ジャーナル/Care Basics · 6分で読めます
ホヤ(サクララン)の育て方と花の咲かせ方
文: Wren Hollis · 観葉植物とインテリアグリーン
ホヤ(サクララン)の育て方。明るい置き場所、乾かしてからたっぷりの水やり、粗い用土、そして花を咲かせたいなら花茎を絶対に切らない理由まで解説します。
かんたんに言うと
ホヤは明るい日陰を基本に、朝日程度のやさしい直射があるとより元気に育ちます。水やりは用土が完全に乾いてからたっぷりと。用土は粗くて水はけのよいものを、鉢はやや小さめにします。花を咲かせるコツは、強い光、根が少し詰まった状態、そして葉のない花茎(花座)を絶対に切らないことです。ホヤは毎年同じ花座から咲きます。
ホヤ、和名サクラランは、かつての「昔ながらの窓辺の鉢植え」から、いまや世界でもっとも人気の観葉植物のひとつになりました。理由はよく分かります。厚みのある造形的な葉、垂らしても這わせても何十年と生きるつる、そして陶器を思わせる星形の花が球状に集まり、夜になるとチョコレートとバニラのような甘い香りを放つのです。しかも見た目ほど気難しくありません。ここでは元気に育てる方法と、多くの人がいずれ抱く「どうすれば咲くのか」という疑問にお答えします。
「多肉寄りの熱帯着生植物」と考える
多くのホヤは、東南アジアや南アジアの樹上に着生して育ちます。根は深い土ではなく、樹皮のくぼみに溜まった軽い有機物のなかにあります。厚くロウ質の葉は、多肉植物のように水を蓄えます。この「空気を好む根+葉の貯水」という組み合わせが、ホヤの管理のすべてを説明します。つまり、光をたっぷり、用土は通気よく、水やりのあいだにきちんと乾かす、ということです。
光|花が咲くかどうかを決める要素
明るい日陰が最低ライン、朝日が2時間ほど当たる東向きの窓辺ならさらに理想的です。光は開花の最大の決め手でもあり、暗い場所のホヤはゆっくり育ちはしても、まず咲きません。一方、真夏の強い日ざしがガラス越しに当たると葉焼けや色抜けを起こしますので、レースのカーテンで和らげます。流行の黒葉系や赤みの出る品種も、その色は強い光があってこそ現れます。
水やりと肥料
シダではなく多肉植物のつもりで水をやります。鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、次は用土が完全に乾くまで待ちます。明るく暖かい部屋なら、夏は7〜10日に1回、冬は2〜3週間に1回程度が目安です。判断は葉が教えてくれます。厚く張りがあれば足りており、やわらかくしわが寄ってきたら貯水を使い切ったサインです。肥料は控えめに、規定の半分の濃度で春から夏に月1回。リン酸が少し多めの肥料は、成株の開花を後押しします。
注意:ホヤが本当に苦手なのは、常に湿ったままの用土だけです。梅雨どきは特に乾きが遅くなるので水やりを控えてください。葉が黄色くなってして簡単に落ち、用土がいつまでも乾かないなら根腐れです。鉢から抜いて健全な部分まで切り戻し、より粗い新しい用土で植え直し、水やりの間隔をしっかりあけましょう。
用土・鉢・植え替え
粗くて水はけのよい配合にします。観葉植物用の培養土、蘭用バーク、パーライトをほぼ等量ずつ混ぜるのが失敗の少ないレシピです。プラ鉢でも素焼き鉢でも構いませんが、素焼きは乾きが早く、ホヤにはむしろ好都合です。ホヤは根が詰まり気味のほうがよく咲きますので、植え替えは2〜3年に一度、大きくてもワンサイズ上まで、春に行います。
花|花座を切らないという鉄則
ホヤの花は散形花序、つまり30〜40輪ほどの星形の花が球状に集まって咲き、葉のない短い花茎(花座)につきます。毎年花を見られる人と、いつまでも咲かない人を分けるのがこの一点です。花が終わっても、その花茎を切ってはいけません。ホヤは他の多くの植物と違い、毎年まったく同じ花座から咲き、しかもシーズンごとに花座は少し伸び、つく花の数も増えていきます。ふつうの草花のように花がら摘みをすると、来年の花を切り落とすことになります。
- 葉焼けしない範囲で、できるだけ明るい場所に置きます。
- 根はやや詰まり気味に保ち、蕾がついたら鉢を動かさないこと。向きを変えるだけでも蕾を落とすことがあります。
- 株が充実するのを待ちます。多くのホヤは2〜3年目からしか咲きませんので、若い株には気長に。
- 冬に少し涼しく乾かし気味に管理し、春から施肥を再開すると、最初の花が上がりやすくなります。
- 咲き終わった花は自然に落ちるのを待ち、花座は決して切らないでください。
ヒント:花からは甘い蜜が出て、垂れることがあります。害はありませんので、鉢を動かすより下に受け皿を置き、夕方から漂う香りを楽しんでください。
ふやし方と病害虫
ホヤは挿し木でよく発根します。節が2〜3個ついたつるを切り、下の葉を取り除いて、水、湿らせたパーライト、または粗い用土に直接挿します。害虫は多くありませんが顔ぶれは決まっています。コナカイガラムシはホヤが大好物で、葉の付け根やロウ質の葉裏に白い綿状の塊として隠れます。アブラムシは新芽や花座につくことがあります。70%の消毒用アルコールを綿棒に含ませて拭き取り、いなくなるまで毎週続けてください。なおホヤは一般に犬や猫に対して毒性がないとされており、ペットのいるご家庭でも選びやすい花もの観葉植物です。
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よくある質問
ホヤの花が咲かないのはなぜですか。
ほとんどの場合、光が足りないか、待つ時間が足りないかのどちらかです。やさしい直射を含む明るい場所に置き、根はやや詰まり気味に保ってください。多くのホヤは2〜3年目から咲きます。そして古い花座は絶対に切らないこと。新しい花はそこから咲きます。
ホヤの葉がしわしわになるのはなぜですか。
葉のしわは、蓄えた水を使い切ったサインです。用土が長く乾ききっていたか、根腐れで水を吸えなくなっているかのどちらかになります。用土が乾いていれば、たっぷり水を。用土が湿っていて根がぶよぶよなら、挿し木を取って作り直しましょう。
ホヤは犬や猫に有毒ですか。
ホヤは一般に犬や猫に対して毒性がないとされています。白い樹液を大量にかじると軽い胃腸の不調を起こすことはありますが、ペットのいる家庭でも比較的安心して置ける花もの植物と考えられています。
ホヤは垂らして育てますか、それとも這わせますか。
どちらでも育ちます。そのままにすれば棚やハンギングから美しく垂れ、小さなトレリスや支柱の輪を用意すれば巻きついて登ります。自生地の姿は後者です。花座を目の高さに保つため、つるを輪に沿わせて仕立てる方も多くいます。