ジャーナル/Indoor Styling · 7分で読めます
テラリウムの作り方|密閉型・苔テラリウムを一から作る手順
文: Wren Hollis · 観葉植物とインテリアグリーン
密閉型テラリウムの作り方を手順で解説。容器と用土の選び方、ガラスの中で育つ植物、曇り・カビ・葉の黄変への対処まで。苔テラリウムにも対応。
かんたんに言うと
密閉型テラリウムは、植物が自分で水を循環させるガラスの小さな世界です。土から蒸発した水がガラスで結露し、雨のように土へ戻ります。用意するのは、ふた付きの透明なガラス容器、水はけのよい用土と活性炭、そしてフィットニア・小型のシダ・ペペロミア・苔など湿度を好む小さな植物。直射日光を避けた明るい場所に置き、環境が落ち着けば水やりは年に数回で足ります。
密閉型テラリウムは、植物の楽しみの中でもっとも魔法に近いものかもしれません。ふたを閉じたガラスの世界が、自分で自分に水をやるのです。植え方と置き場所さえ間違えなければ、同じ水が土から葉へ、葉からガラスへ、そしてまた土へと何か月も巡ります。世界最古の密閉テラリウムは数十年動き続けています。日が短くなり、園芸が屋内に移る季節にぴったりの週末の工作で、しかも寛容です。ガラスの中は湿度の高い小さな気候で、初心者のたいていの失敗を吸収してくれます。
密閉テラリウムのしくみ
閉じた容器の中では、土から水が蒸発し、葉からも蒸散します。それが冷たいガラスで結露して流れ落ち、再び土を湿らせる——ミニチュアの雨のサイクルです。空気も循環し、酸素と二酸化炭素が光合成と呼吸のあいだを行き来します。あなたの仕事は最初の条件を整えることだけ。十分な(けれど多すぎない)水、サイクルを回すけれど蒸し焼きにしない光、そして湿度90%を喜ぶ植物です。
用意するもの
- ふたがしっかり閉まる透明なガラス容器——保存瓶、コルク栓のボトル、キャニスター、ガラス板をのせた小型水槽など。小さすぎる容器より、大きめのほうが環境は安定します。
- 水はけのよい観葉植物用の土。洋ランのバークやパーライトを少し混ぜると理想的です。
- 活性炭を数さじ(園芸店やアクアリウムショップで入手できます)。閉じた環境を清潔に保ちます。
- 小型でゆっくり育つ、湿度を好む植物(下記参照)。
- あると便利なもの:地面を覆う苔、レイアウト用の石や流木、そしてスプーン・割り箸・長いピンセット。
ポイント:古い解説にある厚い軽石の「排水層」は省いて構いません。深い石の層は、結局よどんだ水たまりを作るだけというのが今の考え方です。飾りとして薄く敷くのは自由ですが、実際に効いているのは活性炭を混ぜた通気性のよい用土と、最初から水をやりすぎないことです。
ガラスの中で育つ植物
もともと小型でゆっくり育ち、湿度を好み、中程度の光でも育つ種類を選びます。彩りにフィットニア(モザイクプラント)、タマシダの幼株やボタンファーンなどの小型シダ、ペペロミア、ベビーティアーズ(ソレイロリア)、小型のピレア、ヒポエステス、そしてハイゴケやシノブゴケなどの苔類。苔だけで仕立てる苔テラリウムは、日本でもっとも親しまれている形です。ひとつだけ絶対の決まりがあります。多肉植物とサボテンは密閉テラリウムに入れないこと。乾いた空気と乾いた根を必要とするため、ガラスの中では数週間で腐ります。彼らにはふたのない開放型の器を使ってください。
作り方の手順
- 1. 容器をよく洗って乾かします。ここから生態系を立ち上げるので、清潔からのスタートが肝心です。
- 2. 活性炭をひとつかみ混ぜた用土を4〜8cm入れます。いちばん大きな根鉢が入る深さが目安。奥を高く傾斜させると奥行きが出ます。
- 3. 各株を鉢から出し、余分な土を落とし、長すぎる根を切ります。スプーンで穴を掘って植え付け、やさしく押さえます。口の狭い瓶ではピンセットが活躍します。
- 4. 株と株のあいだは余裕を持って。思った以上に早く隙間は埋まります。露出した土に苔を押しつけ、石や流木を配置し、ガラスについた土を払います。
- 5. 縁に沿って控えめに水を与えます——中くらいの瓶なら大さじ数杯で十分。土はうっすら湿る程度、泥にはしません。
- 6. ふたを閉め、直射日光の当たらない明るい場所に置きます。
光:ここだけは間違えない
注意:密閉テラリウムを直射日光に置いてはいけません。ガラスは温室と同じように働き、たった1時間の直射日光でも中の温度が上がり、すべての植物を蒸し殺してしまいます。理想は明るい間接光。東向きや北向きの窓の近く、あるいは明るい窓から一歩下がった位置です。ときどき向きを変えると、生長が偏りません。
ガラスを読む:水やりと結露
ガラスの曇りがそのままメーターです。1日のうち一部の時間、ガラスの一部がうっすら曇る——これが理想。四六時中びっしょり水滴が流れているなら水が多すぎるので、1〜2日ふたを外して乾かし、また閉じます。まったく結露せず、土も白っぽく乾いているなら、水を大さじ1〜2杯足します。安定したテラリウムの水やりは数週間から数か月に一度、栓のきいたボトルなら半年もつこともあります。水は雨水か精製水が理想です。水道水のミネラルは、少しずつガラスに跡を残します。
手入れとよくあるトラブル
- 最初の数週間のカビ:新しいテラリウムでは珍しくありません。綿毛状の部分は、ついている葉ごと取り除き、1日ふたを開けて風を通します。カビを食べるトビムシを入れるのも有効です。梅雨どきは室内の湿度も上がるので、とくにこまめに確認を。
- 黄色くなった葉や枯れ葉:腐る前に早めに摘み取り、ガラスにぴったり張りついた葉も整理します。
- 容器から溢れそうな株:植え替えではなく剪定で対応します。こまめに摘芯すれば、風景のスケールが保てます。
- 肥料:ほとんど不要です。多くても春に1回、規定の4分の1の濃度の液肥まで。施肥したテラリウムは半年でジャングルになります。
手元の観葉植物のどれがテラリウム向きか、あの苔が何なのかがわからないときは、PlantMe を向けてみてください。35,000種類以上の植物クラスを上位3件で93%の精度で判別し、育て方カードが「湿ったガラスの中向き」か「乾いた空気と日光向き」かをその場で教えてくれます。
よくある質問
密閉テラリウムの水やりはどのくらいの頻度ですか。
ほとんど必要ありません。それがこの仕立ての魅力です。最初に控えめに水を与えたあと、環境が安定したテラリウムは自分で水を循環させ、数週間から数か月に一度、大さじ数杯を足す程度で足ります。判断はガラスで。常に水滴が流れていれば多すぎ、まったく曇らなければ足しどきです。
密閉テラリウムに向く植物は何ですか。
小型でゆっくり育ち、湿度を好む植物です。フィットニア、小型のシダ、ペペロミア、ピレア、ベビーティアーズ、ヒポエステス、そして各種の苔。苔テラリウムも定番です。多肉植物とサボテンは絶対に避けてください。密閉した湿度では腐ります。
テラリウムにカビが生えるのはなぜですか。
新しいテラリウムは、生態系が落ち着くまで少しカビが出ることがよくあります。傷んだ葉を取り除き、1日風を通してから閉じ直してください。カビが続く場合は水のやりすぎか、枯れ葉が腐っているのが原因です。トビムシは天然の掃除役になります。
密閉テラリウムはふたを開けて換気する必要がありますか。
必要ありません。健康な密閉テラリウムは酸素と二酸化炭素を循環させ、何か月も閉じたままで大丈夫です。開けるのはトラブル対応のときだけ——水が多すぎたときに乾かす、カビや枯れ葉を取り除く、といった場合です。