ジャーナル/Seasonal · 6分
アリウムの球根の植え付け時期|深さ・間隔・おすすめ品種
アリウムの球根は10〜11月の秋植えが基本。植え付けの深さ、株間、水はけの整え方、人気品種と鉢植えのコツをまとめました。
かんたんに言うと
アリウムの球根は秋植え球根です。日本では10〜11月、暑さが引いて地温が下がってきた頃に植え付けます。深さは球根の高さの約4倍、とがった方を上にして、日当たりと水はけのよい場所へ。翌年の晩春から初夏にかけて、あの丸い花が咲きます。
初夏の庭の写真に必ず登場する、宙に浮いたような紫色のボール。あれはすべて、秋に土に入れた薄皮の球根から始まっています。アリウムはネギやニンニクの仲間にあたる観賞用の球根植物で、秋植え球根のなかでも育てやすく、しかも見栄えのする存在です。独特の香りのおかげで、食害を受けにくいのも利点です。
植え付けの時期はまさに今です。いつ、どのように植えればよいのかを具体的に見ていきます。
結論:10〜11月に植える
日本では10月から11月が適期です。夏の暑さが完全に引き、土が冷え始めたころ、そして本格的に凍る前に植え付けます。早めのほうが有利で、10月中に植えた球根は冬までにしっかり根を張り、その分だけ花茎が高く、花球も大きくなります。うっかり12月まで植え忘れていても、土が掘れるなら植えてください。遅れて植えたアリウムのほうが、袋の中で乾いてしぼんだ球根よりはるかにましです。
なぜ春ではなく秋なのか
アリウムの球根は、開花のスイッチを入れるために一定期間の低温を必要とします。これが「春が来た」と球根に知らせる体内時計の役目を果たします。秋に植えれば、穏やかな数週間のうちに根を張り、冬はじっと動かず、そして晩春から初夏にかけて葉と、あの太鼓のばちのような花茎を伸ばします。チューリップが終わり、夏の宿根草が咲き出すまでの、ちょうど間の抜けやすい時期を埋めてくれる花です。
深さと株間
- 深さ:球根の高さの約4倍。'グローブマスター' のような大型種で15cm前後、小型種で8〜10cmが目安です。
- 株間:小型種は8〜10cm、大型種は花球が重ならないよう20cm以上あけます。
- 必ずとがった方を上にして植え、土をかぶせたあとは軽く押さえます。
- 5球、7球、9球といった奇数のかたまりで植えると、いちばん自然に見えます。
植え場所——日本では水はけが最重要
アリウムは日当たりがよく乾いた斜面の出身で、庭でも同じ条件を求めます。つまり日なたと、決して水が滞らない土です。日本の気候でいちばん気をつけたいのがここで、梅雨や秋の長雨で土が湿りっぱなしになると球根は腐ります。粘土質の場所では、植え付け前に軽石や砂利を混ぜて水はけを改善するか、レイズドベッドや鉢に植えてください。植え穴に未熟な堆肥を入れるのは避けます。花茎が高くなるので、強い風の当たらない場所を選ぶと倒れにくくなります。
定番の5品種
- パープルセンセーション — 定番中の定番。濃い紫、直径10cmほどの花球が80cmの茎に咲きます。
- グローブマスター — 直径15〜20cmの巨大な濃紫の花。不稔性のため、数週間咲き続けます。
- アリウム・クリストフィー(ペルシャの星) — 短い茎に、銀紫色の星形の花が集まった大きな球。ドライフラワーにも向きます。
- アリウム・スファエロケファロン(ドラムスティックアリウム) — 小さな卵形のワインレッドの花が7〜8月に咲き、シーズンを延ばしてくれます。安価なのでまとめ植えに向きます。
- マウントエベレスト — 90cmの茎に真っ白な花球。涼やかな配色に合います。
鉢植えで育てる
アリウムは深めの鉢と、水はけのよい砂利混じりの用土でよく育ちます。庭と同じく球根の高さの4倍の深さに植え、一度たっぷり水をやったら、その後はやや乾かし気味に管理します。冬の長雨に当て続けないことが大切で、軒下に置くだけで結果が変わります。厳寒地では、強い冷え込みのときに壁際や無加温の物置に移してください。
花後の管理——守るべき一つのルール
アリウムの葉は、花が開くころに先端から黄ばみ始めます。これは病気ではなく通常の生理です。球根が翌年の力を蓄えられるよう、葉は自然に枯れるまで残してください。緑の葉を切ったり結んだりしてはいけません。株元が隠れるよう、ギボウシや宿根草、グラス類の後ろに植えるときれいに見えます。乾いた花がらもこの植物の見どころですので、そのまま立たせて夏の庭の骨格にしたり、切って飾ったりできます。なお温暖地では、梅雨前に葉が枯れて休眠に入り、夏の高温多湿で球根が傷みやすいため、大型のアリウムは一年草扱いにして毎年新しい球根を植える方も多くいます。
気をつけたいトラブル
- 球根が腐る:ほぼ例外なく過湿です。水はけを改善するか、鉢植えに切り替えます。
- ネギアザミウマやタネバエなどネギ類の害虫:花壇の観賞用アリウムでは被害は多くありませんが、最近ネギ類が被害を受けた場所への植え付けは避けます。
- 花茎が倒れる:日照不足か、風の強すぎる場所です。
- 2年目に咲かない:前年に葉を早く切りすぎた、球根が分球した、あるいは夏の高温多湿で消耗した可能性があります。
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参考文献・出典
よくある質問
11月や12月に植えても間に合いますか。
土が掘れる状態なら植えてください。根の張りはゆっくりになり、最初の春は花茎がやや低くなることもありますが、春まで球根を保管しておくよりはるかに良い結果になります。
アリウムは毎年咲きますか。
日当たりと水はけがよければ、多くの品種は数年にわたって咲き、少しずつ増えていきます。ただし日本の温暖地では夏の高温多湿で球根が消耗しやすく、大型種は一年草扱いにして植え替えるほうが確実です。
何球まとめて植えるとよいですか。
大型種は5〜9球の奇数のかたまりがもっとも自然に見えます。ドラムスティックアリウムのような小型種は、20球以上をまとめて植えると見ごたえが出ます。
球根が動物に掘り返されませんか。
ほとんど心配ありません。ネギ特有の香りが小動物を遠ざけるため、チューリップの球根が掘られてしまう場所の代替としても向いています。
執筆者について

家庭菜園と季節の作業
アーサーさんは同じ市民農園を三十年間耕し続け、一年を月ではなく「種まきの回数」で数えます。野菜づくりと季節ごとの畑仕事について、実践的で飾らないガイドを執筆しています。実際の畑で通用しない言い伝えには、あまり付き合いません。
