ジャーナル/Care Basics · 7分
アジサイの育て方|剪定時期・水やり・青くする方法
文: Arthur Meade · 家庭菜園と季節の作業
紫陽花の育て方を完全ガイド。置き場所、水やり、肥料、種類別の剪定時期、青やピンクに色を変える方法、冬越しまでをわかりやすく解説します。
かんたんに言うと
アジサイは午前中は日が当たり、午後は日陰になる場所を好みます。有機質に富み、水はけがよく、乾かしすぎない土が基本です。剪定は種類で変わります。ホンアジサイ(ガクアジサイを含む)・カシワバアジサイ・ツルアジサイは前年の枝(古い枝)に花芽をつけるため、花後すぐ・7月中に軽く切ります。ノリウツギ(パニクラータ)やアナベルは春に伸びる新しい枝に咲くので、冬の終わりに強く切り戻します。ホンアジサイは酸性土でアルミニウムが吸収できると青、中性〜アルカリ性ではピンクになります。
梅雨の景色に欠かせないアジサイは、日本原産の花木です。海岸に自生するガクアジサイが原種で、そこから手まり咲きのホンアジサイが生まれ、ヨーロッパで改良されて世界中に広まりました。庭木の中でも面積あたりの花数はトップクラスですが、その分「咲かない」という相談も多い植物です。原因のほとんどは二つ、剪定の時期を間違えることと、根鉢を乾かしてしまうこと。属名のHydrangeaがギリシャ語の「水の器」に由来するのは偶然ではありません。置き場所・水やり・剪定グループの三つが合えば、アジサイは何十年も咲き続けます。
まずは品種を見分けましょう
手入れの判断、とくに剪定はほぼ種類で決まります。よく出会うのは次の五つです。
主なアジサイの種類と剪定グループ
| 種類 | 特徴 | 花が咲く枝 |
|---|---|---|
| ホンアジサイ・ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla) | 手まり咲き、または額縁状の装飾花。青・ピンク・紫 | 古い枝(前年に伸びた枝) |
| ノリウツギ(H. paniculata) | 円錐形の白い花が咲き進むと桃色に。『ライムライト』など | 新しい枝(その年に伸びた枝) |
| アメリカノリノキ/アナベル(H. arborescens) | 大きな白い手まり咲き。『アナベル』が代表 | 新しい枝 |
| カシワバアジサイ(H. quercifolia) | 切れ込みのある葉、白い円錐花、鮮やかな紅葉 | 古い枝 |
| ツルアジサイ(H. anomala subsp. petiolaris) | 気根で壁を登るつる性。白い額咲き | 古い枝 |
品種がわからないときは、葉と花をPlantMeで撮影してみてください。35,000以上の植物クラスから種類を判別し、どの剪定グループかまで教えてくれます。
植え場所選び
定番の「午前中は日向、午後は日陰」が基本です。涼しい地域ならもう少し日が当たっても大丈夫ですが、真夏の西日が強い場所では葉焼けし、water切れで一気にしおれます。日本の夏は特に厳しいので、落葉樹の下や建物の東側が向いています。ノリウツギは日向にいちばん強く、ホンアジサイはいちばん弱いと覚えておきましょう。乾いた風を避けることも光と同じくらい大切で、根の浅い木の下に植えると常に水不足になります。堆肥や腐葉土を混ぜた肥沃な土に、大きくなる余地を見込んで植えつけてください。
水やり
アジサイはよく水を吸います。植えつけ後の二夏と、鉢植えは特にそうです。土の表面が数センチ乾いたら、葉の上からではなく株元にたっぷりと与えます。しおれていても水やり後三十分ほどで立ち上がるなら、単なる水切れです。逆に土が湿っているのに葉が垂れたままなら、根腐れを疑ってください。春にバークや堆肥で5〜7cmのマルチングをしておくと、根元の温度が安定し、蕾落ちや葉先の枯れの原因になる乾湿の差をやわらげられます。水やりは夕方に頭からではなく、朝に株元へ。夜間に葉が濡れたままだとうどんこ病や斑点病を招きます。
肥料
思っているより少なめで十分です。多くの庭では春に緩効性肥料を一度施せば足り、土が肥えている場所ではむしろ控えめのほうがよく咲きます。窒素の多い芝生用肥料が流れ込むような与えすぎは、葉ばかり茂って花が減る典型です。鉢植えは用土の養分が切れるので初夏に軽く追肥を。夏の終わりで施肥はやめ、枝を充実させてから冬を迎えさせます。
剪定:一年分の花を失う失敗
咲かない原因の多くはここにあります。古い枝に咲くタイプ(ホンアジサイ・ガクアジサイ・カシワバアジサイ・ツルアジサイ)は、夏の終わりにはもう翌年の花芽をその年の枝につけています。秋や春にその枝を切れば、来年の花を全部捨てることになります。花後すぐ、目安として7月中に軽く剪定しましょう。咲き終わった花を、下にある充実した芽の一対のすぐ上で切り、あわせて古い枝を数本つけ根から抜いて風通しをよくします。
新しい枝に咲くタイプ(ノリウツギ、アナベル)は逆です。その年に伸びた枝に咲くので、冬の終わりから早春に、前年の枝を高さ30〜60cmの低い骨格まで思い切って切り戻します。強い枝が伸び、花房も大きくなります。
- ホンアジサイ・ガクアジサイ・カシワバアジサイ・ツルアジサイ:花後すぐ(7月中)に花がら切りと間引き。秋や春の強剪定は禁物です。
- ノリウツギ・アナベル:冬の終わりから早春、芽が動く前に強く切り戻します。
- 寒冷地では枯れた花房を冬の間そのまま残すと、下の芽が寒さから守られます。
- 迷ったら切らないこと。剪定しなかったアジサイは咲きますが、切り方を間違えたアジサイは咲きません。
青かピンクか:花色を変える
花色が変わるのはホンアジサイ・ガクアジサイ(とヤマアジサイの一部)だけで、白花品種は変わりません。仕組みは土壌の化学です。酸性の土(pHおおよそ6以下)ではアルミニウムが根から吸収でき、花は青くなります。中性〜アルカリ性ではアルミニウムが吸えず、同じ株でもピンクに咲きます。青くしたいなら硫酸アルミニウム入りのアジサイ用肥料を使うか、酸性用土の鉢植えにして雨水で水やりを。ピンクにしたいなら秋に苦土石灰を施します。変化には一〜二シーズンかかる、スイッチではなくダイヤルだと考えてください。
秋から冬の管理
シーズンの終わりに、片づけたい気持ちはぐっとこらえましょう。最後の花房は株上で乾かしておくと姿も美しく、古枝咲きタイプでは下の芽を守ってくれます。地面が凍る前に株元をマルチングし、鉢は風の当たらない壁際へ。寒冷地では強い霜の前に不織布で覆います。春先の遅霜で動き出した芽がやられることも、花が咲かないもう一つの定番原因です。
よくあるトラブル
- 花が咲かない:剪定時期の間違い、遅霜による花芽の傷み、窒素過多。
- 毎日午後にしおれる:日が強すぎるか根鉢の乾き。マルチングしてたっぷり水やりを。
- 葉の縁が茶色くぱりぱり:乾燥、風による傷み、肥料焼け。
- 葉が黄色く葉脈だけ緑:アルカリ土壌での鉄欠乏(クロロシス)。キレート鉄で対処します。
- うどんこ病や斑点病:風通しを改善し、葉ではなく株元に水やりを。
- 株元の葉に穴やぎざぎざ:ナメクジやカタツムリの食害です。
注意:アジサイの葉・蕾・花には青酸配糖体が含まれ、量を食べると犬・猫・馬に軽い中毒を起こします。切った花や落ちた花房はペットの届かない場所へ片づけてください。詳しくはペットに有毒な植物のガイドもご覧ください。
それでも原因がはっきりしないときは、傷んだ葉をPlantMeで撮影してみてください。500種類以上の病害と症状を照合し、数秒で診断と対処法を教えてくれます。
よくある質問
アジサイが咲かないのはなぜですか?
よくある原因は三つです。古枝咲きのタイプを秋や春に剪定して花芽ごと切ってしまった、暖かい日が続いたあとの遅霜で花芽が傷んだ、窒素肥料が多すぎて葉ばかり茂った、のいずれかです。まず種類を確認しましょう。ノリウツギやアナベルは新しい枝に咲くため、剪定で失敗することはほとんどありません。
アジサイは鉢植えでも育てられますか?
育てられます。コンパクトな品種を選び、直径40〜50cm以上の鉢に排水穴があるものを使い、夏はほぼ毎日水やりするつもりでいてください。用土と水を自分で管理できるので、青いアジサイを保つには鉢植えがいちばん簡単です。
アジサイの剪定時期はいつですか?
ホンアジサイ・ガクアジサイ・カシワバアジサイ・ツルアジサイは花後すぐ、7月中に軽く。ノリウツギとアナベルは冬の終わりから早春に強めに切り戻します。迷うときは咲き終わった花がらだけを取り除いてください。
アジサイはペットに有毒ですか?
軽度ですが有毒です。葉・蕾・花に青酸配糖体が含まれ、量を食べると犬・猫・馬に消化器症状が出ることがあります。剪定した枝や落ちた花は届かない場所に片づけましょう。