ジャーナル/Care Basics · 8分
オリーブの木の育て方|鉢植えの水やり・剪定・冬越し
オリーブの育て方を解説。鉢植えの置き場所、水やりの頻度、用土と鉢選び、剪定の時期、冬越しの方法まで。葉が落ちる原因と対処法もわかります。
かんたんに言うと
鉢植えのオリーブは、できるだけ長く直射日光の当たる場所に置き、用土の表面から数センチが乾いてから水やりをします。用土は水はけ最優先。肥料は春から夏の終わりまで控えめに、剪定は2月〜3月に行い、冬は明るく涼しい場所で管理します。庭植えの成木は軽い霜なら平気ですが、鉢は根が冷えやすいため、−5℃を下回る寒冷地では保護してください。
銀色がかった葉と、年を重ねるほど味の出る幹。オリーブはベランダや玄関先の鉢植えで地中海の雰囲気をつくってくれる、とても丈夫な樹木です。数千年にわたって栽培され、樹齢数百年の木も珍しくありません。つまり、多少ほったらかしでも育つということです。日本でも小豆島や瀬戸内では古くから栽培されており、気候的に多くの地域が適しています。鉢植えならコンパクトに保て、強い寒さのときだけ移動できるのも利点です。
置き場所|日当たりは多いほどよい
オリーブは乾いた斜面で育ってきた陽樹です。1日6時間以上、できればそれ以上の直射日光が当たり、風通しのよい場所に置きましょう。南向きのベランダや、日中よく日の当たる玄関先が理想です。室内の観葉植物として通年管理するのは向きません。光が足りないと少しずつ枝が徒長し、葉を落として弱っていきます。「屋外で育て、寒い時期だけ避難させる植物」と考えてください。
水やり|たっぷり、ただし回数は少なく
地植えの成木は乾燥に非常に強い一方、鉢植えは与えた分の水しかありません。それでもリズムは同じです。鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、その後は表土から数センチが乾くまで待ちます。真夏のベランダなら2〜3日に一度、涼しい雨続きの週ならまったく不要ということもあります。最も苦手なのは過湿です。常に湿った用土は根を窒息させ、葉が黄色くなって落ちます。受け皿にたまった水は必ず捨ててください。
用土と鉢|梅雨を乗り切る水はけ
オリーブの成否は水はけで決まります。赤玉土や培養土に軽石・鹿沼土・パーライトなどを3割ほど混ぜ、鉢底穴の大きな鉢に植えます。厚手のテラコッタは通気性がよく、背の高い木が風で倒れにくい点でも向いています。鉢は鉢底石やポットフィートで少し持ち上げ、雨水が抜けるようにしましょう。長雨が続く梅雨の時期は、軒下に移して過湿と蒸れを避けると安心です。湿度が高い時期は炭疽病も出やすいので、枝を混み合わせないことが大切です。若木は2〜3年に一度、春に一回り大きな鉢へ植え替え、大株は表土を数センチ入れ替えるだけで十分です。
肥料
オリーブは肥料をあまり必要としません。春から夏の終わりまで、2〜4週間に一度の液体肥料か、春に一度緩効性肥料を表土に施す程度で十分です。秋以降は施肥をやめます。遅い時期に出た柔らかい枝は、寒さで最初に傷むためです。生育は順調なのに古い葉の色が薄い場合は、晩春に窒素をやや多めに与えると、落ち着いた灰緑色が戻ります。
剪定|2月〜3月が適期
剪定は強い霜が終わり、新芽が動き出す前の2月〜3月が適期です。枯れ枝、交差枝、内側に伸びる枝を整理して、樹冠の中まで日と風が通る「開心自然形」に仕上げます。これは見た目の問題だけでなく、日本の多湿な気候では病気予防にも直結します。オリーブは前年に伸びた枝に花と実をつけるため、毎年全体を刈り込むと実がほとんどつきません。玄関先の丸い樹形を優先するなら刈り込んでもかまいませんが、実は諦めることになります。強い切り戻しにもよく耐え、古い枝からも芽を吹きます。
実をつけるには|品種を2本
日当たりのよい場所で育った成木は、鉢植えでも花を咲かせ実をつけます。'アルベキーナ'などは自家結実性があるとされますが、日本のオリーブ栽培では品種の違う木を2本並べて植えるのが基本です。風媒花なので、近くにもう1本あるだけで結実率が大きく上がります。覚えておきたいのは、夏の十分な暑さと冬の涼しい休眠期の両方が必要なこと、そして枝からもいだばかりの実は強い渋みで食べられないことです。数週間の塩水漬けなどの渋抜きを経て、はじめて食用になります。グリーンオリーブは未熟果、ブラックオリーブは同じ実を完熟させたものです。
冬越し
日本の多くの地域では、オリーブは屋外で問題なく冬を越します。庭植えの耐寒性のある品種は、根付いていれば一時的に−8℃前後まで耐えます。ただし鉢植えは事情が違い、地上にある根は地中よりずっと早く凍ります。寒冷地では秋のうちに鉢を建物の南側の壁際へ寄せ、幹ではなく鉢を不織布や気泡緩衝材で包みます。−5℃を下回る予報が出たら、明るく無加温の場所(0〜10℃程度の温室、玄関、窓のある車庫など)へ取り込みましょう。用土はごくわずかに湿った状態を保ち、カラカラにも過湿にもしません。最悪なのは暖かく暗い室内です。光のない暖かさは落葉を招きます。寒さで多少葉が落ちても春には吹き直します。
よくあるトラブル
- 冬の落葉:暖かく暗い置き場所か、根の過湿が原因。明るく涼しい場所に移し、用土を乾かします。
- 葉が黄色くなる:まず水のやりすぎを疑います。鉢底穴を確認し、鉢を地面から浮かせましょう。
- 葉がしわしわでつやがない:乾かしすぎです。鉢ごとたっぷり吸水させ、通常のリズムに戻します。
- カイガラムシとすす病:葉がベタつき黒い膜が付きます。葉を拭き取り、専用薬剤で対処します。
- 炭疽病:梅雨や長雨の時期に葉や実に黒い斑点が出ます。枝を透かして風通しをよくし、落ち葉は必ず片づけます。
- 花も実もつかない:日照不足、冬が暖かすぎる、毎年の刈り込みで前年枝を切っている、のいずれかです。
ワンポイント:信頼できる園芸店で品種名のはっきりした苗を選びましょう。根がしっかり張った小さめの苗のほうが、格安の大きな木より鉢の中で早く落ち着きます。
注意:過湿の用土に置きっぱなしにしないこと、そして冬にビニールを葉に直接かぶせないことです。閉じ込められた湿気は、寒さ以上に早く病気を招きます。包むのは鉢であって、葉ではありません。
園芸店で見かけた銀葉の木が本当にオリーブなのか、葉についた斑点が何の病害虫なのか迷ったときは、PlantMeで撮影してみてください。アプリは35,000種類以上の植物を93%のTop3精度で識別し、植物ドクターは写真から500以上の病気や害虫を判定します。施肥や剪定、鉢の移動のタイミングも季節ごとに通知でお知らせします。
よくある質問
オリーブは室内で一年中育てられますか。
おすすめできません。オリーブは室内では得にくいほどの直射日光と、涼しい冬の休眠期を必要とします。春から秋は屋外で育て、冬だけ明るく涼しい凍らない場所に置くのが理想です。
鉢植えのオリーブは何℃まで耐えられますか。
庭植えの耐寒品種は一時的に−8℃前後まで耐えますが、鉢の根ははるかに冷えやすくなります。−5℃を下回る寒冷地では、鉢を不織布などで包み、明るく無加温の場所に取り込んでください。
オリーブの葉が落ちるのはなぜですか。
多くは根の過湿か、暖かく暗い冬の置き場所が原因です。まず鉢底の水はけを確認し、次に涼しく明るい場所へ移しましょう。寒波のあとの軽い落葉は見た目だけの問題で、春には新しい葉が出ます。
鉢植えのオリーブの水やり頻度は。
表土から数センチが乾いてからです。真夏は数日に一度、涼しい冬の置き場所ではほとんど不要になります。与えるときは必ずたっぷりと与え、余分な水は完全に流し切ってください。
鉢植えでも食べられる実がなりますか。
日照と夏の暑さ、冬の涼しい休眠があればなります。結実率を上げたいなら品種の違う木を2本育てましょう。ただし生の実は渋くて食べられないので、数週間かけた塩水漬けなどの渋抜きが必要です。