Small dry brown ranunculus corms scattered on a weathered wooden potting bench beside a terracotta pot of gritty compost, with cut peach and coral Persian buttercup blooms lying alongside

ジャーナル/Seasonal · 5分

ラナンキュラスの球根はいつ植える?植え付け時期と育て方のコツ

文: Arthur Meade公開日

ラナンキュラスの球根の植え付けは10〜11月が適期。寒冷地や霜の強い地域では軒下やフレームで守るか、春植えに。球根の吸水と芽出し、花の時期、梅雨前に終わる理由まで解説します。

ラナンキュラスはここ数年、花屋のバケツから一般の庭やベランダへと広がってきました。それも当然で、クレープ紙で手づくりしたような花がまっすぐな茎に咲き、切り花にすれば1週間以上もつのですから、心をつかまれます。悩むのは園芸店です。秋に球根が並びますが、パッケージを見ても実際にいつ植えればよいのかがはっきりしません。正直な答えは、正しい植え付け時期は二つあり、どちらを選ぶかはどれだけ寒さと雨から守ってあげられるかで決まる、ということです。

これは、いま庭で進んでいるほかの作業とは少し違う暦です。秋に植えたらあとは自分でやっていけるスイセンとは違い、秋植えのラナンキュラスは葉を広げて育ちながら冬を越します。判断のポイントは、この一点に尽きます。

時期は二つ、問いは一つ

問いはこうです。明るくて寒いけれど凍らない場所――軒下、無加温の温室、簡易フレームなど――を用意できますか?関東以西の平地のように冬の冷え込みが比較的おだやかな地域なら、10〜11月に植え付けて鉢で育て、強い霜の夜だけ守れば十分です。寒冷地で霜や凍結が厳しい場合は、守れる場所があれば秋植え、なければ春植えにします。秋まきのスイートピーと同じ考え方で、早く始めた分だけ株が大きくなり、花が早く、数も多くなります。

ラナンキュラスの植え付け時期

時期向いている人得られるもの
10〜11月、鉢植えで霜と雨を避けて冬がおだやかな地域の方、または軒下・フレーム・無加温温室がある方春(4月ごろ)から長く咲き、1株あたりの花数がもっとも多い
2〜3月(春植え)寒冷地で冬の置き場がない方。鉢で始め、強い霜が終わってから開花は遅く短めですが、ラナンキュラスがないよりずっと楽しめます

切り花の生産者も同じ判断をしています。ユタ州立大学の切り花試験では、トンネル栽培の株は1株あたり3〜7本の出荷できる花茎をつけ、春の露地植えは1〜2本にとどまりました。しかも、植え付けが遅れるほど収量が落ちました。花農家ではなくても、家庭の規模で同じ計算が成り立ちます。

秋植えに「屋根」が必要な理由

ラナンキュラスは寒さにとても弱いわけではありませんが、強いわけでもありません。生育中の株は軽い霜なら平気で、英国王立園芸協会(RHS)によれば0℃前後は問題なく、ユタの試験では生存の下限はおよそ−3℃とされています。命取りになるのは、強い冷え込みと水びたしの用土の組み合わせです。冷たく湿った球根は腐ります。そのため秋植えは鉢にして、軒下やフレームに置き、根が凍ったり過湿になったりせず「冷たいだけ」の状態に保ちます。冬の長雨に当てないことも大切です。厳しい寒波が予報されたら、不織布をかけるのが安上がりな保険です。考え方は霜から植物を守る方法と同じです。

まず吸水――球根はわざと乾燥させてあります

袋から出したラナンキュラスの球根は、小さくて頼りない茶色のツメのような形をしていますが、それで正常です。保存のために乾燥させてあるのです。植える前に、常温の水に数時間――RHSによれば最長1日――浸し、だいたい2倍の大きさにふくらむまで戻します。それ以上は浸けないでください。急に吸水させると腐りやすいので、日本の園芸書では湿らせたバーミキュライトなどで時間をかけて戻す方法もよく紹介されています。

プロから取り入れたいのが「芽出し」です。吸水させた球根をすぐ鉢に植えず、ほんのり湿った用土を入れたトレーに並べ、2〜10℃ほどの涼しい場所に2〜3週間置きます。数ミリの短い根が出てきたら、根の出たものだけを鉢に植えます。ユタ州立大学の試験では、これで開花が1週間早まり、出荷できる収量が最大58%増えました。おもな理由は、買った時点ですでに死んでいた球根に鉢を使わずに済むことです。

植え付けの手順

  • 1. 球根を3〜24時間吸水させ、約2倍の大きさに戻します。
  • 2. 余裕があれば、湿らせた用土のトレーで涼しい日陰に2〜3週間置いて芽出しします。省略して直接植えてもかまいません。
  • 3. 水はけのよい用土を使います。RHSは、土をベースにした用土に約20%の砂利(日本なら軽石小粒や日向土など)を混ぜることをすすめています。
  • 4. ツメを下にして、深さ5cm、間隔10cmで植えます。春に地植えする場合は15cmほどあけます。
  • 5. 明るく涼しく、風通しのよい場所で管理します。15℃以下でも問題ありません。むしろそれが狙いで、涼しく育てると株が締まってがっしりします。
  • 6. 芽がはっきり伸びるまでは水を控えめにし、その後は用土が乾いたらたっぷり与えます。空気がよどむと灰色かび病が出やすいので、暖かい日はフレームを開けましょう。

花の時期と、終わり方

植え付けから3〜5か月が目安です。秋植えは4月ごろから、春植えは晩春から咲き始めます。つぼみに色が見えて、まだ開ききらないうちに切ると、花瓶で10〜12日もちます。花屋での値段の理由も、ほぼこれです。シーズンの終わりは地中海性の植物らしく、暑さとともにやってきます。気温が27℃前後に近づくと株は黄色くなり、その年の生育を終えます。日本では梅雨入りのころがその目安で、高温多湿の中では球根も傷みやすくなります。これは休眠であって、失敗ではありません。RHSは一年草として扱い、毎年新しい球根で始めることをすすめています。掘り上げて乾燥させて保存することもできますが、日本の蒸し暑い夏を越すのは難しく、二年目の花が一年目ほど見事になることはまれです。

今週やること

  • 球根はいま注文・購入しましょう。秋の入荷が新しいうちに。人気の色から売り切れます。
  • 冬の置き場があるなら、今週末から吸水を始めて芽出し用のトレーを準備します。
  • 寒冷地で置き場がない場合は、球根を涼しく乾いた場所に保管し、手帳に「2月」と書いて、そのときに植えましょう。

参考文献・出典

  1. Royal Horticultural Society — How to grow ranunculus
  2. Utah State University Extension — Ranunculus Cut Flower Production in Utah

執筆者について

Arthur Meade
Arthur Meade

家庭菜園と季節の作業

アーサーさんは同じ市民農園を三十年間耕し続け、一年を月ではなく「種まきの回数」で数えます。野菜づくりと季節ごとの畑仕事について、実践的で飾らないガイドを執筆しています。実際の畑で通用しない言い伝えには、あまり付き合いません。

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