Underside of an ivy-leaf geranium leaf showing small tan corky oedema bumps near the veins

ジャーナル/Troubleshooting · 5分で読めます

葉の裏にコルク状の斑点?それは「浮腫(エデマ)」です

文: Camille Fournier公開日

葉の裏にできるざらざらした錆色の小さな突起は、害虫でも病気でもなく「浮腫(エデマ)」であることがほとんどです。見分け方、原因、新しい斑点を防ぐ方法を解説します。

葉を裏返したとき、指先に何かが引っかかる。上から見ると何ともなかった葉に、コルクや小さなかさぶたのような、ざらざらした錆色の粒が並んでいる。まず害虫を疑い、次に病気を疑うのが自然な反応です。でも、少し落ち着きましょう。秋から冬にかけての肉厚な葉の観葉植物や多肉植物なら、そのどちらでもないことがよくあります。おそらくそれは「浮腫(エデマ)」。感染症ではなく生理障害で、正しい判断をひとつするだけで解決に向かいます。

どんな症状か

浮腫は、直径1〜2mmほどの水ぶくれのような小さな膨らみから始まります。多くは葉の裏に現れ、茎や葉柄に出ることもあります。やがて膨らみは淡褐色から錆色に変わり、コルク状に硬くなります。斑点が株から株へうつることはありません。薄い葉では枯れた部分が乾いて抜け落ち、小さな穴が残ることもあります。症状がひどい葉は黄色くなって落ちることがあります。室内でよく見られるのは肉厚な葉の植物で、金のなる木(カネノナルキ)、ペペロミア、シェフレラ、ベゴニア、サボテンなど。アイビーゼラニウムでは、ほとんど代名詞といえるほど定番の症状です。

まず、よく似た害虫を除外する

浮腫とまぎらわしい害虫が2種類います。10倍のルーペ(またはスマートフォンのカメラのズーム)があれば、1分で見分けられます。

浮腫と、間違えやすい害虫の見分け方

浮腫ハダニアザミウマ
出る場所葉の裏。古い葉から若い葉へ広がっていく新芽、花
質感指で触れてわかる、盛り上がったコルク状の粒細かいかすり状の斑点、ほこりのようなクモの巣銀白色の傷跡、葉の変形
動き何も動かないルーペで見ると小さな点が動くルーペで見ると細長い虫が素早く動く
広がりその場にとどまり、自然に止まることも悪化し、ほかの株へ広がる悪化し、ほかの株へ広がる

ルーペで動くものが見えたら、別の(そして十分に対処できる)問題です。ハダニ対策のガイドかアザミウマ対策のガイドから始めてください。粒がコルク状で、動かず、生き物の気配がなければ、このまま読み進めましょう。

なぜ起こるのか

浮腫は、植物の「水の収支」の乱れです。根が水を吸い上げる速さに、葉からの蒸散が追いつかなくなると、内部の圧力が高まり、葉の細胞が膨らんで破れてしまいます。植物はその傷をコルク状の組織でふさぎます。それが、あの粒の正体です。蒸散を鈍らせる条件が重なるほど起こりやすくなります。湿った用土、ひんやりと湿って動かない空気、そして短く曇りがちな日。日本では、冬の日照不足の時期や、梅雨どきの過湿で用土が乾かない時期に注意が必要です。鉢をからからに乾かしてから一気に水をやる、という不規則な水やりも、同じように圧力の急上昇を招きます。いずれも感染性はありません。カビも細菌も関係なく、隔離の必要もありません。

今日できること

  • ルーペで確認します。動かないコルク状の粒で、クモの巣も虫も見当たらないこと。
  • カレンダーで決めず、水やりの前に毎回用土を指で触って確かめます。鉢が何日も湿ったままなら、水のやりすぎと水不足の見分け方で水やりのリズムを見直しましょう。
  • 水やりは夕方ではなく朝に。日中の光のなかで蒸散できるようにします。
  • より明るい場所へ移し、空気を動かします。鉢の間隔をあける、ドアを少し開ける、扇風機やサーキュレーターを弱で回す、などです。
  • 症状が出ている株への葉水はやめます。取り戻したい蒸散を、かえって妨げてしまいます。
  • 傷よりも緑の部分が多い葉は、取らずに残します。植物はまだその葉で光合成をしています。

ひとつ、落ち着いて知っておいてほしいことがあります。できてしまった斑点は傷跡なので、消えることはありません。手当ての対象は斑点のある葉ではなく、これから出てくる葉です。効果は新しい葉で判断しましょう。きれいな新葉が出てくれば、もう解決しています。軽い症状の株は、たいていそのまま元気に育ち続けます。

再発を防ぐには

いちばんの対策は「安定」です。指で確かめながら用土の湿り具合を一定に保つこと、日が短い季節にはできるだけ明るい場所に置くこと、そして空気を動かすこと。屋外では、マルチングをすると雨のあとの晴天でも土の水分が安定しやすくなります。アイビーゼラニウムを温室やフレームで育てるなら、細かな調整よりも品種選びが効きます。温室での試験では、カルシウムの追加も用土の水分調整も浮腫を確実には減らせませんでしたが、品種によってはほとんど症状が出ませんでした。

参考文献・出典

  1. Oedema Is a Corky Quirk — Purdue University Extension, Indiana Yard and Garden
  2. Non-Infectious Plant Disorders: Oedema and Intumescences — University of Connecticut Extension

よくある質問

葉にできたコルク状の粒は、そのうち消えますか?

消えません。細胞が破れ、植物がコルク状の組織でふさいだ跡は、治ったかさぶたのように残ります。ただし障害そのものは、環境が改善すればすぐに止まります。新しい葉を観察してください。きれいな葉が出てくれば、問題はもう過去のものです。取り除くのは傷がとくにひどい葉だけにし、それも株が再び元気に育ちはじめてからにしましょう。

浮腫はほかの観葉植物にうつりますか?

まったくうつりません。浮腫は葉の内部の水圧の問題による生理障害で、カビや細菌、害虫ではないため、広がるものがありません。株を隔離する必要もありません。複数の株に同時に出た場合は、湿った用土、湿って動かない空気、光不足という同じ環境を共有しているだけです。

執筆者について

Camille Fournier
Camille Fournier

植物のレスキューとトラブル解決

カミーユさんは長年、植物店のカウンターに立ち、どのお客さまからも同じ質問を受けてきました。「これ、どうしちゃったの?」。ジャーナルのレスキュー記事を担当し、落ち着いて、まず診断から、そして責めないという姿勢で書いています。枯れかけに見える株の多くは、正しい判断ひとつで元気を取り戻せるからです。

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