ジャーナル/Seasonal · 6分で読めます
ハーブの収穫と乾燥・保存の方法
ハーブを収穫する時間帯から、乾燥・冷凍・保存までを解説。高温多湿の日本でも失敗しない、風通し・食品乾燥機・低温オーブンの使い分けを紹介します。
かんたんに言うと
ハーブは午前中、露が乾いてから暑くなる前に、蕾が上がりはじめたタイミングで収穫します。ローズマリー・タイム・オレガノなど硬めのハーブは束ねて吊るし乾燥、バジルや小ねぎのように水分の多い柔らかいハーブは冷凍が向いています。乾燥後は葉を丸のまま、密閉容器に入れて暗い場所で保存してください。
残暑のいまは、ハーブが一年でいちばん茂る時期です。バジルは放っておくと花芽が上がり、オレガノは鉢からあふれ、ローズマリーは柔らかい新芽を伸ばしています。この勢いのうちに少し取り分けて保存しておくと、冬のキッチンがまるで変わります。自分で乾かしたハーブは、市販のドライハーブとはまったく別の食材だからです。仕上がりを決めるのは3つの判断——いつ切るか、どう乾かすか、どう保存するか。日本の高温多湿では、とくに2つめが勝負どころです。
収穫のタイミングが香りを決めます
ハーブの香りのもとになる精油は、花が咲く直前にピークを迎え、日が高くなって葉が温まるにつれて抜けていきます。つまりルールはシンプルで、午前中——露が乾いてから、暑くなる前に切ること。そして株ごとに、蕾が見えはじめて、まだ開いていない時期をねらいます。葉物のハーブなら一度に株の3分の1まで収穫でき、また伸びて2〜3回は繰り返し収穫できます。ローズマリーやセージ、タイムのような木質化するハーブは、柔らかい緑の部分だけを切り、葉のない古い枝には切り込まないでください。そこからはほとんど芽が出ません。
洗う・水気を切る・選り分ける
まず軽く振って虫を落とし、本当に汚れているときだけさっと洗い、そのあと完全に水気を拭き取ります。表面に残った水分こそが、束をカビさせる最大の原因です。傷んだ葉や黄色くなった葉は取り除きます。そして収穫したハーブを2つの山に分けましょう。保存で最大の失敗は、すべてのハーブを同じ方法で扱ってしまうことです。
硬めのハーブ:乾燥させる
水分が少なく葉の小さいハーブ——ローズマリー、タイム、オレガノ、セージ、ローリエ、マージョラム、セイボリー——はきれいに乾き、香りもよく残ります。基本の方法に道具は要りません。5〜10本を軽く束ねて紐で縛り、暖かく乾いた風通しのよい日陰に逆さに吊るします。1〜2週間で、葉が指でほろほろ崩れるようになれば完成です。空気穴をあけた紙袋をかぶせておくと、ほこりを防ぎ、落ちた葉も受け止められます。ただし8月の日本は高温多湿。自然乾燥は失敗しやすいので、サーキュレーターで風を当てる、除湿機のある部屋に吊るす、エアコンの効いた室内を使う、といった工夫が要ります。それでも不安なら、食品乾燥機(ディハイドレーター)を35〜45℃に設定すれば数時間で仕上がりますし、オーブンの最低温度(55℃以下)で扉を少し開けたまま3〜4時間でも同じことができます。
柔らかいハーブ:冷凍する
水分の多いハーブ——バジル、小ねぎ、パセリ、パクチー、ミント、タラゴン、ディル——は、家庭での自然乾燥だと茶色くなったり、干し草のような香りになったりしがちです。冷凍のほうが断然向いています。刻んで製氷皿に詰め、水かオリーブオイルを注いで凍らせれば、1個がスープや煮込み、ソース用のひと目盛りになります。バジルはオイルと一緒に撹拌して袋で薄く平らに冷凍しておけば、使う分だけ折って使えます。日本のキッチンなら大葉(しそ)も同じ考え方で、洗って水気を拭き、刻んで冷凍すれば香りがよく残ります。解凍すると柔らかくなるので、飾りではなく加熱調理向けですが、香りは驚くほど生に近いままです。
ハーブ別・向いている保存方法
| ハーブ | 向いている方法 | メモ |
|---|---|---|
| ローズマリー、タイム、セージ | 束ねて吊るし乾燥 | 葉は乾いてから枝から外す |
| オレガノ、マージョラム | 束ねて吊るし乾燥 | 乾かすと香りが強くなる |
| ローリエ | 平らに広げて乾燥 | 葉を丸のまま紙にはさむ |
| バジル | オイルか水で冷凍 | 自家乾燥では香りがほとんど飛ぶ |
| 小ねぎ | 刻んで冷凍 | 乾燥させると味がなくなる |
| パセリ、パクチー | キューブ状に冷凍 | パセリは食品乾燥機でも可 |
| ミント、大葉 | どちらでも | ミントは茶用に乾燥、大葉は冷凍が向く |
保存:葉は丸のまま、密閉、暗所で
- 乾いた葉は枝から外しますが、砕かずに丸のまま保存します。調理の直前に手でもむことで、香りが瓶の中ではなく鍋の中で立ちます。
- 密閉できるガラス瓶に入れ、ハーブ名と日付を書いて、涼しく暗い場所へ。コンロの上の棚は避けてください。
- 香りのピークは3〜6か月、使える範囲で1年ほど。それ以降も傷むわけではなく、単に香りが抜けていきます。
- 最初の1週間は瓶の内側が曇っていないか確認を。曇るようなら乾燥が不十分なので、カビが出る前に取り出して乾かし直します。
ワンポイント:乾燥ハーブは生より香りが濃縮されています。置き換えの目安は、生大さじ1に対して乾燥小さじ1。一方、冷凍ハーブは生と同量で置き換えられます。
注意:電子レンジでの乾燥は、パセリなど少量以外にはおすすめしません。数秒の差で焦げますし、精油の多いハーブは本当に焦げ臭くなります。束ねて吊るす方法は時間こそかかりますが、ほぼ失敗しません。
株を長く収穫できる状態に保つ
収穫は、言い換えれば剪定です。葉の対のすぐ上で切るたびに、株は枝分かれして密になります。バジルは花芽をこまめに摘めば収穫期間が伸びますし、ローズマリー、タイム、セージは9月上旬までに最後のしっかりした切り戻しを済ませておくと、新芽が寒くなる前に充実します。畑や鉢のどれが収穫適期か迷ったとき、あるいはこぼれ種で出てきた芽が本当にオレガノかどうか、瓶に入れる前に確かめたいときは、PlantMeで撮影してみてください。35,000種以上の植物に対応し、上位3候補で93%の精度で判定します。
よくある質問
乾燥させる前にハーブを洗ったほうがいいですか?
目に見えてほこりや土がついている場合だけで十分です。冷たい水でさっと流し、振って水気を切り、束ねる前に完全に拭き取ってください。中に残った水分が束をカビさせます。きれいな場所で育てたハーブなら、振って選り分けるだけで大丈夫です。
天日で乾かしてもいいですか?
見た目は良いのですが、直射日光は精油を分解し、葉の色も抜けてしまいます。きれいなだけで香りのない葉ができあがります。香りを残すなら、暖かく乾いた風通しのよい日陰が常に正解です。
自然乾燥したバジルが茶色くなって干し草のような香りになりました。失敗ですか?
技術の問題ではありません。バジルは水分が多いため、ゆっくり乾かす間に品質が落ちてしまうのです。バジルはオイルで冷凍するか、どうしてもドライにしたい場合は食品乾燥機を最低温度で使ってください。
完全に乾いたかどうかは、どう見分けますか?
葉が指で簡単にほろほろ崩れ、茎が曲がらずに折れれば完成です。しなる、革のような感触が残る場合は乾燥が足りません。乾き切っていないハーブは、保存瓶でカビが出る最大の原因です。