ジャーナル/Care Basics · 7分で読めます

フィロデンドロンの育て方|置き場所・水やり・増やし方

フィロデンドロンの育て方を解説。ポトスとの見分け方、置き場所、水やり、用土、剪定・増やし方、ペットへの注意点までまとめました。

かんたんに言うと

フィロデンドロンは明るい日陰を好み、水やりは土の表面から2〜3cmが乾いたら(夏はおよそ週1回、冬は10〜14日に1回)が目安です。通気性のよいアロイド向けの用土と、鉢底穴のある鉢を使いましょう。温度は18〜27℃を保ち、春〜夏は月1回の液体肥料を、節のすぐ下で切った挿し穂は水挿しで2〜4週間ほどで発根します。すべてのフィロデンドロンは犬や猫にとって毒性があるので注意してください。

フィロデンドロンは、いくつかの観葉植物を枯らした経験を持つ人がたどり着く植物だとよく言われます。多少光が足りなくても耐え、水やりを1回忘れても機嫌を損ねず、コップに挿した1本の茎からでも根を出し、姿の種類も豊富なので、この属だけで部屋を一通り緑にできてしまいます。ここでは本当に大切なポイント――置き場所・水やり・用土・肥料・増やし方、そして必ず知っておきたい注意点を順番に解説します。

つる性タイプと直立タイプの違い

フィロデンドロンは大きく2つのタイプに分かれますが、育て方はほぼ共通しているのが嬉しいところです。つる性・登はん性のタイプには、ハート形の葉を持つヒメカズラ(ハートリーフフィロデンドロン、Philodendron hederaceum)、明るいライムグリーンの葉に模様が入る'ブラジル'、ビロードのような質感の'ミカンス'などがあります。これらは支柱に絡ませたり、ハンギングで垂らしたりする育て方が向いており、成長も早く伸びます。

一方、直立タイプはつるではなく、中心の株元から放射状に葉を広げます。代表格はセローム(Philodendron bipinnatifidum)、白い模様の入る'バーキン'、コレクター人気の高い'ピンクプリンセス'などです。壁際より床のスペースを取り、成長はやや遅めですが、水やり・用土・肥料はつる性タイプとまったく同じ考え方で構いません。違うのは光の必要量だけで、次の項目で解説します。

フィロデンドロンとポトスの見分け方

この2つは店頭でも譲り受けた株でもよく混同されますが、育て方は近くても、正しい名前を知っておくと安心です。ヒメカズラは葉が薄くマットな質感で、はっきりとしたハート形をしており、茎と葉の境目にくぼみがあります。さらに、新しい葉を守る紙のような薄皮「カタフィル(芽鞘)」をつくり、それはやがて茎に茶色い枯れ枝のように残ります。一方、ポトスは葉が厚めで光沢があり、やや波打っていて、金色やクリーム色の斑が入ることが多く、カタフィルはなく、節ごとの気根が太めです。フィロデンドロンの新芽はピンクや銅色っぽく出てくることが多いのに対し、ポトスの新芽はそのまま緑色に展開します。

置き場所

目標は明るい日陰、つまりレースのカーテン越しの光です。東向きや北向きの窓から1〜2m以内、あるいは明るい南向きの窓から少し離した場所が理想です。フィロデンドロンはほかの多くの観葉植物より中程度の暗さに強く、だからこそオフィスや廊下でもよく見かけますが、「耐える」ことと「よく育つ」ことは別です。暗い場所でも枯れはしませんが、茎の節と節の間が間延びし、新しい葉がどんどん小さくなっていきます。

斑入り品種はよりはっきりと明るさを必要とします。'バーキン'や'ピンクプリンセス'は葉緑素の少ない白い部分をつくっており、光が足りないと自分で栄養をつくるために静かに緑一色へ戻ろうとします。ピンクプリンセスの葉がすべて緑になってきたら、植物を責める前に、まず明るい場所へ動かしてみてください。ただし、どの品種も真夏の直射日光が窓越しに当たる場所は苦手で、数日でも強い日差しを浴びると葉の表面が焼けて色あせてしまいます。

水やり

水やりは土の表面から2〜3cmが乾いたときに。表面だけ見るのではなく、指を挿して確かめてください。表面は先に乾いてしまい、実際の湿り気を教えてくれません。明るく暖かい部屋であれば、夏はおよそ週1回、冬は光が弱く成長も緩やかになるため10〜14日に1回が目安です。鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、受け皿にたまった水は必ず捨てます。表面だけ湿らせる少量の水やりでは、鉢の奥の根がずっと乾いたままになってしまいます。

水やりの過不足は葉が教えてくれます。下葉が数枚まとめて黄色くなり、パリッとせず柔らかい場合は、根が水に浸かりすぎているサインで、典型的な水のやりすぎです。反対に、葉の他の部分はしっかりしているのに縁だけが茶色くパリパリになるのは、水切れか、暖房器具などによる極端な乾燥が原因です。

温度と湿度

18〜27℃の範囲であればよく育ちます。つまり普通の室内環境で問題ありません。13℃を下回らないようにしましょう。低温は成長を止め、長く続くと葉の組織を黒くしてしまいます。すきま風の当たる玄関、冬の窓辺、エアコンの吹き出し口や暖房器具の真上は避けてください。一日の中での温度差の大きさが、平均気温よりも深刻なダメージにつながります。

湿度は普通の室内程度で十分で、フィロデンドロンは特別に神経質な植物ではありません。ただし湿度50〜60%になると、葉が目に見えて大きくなり、葉先の茶色も減るので、水を張った受け皿やほかの植物との寄せ置き、乾燥する冬の加湿器の使用は、生き延びるだけでなく「よく育つ」ための投資になります。

用土・鉢・植え替え

フィロデンドロンは太い根を持つアロイド(サトイモ科)の植物で、水と同じくらい空気を必要とします。市販の培養土をそのまま使うと締まりすぎて水分を溜め込みがちです。観葉植物の土2、パーライト1、バークチップ1のおおよその割合で自分で配合してみてください。見た目がゴロゴロして水はけがよくなり、これだけで慢性的な不調の多くが解決します。

鉢底穴のある鉢を使いましょう。おしゃれな鉢カバーを使う場合も、取り出して水を切れるプラスチックの内鉢に植えておけば問題ありません。植え替えは1〜2年に1回、または根が鉢底で渦を巻いたり、水がすぐに流れ出るようになったりしたタイミングで。サイズは1回りだけ大きくしてください。大きすぎる鉢に湿った未発根の土をたっぷり入れると、健康な株でも根腐れの原因になります。

肥料

春〜夏に月1回、規定より薄めた液体肥料で十分です。秋と冬は完全に休止してください。光が弱い時期は植物が栄養をうまく使えず、余った肥料成分が塩類として土に蓄積してしまいます。2年以上植え替えていない場合は、年に数回、真水だけで鉢をしっかり洗い流し、たまった塩類を排出しましょう。

剪定と増やし方

フィロデンドロンは地球上で最も増やしやすい植物のひとつで、挿し木を練習するのにぴったりです。葉や気根が出ている少し膨らんだ部分――節を見つけ、清潔なハサミでそのすぐ下、1cmほどのところで切ります。葉を2〜3枚つけた状態で切り取り、明るい窓辺でコップの水に挿して、水は週1回替えてください。2〜4週間ほどで発根します。根が3〜5cmほどになったら土に植え替え、水根が土に順応するまでの最初の2週間ほどは、いつもよりやや湿り気を保つようにします。

剪定は親株のためにもなります。伸びすぎたつるを節のところで切り戻すと、下の方から新しい枝が出やすくなり、切った挿し穂を元の鉢に3本ほど戻して植えれば、ワンシーズンでボリュームのある株に育ちます。

注意:フィロデンドロン類はすべて樹液や葉に不溶性のシュウ酸カルシウム結晶を含んでおり、犬や猫がかじると口や喉の刺激、よだれ、顔をこすりつける仕草、時に嘔吐といった中毒症状が出ることがあります。命に関わることはまれですが、本人にとってはかなり痛みを伴います。垂れ下がったつるは好奇心旺盛な猫の手が届かない場所に置き、かじる癖のあるペットと暮らしている場合は、購入前にペットに安全な植物についてのガイドも確認してください。

よくあるトラブルと原因

  • 下葉から黄色く柔らかくなる — ほぼ間違いなく水のやりすぎです。水やりの間に土がしっかり乾いているか、鉢がきちんと排水できているか確認してください。
  • 節と節の間が間延びし、葉が小さいまま増える — 光量不足です。ほかの対処をする前に、まず明るい場所へ移動しましょう。
  • 葉がしんなり垂れるが、水やり後に数時間で回復する — 単純な水切れです。水を与えた土がまだ湿っているのにしんなりしたままなら、根腐れを疑ってください。
  • ほかは健康なのに葉の縁だけ茶色くパリパリになる — 乾燥した空気、または水やりのムラが原因です。
  • べたつき、細い糸状のもの、葉の付け根に白い綿状のものがつく — 害虫のサインです。葉裏にハダニ・カイガラムシ・コナカイガラムシがいないか確認し、広がる前に対処してください。
  • 斑入り品種が緑一色に戻ってしまう — その品種にとって光が足りていません。

ポイント:数週間に1回、湿らせた布で葉を拭きましょう。フィロデンドロンの大きく平らな葉にほこりが積もると、届く光の量が確実に減ってしまいます。拭き掃除は同時に害虫チェックの機会にもなります。

譲り受けた株がフィロデンドロンなのか、ポトスなのか、シンゴニウムなのか判断がつかないとき――育て方は少し違い、ペットへの毒性の話も変わってきます――葉をPlantMeで撮影してみてください。35,000種以上の植物を認識し、上位3件で93%の精度で判定できるので、鉢に挿さっていたラベルの推測をやめられます。

よくある質問

フィロデンドロンの水やりの頻度はどれくらいですか。

土の表面から2〜3cmが乾いたときが目安です。光の量・鉢のサイズ・室温によって変わりますが、おおむね夏は週1回、冬は10〜14日に1回程度です。決まったスケジュールに頼らず、指で土の乾き具合を確認してください。

フィロデンドロンの葉が黄色くなるのはなぜですか。

下葉から柔らかく黄色くなるのは、水のやりすぎ、または排水の悪い鉢に植わっている典型的なサインです。水やりの間隔をあけて上から数cmをしっかり乾かし、受け皿の水は捨て、それでも土が湿ったままならパーライトやバークを混ぜたより粗い用土に替えてください。

フィロデンドロンとポトスの違いは何ですか。

ヒメカズラ(ハートリーフフィロデンドロン)は葉が薄くマットで、はっきりしたハート形をしており、茎に紙のようなカタフィルができます。ポトスは葉が厚めで光沢があり、やや波打ち、カタフィルはなく、節ごとの気根が太めです。どちらもペットには毒性があり、好む環境もほぼ同じです。

フィロデンドロンは暗い場所でも育ちますか。

ほかの多くの観葉植物より暗さには強いですが、それでもよく育つわけではありません。茎ばかり間延びし、葉はどんどん小さくなり、斑入り品種はゆっくり緑一色に戻っていきます。中程度の明るさなら妥協点として現実的ですが、暗い日陰は避けたいところです。

フィロデンドロンは犬や猫に毒性がありますか。

はい。すべてのフィロデンドロンに不溶性のシュウ酸カルシウム結晶が含まれており、かじると口の刺激・よだれ・嘔吐などの症状が出ます。重症になることはまれですが、痛みは本物なので、垂れ下がるタイプは手の届かない場所に置き、何でもかじってしまうペットがいる場合はペットに安全な植物を選びましょう。

試してみる

PlantMeなら、その場で診断できます

植物や葉を撮影するだけ。数秒で名前と診断、育て方プランが届きます。

ダウンロードApp Store