ジャーナル/Seasonal · 読了目安7分
アジサイの剪定時期|旧枝咲きと新枝咲きで変わる正解
文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業
アジサイの剪定は時期を間違えると翌年咲きません。旧枝咲き(ホンアジサイ・カシワバ)と新枝咲き(ノリウツギ・アナベル)の適期と切り方を解説します。
かんたんに言うと
アジサイの剪定時期は品種のタイプで決まります。ホンアジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、カシワバアジサイ、ツルアジサイは旧枝咲きなので、花後すぐ〜7月末までに軽く切るのが鉄則です。来年の花芽は10月頃までに作られるため、秋以降に切ると花芽ごと落としてしまいます。一方でノリウツギ(ピラミッドアジサイ)やアナベルは新枝咲きで、冬から早春(2〜3月)に強く切り戻しても、その年の新しい枝にしっかり咲きます。
「アジサイの剪定時期はいつですか」という質問には、少し意地悪ですが正直な答えがあります。それは「どのアジサイかによります」。ホンアジサイを間違ったタイミングで切ると、翌年は青々とした葉ばかりの株を一夏じゅう眺めることになります。とはいえ、覚えるグループは2つだけ。ひとつの質問で、どのアジサイもきちんと仕分けできます。
すべてを決める質問:旧枝咲きか、新枝咲きか
旧枝咲きのアジサイは、翌年の花芽を今年伸びた枝に、夏の終わりから秋(おおむね10月頃まで)に作ります。その花芽は冬のあいだ、葉を落とした枝の上でじっと春を待っています。ですから秋・冬・春にその枝を切り戻すと、翌年の花を切り落としていることになります。株自体は元気なまま、花だけが咲かないという状態です。新枝咲きのアジサイはその逆で、その年に伸びた枝の先に花をつけます。休眠中に強く切っても、伸びた新枝にきちんと咲いてくれます。
- 旧枝咲き — 花後すぐ、6月下旬〜7月末までに軽く剪定:ホンアジサイ・ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla)、ヤマアジサイ(H. serrata)、カシワバアジサイ(H. quercifolia)、ツルアジサイ(H. petiolaris)。
- 新枝咲き — 冬〜早春(12〜3月)に強剪定:ノリウツギ(H. paniculata、「ライムライト」など)、アナベル(H. arborescens)。
- 両方に咲くタイプ — 「エンドレスサマー」に代表される返り咲き品種は旧枝にも新枝にも咲くため、時期の失敗をかなり許してくれます。
ホンアジサイ・ガクアジサイ:花後すぐ、7月末までに
梅雨どきの花が色あせてきたら、花のついた枝を花から数えて2節目、しっかりした芽の上で切ります。同時に、枯れ枝や細く弱い枝を株元から間引いてください。作業はここまでで十分です。7月末までに終えれば、残した枝に秋までしっかり花芽が作られます。逆に、毎年強く刈り込むと葉ばかり茂って花がつかない株になります。ホンアジサイに毎年の強剪定は必要ありません。
背が高くなりすぎた株を低くしたい場合は、花後すぐの時期に、株全体ではなく古い太枝を数本だけ地際から抜くようにします。この「間引き剪定」なら、翌年の花を全部あきらめずに樹形を作り直せます。
ノリウツギとアナベル:冬に思いきり切る
新枝咲きのタイプは驚くほど気楽です。落葉して芽が動き出す前の12〜3月、寒冷地なら芽が膨らみはじめる頃に、前年の枝を切り戻します。ノリウツギは高さ30〜60cmの骨格を残し、それぞれの枝を充実した芽の上で。アナベルは地際から20〜30cmまで下げてしまって構いません。強く切るほど花数は減り、一輪一輪が大きくなります。軽めに切れば、花は小ぶりになりますが数が増え、枝も倒れにくくなります。どちらにしてもその年の新枝に咲くので、花が咲かないという失敗は起きません。
カシワバアジサイとツルアジサイ:ほとんど切らない
カシワバアジサイは、枯れ枝や傷んだ枝、邪魔な枝を花後すぐに抜く程度で十分です。秋の紅葉と樹皮の風合いも見どころなので、切りすぎないほうが魅力が出ます。ツルアジサイは古い枝から出る短い側枝に咲くため、伸びすぎた枝や壁から浮いた枝を花後に整える程度にして、骨格になる枝はそのままにしておきます。
切ってはいけない時期
この記事から一つだけ持ち帰るなら、これです。旧枝咲きのアジサイは、8月以降に切らないこと。8月から10月にかけて、枝の中では翌年の花芽が作られています。秋の庭掃除、冬の切り戻し、春先の張り切った剪定——健康なアジサイが咲かない理由の上位3つは、すべてこれです。迷ったら切らないでください。1年放っておいたアジサイは必ず咲きますが、時期を間違えて切ったアジサイは咲きません。
ヒント:この記事の時期は日本(北半球)の気候が前提です。花期は関東以西でおおむね6月から7月上旬、東北や北海道では2〜3週間ほど後ろにずれます。剪定の目安は「カレンダーの日付」ではなく「花が終わってから1か月以内」と覚えておくと、どの地域でも失敗しません。
古株のリセット剪定
何年も切らずに枝が混み合い、花つきが落ちた古株は、時間をかけて更新するのがいちばん確実です。毎年、花後すぐに、いちばん古くて太い枝を全体の3分の1ずつ地際から抜いていきます。3年で株全体が若い枝に入れ替わり、その間も花を一年も休まずに済みます。株全体を地際で切る「丸坊主」は最後の手段です。翌年は勢いよく枝が伸びますが、花は1年休むと考えてください。
注意:花が咲かない原因は剪定だけとは限りません。旧枝咲きのアジサイは、芽が動きはじめた春先の遅霜で花芽が傷むことがあります。また、日照不足(半日陰は好みますが、一日じゅう暗い場所は不向き)や、鉢植えでの根詰まりも花つきを落とします。剪定時期に問題がないのに咲かないときは、遅霜と置き場所、鉢の大きさを順に疑ってください。
自分のアジサイがどのタイプかわからないときは
見分け方は葉と花の形です。大きく丸い光沢のある葉は macrophylla(ホンアジサイ・ガクアジサイ)、円錐形の花房でつや消しの尖った葉ならノリウツギ、カシワの葉のように深く切れ込む葉ならカシワバアジサイ、ハート形の葉で気根を出して壁を登っていればツルアジサイです。植物名の判別に迷ったら、PlantMeアプリで撮影してみてください。35,000種以上の中からその株を特定し、タイプに合わせた剪定と管理のリマインダーを登録できます。
よくある質問
アジサイを秋や冬に剪定しても大丈夫ですか?
新枝咲きのノリウツギやアナベルなら冬の剪定でまったく問題ありません。ただしホンアジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、カシワバアジサイ、ツルアジサイは秋以降に切ると翌年の花芽を落としてしまいます。旧枝咲きは花後すぐ〜7月末までが原則です。
アジサイが今年咲かなかったのはなぜ?
いちばん多い原因は、旧枝咲きの株を秋・冬・春に剪定して花芽ごと切ってしまったことです。ほかに、春先の遅霜で花芽が傷んだ、日照が足りない、鉢植えで根詰まりしている、といった原因も考えられます。いずれの場合も株そのものは元気に見えるのが特徴です。
咲き終わった花はいつ切ればいいですか?
花がら切り(花房だけを取ること)は、どのタイプでもいつでも安全です。旧枝咲きなら、花後すぐに花から2節目の芽の上で切っておくと、その後の花芽づくりがスムーズになります。ドライフラワーのように色が変わる姿を楽しむ場合も、遅くとも7月末までに切り終えてください。
アナベルはどこまで短く切れますか?
かなり短くして大丈夫です。アナベルもノリウツギも新枝咲きなので、冬に地際から20〜30cmまで下げても、その年に伸びた枝にしっかり咲きます。強く切ると花は大きく、数は少なくなり、軽く切ると小ぶりの花が多くつき、枝も倒れにくくなります。