ジャーナル/Care Basics · 読了7分
アボカドの種の育て方|水耕栽培から鉢植えまで
文: Wren Hollis · 観葉植物とインテリアグリーン
アボカドの種を爪楊枝で水耕栽培する方法から、土への植え替え、摘心、冬越しまで。発芽までの日数や失敗しないコツをやさしく解説します。
かんたんに言うと
アボカドの種を育てるには、種をきれいに洗い、平らで幅の広い方を下にして、爪楊枝で刺してコップの水に底だけ浸けるか、湿らせた用土に直接植えます。室温が暖かければ2〜8週間ほどで種が割れて発根・発芽します。発根後は水はけのよい土に植え替え、明るい場所に置き、茎が30cmほどになったら摘心して枝分かれを促しましょう。観葉植物としては立派に育ちますが、室内で実がなることは期待しないでください。
多くの人が一度は試したことがあるはずです。ワカモレやサラダのためにアボカドの果肉をくり抜き、まな板に残ったつるりとした茶色い種を見て、「これ、育つんじゃないか」と思う。実際に育ちます。コップ一杯の水と爪楊枝数本、そして暖かい窓辺さえあれば、捨てるはずだった種が艶やかな葉を茂らせる観葉植物になります。かかる費用はほぼゼロで、しかも発芽から成長まで全過程を自分の目で見届けられるので、育てていていちばん満足感のあるものの一つです。
ただし後で触れる注意点があります。種から育てたアボカドは、あくまで観葉植物であって果樹園ではありません。実がなることは期待せずに取り組めば、純粋に楽しいプロジェクトになります。
種の下準備
よく熟したアボカドの種を使いましょう。果肉が柔らかく熟しているほど、種も発芽しやすい状態です。ぬるま湯で果肉を洗い流し、指でこすってきれいにします。ブラシやナイフでこすり落とす必要はなく、薄い茶色の薄皮も気にしなくて大丈夫です。発芽をわずかに早めたい場合は剥いてもよいですが、そのままでも問題ありません。
唯一必ず守るべきなのが向きです。アボカドの種にはやや尖った方の端と、平らで幅の広い方の端があります。幅の広い方が下です。そこから主根(タップルート)が出てくるため、必ず下向きにしてください。逆さまに植えてしまうと、何か月待っても何も起こりません。
- 上:やや細く、先が尖っていることが多い部分。ここから芽が出ます。
- 下:平らで幅が広く、うっすらと丸い跡がついていることもある部分。ここから根が出るので下向きにします。
- どうしても判断がつかない場合は、種を横向きにして湿った用土に寝かせておけば、時間はかかりますが自然と正しい向きに育ちます。
爪楊枝を使った水耕栽培
定番の方法で、コップ越しに発根・発芽の様子を全部観察できるのが人気の理由です。
- 種の中央あたりに、爪楊枝を3〜4本、やや下向きに角度をつけて1cmほどの深さに刺します。支えられれば十分です。
- 爪楊枝をコップや瓶の縁に渡し、種の下3分の1が水に浸かるようにします。
- 明るくて暖かい場所(20〜25℃前後)に置きますが、真夏の強い直射日光は避けます。
- 水は週1回、または濁ってきたら交換し、種の底が乾かないよう水位を保ちます。
あとは待つだけです。発芽までは2〜8週間ほどかかり、順序はいつも同じです。茶色い薄皮が乾いて剥がれ、種の縦方向に割れ目が入り、下から太い白い主根が伸び、その後にようやく上から芽が出てきます。根が先に出るのが自然な順序なので、根は出ているのに芽がまだ、という段階で心配する必要はありません。
8週間ほど経っても割れ目も根も出ない種は、その後も発芽しません。処分して別の種でやり直しましょう。中には発芽しない種も一定数あります。
土に直接植える方法
見た目の楽しさは少ないですが、成功率はこちらの方が高いことが多いです。小さめの鉢に湿らせた水はけのよい用土を入れ、種の幅広い方を下にして、上3分の1が土から出るように埋めます。暖かく、用土は湿った状態を保ちつつ、決してびしょ濡れにはしないこと。芽が土から顔を出すまでは何も見えませんが、根気強く待ちましょう。
この方法の利点は確かなものです。土の中で発芽した苗は最初から本番の用土で根を伸ばすため、植え替えのショックがなく、水耕栽培のもろい根に比べて根張りがしっかりして枝分かれも良くなります。犠牲になるのは、観察の楽しみだけです。
植え替えと日々の管理
水耕栽培した種は、根がしっかり張り(一本の主根だけでなく複数の根が育っている状態)、芽の高さが15cmほどになったら土に植え替えます。あまり長く水の中で待たせると、水中根が土に順応しづらくなり、かえって難しくなります。
- 鉢:鉢底穴のある15〜20cmの鉢で十分です。種の上部は土から出たままにしておきます。
- 用土:市販の培養土に4分の1ほどパーライトやバークを混ぜて水はけを良くします。
- 光:家の中でいちばん明るい場所に。1〜2時間の直射日光が当たる場所が理想です。アボカドは本来日当たりを好む木で、薄暗い場所では元気がなくなります。
- 水やり:用土の表面から2〜3cmが乾いたら。鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は必ず捨て、鉢を水に浸けたままにしないこと。
- 温度:10℃以上を保ち、冬は冷気の入る窓辺や玄関から離します。
- 肥料:春と夏のみ、規定の半分に薄めた液体肥料を月1回。
- 植え替え:若く生育が旺盛なうちは、春に年1回のペースで一回り大きな鉢へ。
こんもり茂らせるための摘心
そのままにしておくと、アボカドの苗はひょろりと一本の茎だけがまっすぐ伸び、先端に葉が集まる「棒」のような姿になります。これを直すのが摘心です。茎が30cmほどになったら、指先または清潔なハサミで先端の葉を一対摘み取ります。すると株はその下の葉の付け根から側枝を伸ばし始めます。
側枝が15cmほど伸びたら同じように摘心を繰り返すと、棒のような姿ではなく、こんもりとした枝ぶりの良い株に仕立てられます。摘心は必ず株にエネルギーがある生育期に行い、真冬には行わないようにしましょう。
実はなるのか
正直なところ、室内ではまずなりません。市販のアボカドは、確実に実をつける優良品種の穂木を台木に接ぎ木した木からできています。種から育てた苗は親と同じ性質を受け継ぐわけではなく(アボカドは種から親と同じものは育たない性質があります)、理想的な環境で育てても、実がなったとしてもその品質は運任せになります。
さらに種から育てた苗が花をつけるまでには何年もかかり、豊富な日照と本物の樹木としての空間が必要です。屋外で霜の降りない気候であれば、種から育てたアボカドも10年以上かけていずれ実をつけることがあります。しかし室内の鉢植えでは望めません。大きく艶やかに育つ葉を楽しむものと割り切り、実がなったらそれは思わぬ贈り物だと考えましょう。
トラブルシューティング
- 葉先が茶色くパリパリになる:乾燥した空気と塩類に敏感な根が原因。数か月に一度たっぷりの水で鉢の塩抜きをし、浄水や汲み置きの雨水で水やりし、可能なら湿度を上げましょう。
- 葉が落ちる:たいてい冷気か過湿が原因。夜間の窓辺の温度を確認し、水やりの間隔をあけて用土表面をしっかり乾かしましょう。
- ひょろひょろと徒長し葉がまばら:光不足かつ摘心不足。いちばん明るい窓辺に移し、先端を摘みましょう。
- 水につけて8週間経っても変化がない:発芽しない種です。新しい種を2〜3個用意してやり直しましょう。
種は一度に2〜3個仕込むのがおすすめです。発芽率は果実ごとにかなり差があるため、複数を同時に進めておけば、いちばん元気な苗だけを残して育てられます。窓辺に生えてきた芽が自分のアボカドなのか別の植物なのか判断がつかないときや、育て方についてもう一つ意見が欲しいときは、PlantMeアプリで撮影してみましょう。35,000種類以上の植物クラスを判別し、その株に合った管理プランを教えてくれます。
最後に安全面の注意です。アボカドの葉、皮、種にはペルシンという成分が含まれています。犬や猫には軽度の毒性があり、主に胃腸の不調を起こす程度ですが、鳥やウサギには少量でも重い症状を引き起こすことがあり、本当に危険です。育てている株も発芽させている種も、ペットの手の届かない場所に置いてください。動物と暮らしている方は、ペットに有害な植物の記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
アボカドの種が発芽するまでどのくらいかかりますか。
20〜25℃前後の暖かい室温であれば、通常2〜8週間です。まず種が割れ、次に幅の広い下側から太い主根が出て、その1〜2週間後に芽が出てきます。室温が低いとすべてが遅くなり、8週間経っても割れ目が入らない種はほぼ発芽しません。
水耕栽培と土への直まき、どちらがいいですか。
土に直接植える方が、根が最初から本番の用土でまっすぐ育つため植え替えのショックがなく、しっかりした株になりやすいです。水耕栽培は経過を観察しやすく、見ていて楽しいという利点があります。どちらも問題なく育つので、実際に世話を続けられる方を選ぶか、両方試してみるのもよいでしょう。
育てたアボカドの木に実はなりますか。
室内では現実的に難しいです。市販のアボカドは接ぎ木の木からできており、種から育てた苗は親と同じ実をつけるとは限らないため、霜の降りない屋外で育てても実がなるまでに10年以上かかり、品質も安定しません。観葉植物として楽しむのがおすすめです。
2か月経っても種が発芽しません。どうすればいいですか。
処分して新しい種でやり直しましょう。幅の広い方を下にしていたか、水が種の下3分の1に浸かっていたか、置き場所が十分暖かかったかを確認してください。熟していない果実の種や、包丁で傷ついた種は、そもそも発芽しないことがよくあります。
茎はいつ摘心すればいいですか。
主茎が30cmほどになったら、先端の葉を一対摘み取ります。その後伸びてくる側枝が15cmほどになったら、同様に摘心を繰り返します。株が活発に育つ春から夏にかけて行うと、新しい枝がすぐに伸びてきます。