ジャーナル/Seasonal · 読了目安7分

ラベンダーの挿し木の方法|適期は初夏と秋

Arthur Meade

文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業

ラベンダーは挿し木で簡単に増やせます。適期の見極め方から手順、発根までの管理、冬越しまで写真なしでわかりやすく解説します。

かんたんに言うと

ラベンダーの挿し木は、花のついていない充実した枝を10〜15cmほど切り取り、下葉を落として赤玉土とパーライトを混ぜた水はけのよい用土に挿すだけです。適期は5〜6月(梅雨入り前)と、暑さが落ち着く9〜10月。真夏の高温多湿は蒸れや腐敗のもとになるので避けましょう。明るい日陰で乾かし気味に管理すれば、6週間ほどで発根します。

ラベンダーは一株あれば何十株にも増やせる、挿し木にとても向いた植物です。剪定ばさみを数分動かすだけで、庭の縁取りや低い生け垣、園芸仲間へのプレゼント用の株まで、無料でまかなえてしまいます。「ラベンダー 増やし方」を調べている方には、まずこの挿し木を試してほしいところです。

挿し木の適期はいつか

ラベンダーの枝は、春先の柔らかい若い枝からだんだんと木質化していきます。挿し木に一番向いているのは、根元がやや茶色く固まりはじめ、先端はまだ緑で柔らかい「半木質化」の状態の枝です。この状態の枝はしおれにくく、それでいて発根しやすいという、挿し木に理想的な性質を持っています。日本の気候では、この半木質化の枝が揃うのはおおむね5〜6月(梅雨入り前)と9〜10月の年2回。今からであれば、残暑が落ち着いてくる9月が特に狙い目です。

真夏の7〜8月は避けましょう。気温と湿度がともに高いこの時期は、切り口が蒸れて腐りやすく、成功率が大きく下がります。ラベンダーはもともと乾燥した地中海性気候の植物なので、日本の梅雨から真夏にかけての多湿は大の苦手です。風通しのよい場所で管理し、過湿を徹底して避けることが成功の一番の近道になります。

準備するもの

  • 元気に育った、できれば2年以上経ったラベンダーの株
  • よく切れる清潔な剪定ばさみ
  • 水はけ穴のある小さめの鉢(素焼き鉢がおすすめ)
  • 水はけのよい用土 — 培養土とパーライト、赤玉土(小粒)を半々程度で混ぜたもの
  • 発根促進剤(必須ではありませんが成功率が上がります)
  • 透明なビニール袋、または保湿用のドーム状カバー

挿し木の手順

  • 1. 花のついていない、まっすぐで健康な脇枝を選びます。花のついた枝は開花にエネルギーを使ってしまい、発根しにくくなります。
  • 2. 10〜15cmの長さで切り取ります。短すぎると発根前に養分が尽きてしまうので注意しましょう。葉の節のすぐ下で切るのがコツです。
  • 3. 枝の下半分から3分の2ほどの葉を、指でしごくようにして取り除きます。先端に少し葉を残しておけば十分です。葉が少ないほど、根のない状態での水分の蒸散を抑えられます。
  • 4. 切り口に発根促進剤をつけて余分を軽くはたき、枝の下3分の1を鉢の縁に沿って挿します。数cm間隔をあけて風通しを確保しましょう。
  • 5. 軽く水を与え、鉢に日付を記したラベルを立てたら、透明な袋やカバーをかけて湿度を保ちます。

発根までの管理

鉢は直射日光の当たらない明るい場所に置きましょう。カバーをかけたまま直射日光に当てると、あっという間に中が蒸れて枝が傷んでしまいます。用土は乾かし気味を意識してください。よくある失敗は水切れではなく、過湿による根腐れです。数日おきに底面給水で10〜15分ほど水を吸わせる方法がよく合います。カバーは時々外して換気し、茶色く変色したりカビが出た枝はすぐに取り除いて、周りに広がらないようにしましょう。

発根の目安は6週間ほどで、もう少しかかることもあります。水はけ穴から白い根がのぞいていれば発根の合図です。軽く引っ張ってみて抵抗を感じるのも良いサインです。発根が確認できたらカバーを外し、少しずつ外の環境に慣らしていきましょう。

冬越しのポイント

発根した苗は、赤玉土1に対して培養土3程度のやや肥沃な用土に1本ずつ植え替え、寒さの当たらない場所(室内の明るい窓辺や、軒下、無加温の温室など)で育てます。暖かさよりも、過湿と厳しい寒さから守ってあげることが大切です。寒冷地では霜よけや不織布での防寒をしっかり行いましょう。最初の冬を越えたら、春になって遅霜の心配がなくなってから、日当たりと水はけのよい場所に植えつければ、あとはぐんぐん育っていきます。

ポイント:欲しい株数の倍の本数を挿しておきましょう。経験者でも一定数は失敗するもので、余ったラベンダーの苗は誰かにあげればすぐに引き取り手が見つかります。

注意:ラベンダーの挿し木を水だけで発根させようとするのはおすすめしません。発根する前に茎が腐ってしまうことがほとんどです。地中海生まれのラベンダーは根元に空気が通る環境を好むので、水はけのよい用土のほうがずっと結果が安定します。

よくある失敗

  • 花のついた枝を使ってしまう — 必ず花のない枝を選ぶか、蕾を摘み取ってから使う
  • 10cmより短い枝を使い、養分が尽きてしまう
  • パーライトなどを混ぜない、保水力の高すぎる培養土を使う
  • 用土を常に湿らせたままにしてしまう
  • カバーをかけたまま直射日光に当ててしまう
  • 諦めるのが早すぎる — 8週間以上かかる枝も珍しくない

よくある質問

ラベンダーの挿し木に最適な時期はいつですか。

枝が半木質化する時期がベストで、日本の気候では梅雨入り前の5〜6月と、残暑の落ち着く9〜10月が適期です。真夏は蒸れて腐りやすいため避けましょう。

ラベンダーの挿し木は発根までどのくらいかかりますか。

半木質化した枝でおよそ6週間、長いと8週間ほどです。水はけ穴から白い根が見えたり、軽く引っ張って抵抗を感じたりすれば成功のサインです。

ラベンダーの挿し木は水だけで発根させられますか。

あまりおすすめできません。発根する前に茎が腐ってしまうことが多いためです。培養土に赤玉土やパーライトを混ぜた水はけのよい用土のほうが、はるかに良い結果が得られます。

発根した苗はいつ庭に植えつければよいですか。

最初の冬を防寒しながら過ごさせたあと、春に遅霜の心配がなくなってから、日当たりと水はけのよい場所に植えつけます。

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