺菌剤が必要だったのか、一番早く見極める方法です。

よくある質問

普通のLED電球を育成ライトの代わりに使えますか。

多くの場合、効果的とは言えません。一般的な電球は人間の目に合わせて設計されており、植物の高さまで光が届く頃には、たいてい実用的な強さを大きく下回っています。強力な白色LEDであれば、ごく近い距離でなら耐陰性の植物を支えられることもありますが、PPFDチャートが公開された専用の育成用電球のほうがわずかな価格差で手に入り、迷う必要がなくなります。

育成ライトは1日何時間点灯すればよいですか。

多くの観葉植物であれば、タイマーで1日12〜14時間が目安です。実生苗や挿し木には14〜16時間が向いています。必ずしっかりとした暗期を確保しましょう。24時間点けっぱなしにすると、ほとんどの植物にストレスがかかり、電気代も無駄になります。シャコバサボテンのように開花に短日条件が必要な植物の場合、夜間まで光を当て続けるとかえって開花が遅れてしまいます。

育成ライトは植物からどのくらいの距離に設置すればよいですか。

一般的なLEDバーや電球であれば、まず葉から25〜35cm離して設置し、そこからメーカー公表のPPFDチャートと植物の反応を見ながら微調整しましょう。近づけるほど光は劇的に強くなり、距離を半分にすると強度はおよそ4倍になるため、わずかな距離の調整が大きな効果を生みます。

紫色の育成ライトは白色のものより優れていますか。

いいえ。赤と青を組み合わせた「ブループル」タイプは初期のLEDの効率を追求した結果生まれたもので、植物自体はよく育ちますが、現代のフルスペクトル白色LEDでも同等の有効な光を得られる上、植物本来の色で害虫や病気、栄養不足のサインをいち早く見つけられます。家庭用途であれば、実用面ではほぼすべての点で白色光に軍配が上がります。

育成ライトは電気代がかかりますか。

現代のLED育成ライトは消費電力が控えめです。一般的な20〜40Wのライトを1日12時間点灯した場合、1日あたりの消費電力量はおよそ0.25〜0.5kWhで、一般的な家庭の電気料金であればごくわずかな負担です。ただし機種によって効率に差があるので、電気代を気にする場合はメーカー公表のµmol/J値を比較すると良いでしょう。

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