ジャーナル/Seasonal · 5分
カンナの冬越し|球根の掘り上げと保存、春の植え付け
宿根カンナの冬越しは地域で変わります。暖地はマルチング、寒冷地は晩秋に球根を掘り上げて5〜10℃で保存し、春に植え付けます。
夏のカンナは、ずっとその場所に居続けるような顔で大きな葉を広げます。ところが一度霜に当たると、葉は黒くなってぐったり倒れます。株が終わったのではありません。冬越しの準備を済ませる合図です。寒い地域では、その前に動いておくほうが確実です。晩秋のひと仕事で、翌春に新しい球根を買うか、去年より充実した株を箱から取り出せるかが決まります。作業は半日ほどです。時期を追って整理します。
植えっぱなしにするか、掘り上げるか
答えは地域と土の状態で決まります。関東以西の暖地で、土が深く凍らない風よけのある庭なら、宿根カンナを植えっぱなしで冬越しさせることも可能です。霜で傷んだ茎を切り、株元に土を盛って厚くマルチングします。これは英国王立園芸協会(RHS)が示す、温暖な庭での管理と同じ考え方です。一方、寒冷地では必ず掘り上げます。冬じゅう水がたまる重い土でも、掘り上げるほうが安全です。凍ったり過湿になったりした根茎は、春までに腐ってしまいます。鉢植えなら、茎を切って鉢ごと凍らない物置や玄関内などへ移し、春まで水やりを最小限にします。
自分の庭がどちらに当てはまるか迷ったら、植物を霜から守る方法で地域の霜の傾向を確認してください。寒さのリスクが読めなければ掘り上げます。冷たく湿った土より、箱の中のほうが安全です。
掘り上げ時期は晩秋、霜が来る前に
日本では11月頃の晩秋、霜が降りる前を目安に掘り上げます。寒冷地は初霜の予報に合わせて早めてください。ただし、暦だけを見て、まだ暖かい10月半ばに青々とした株を片づける必要はありません。葉が生きている間は根茎に養分が蓄えられます。ミズーリ植物園は、その蓄えを増やすため最初の軽い霜まで待つ方法を紹介しています。軽い霜に当たって葉が黒くなった場合も、数日以内に掘れば間に合いますが、強い凍結が土に及ぶまで放置してはいけません。凍った茎が軟らかく崩れると、保存中の腐敗につながります。
掘り上げと乾燥は半日で進める
- 傷んだ茎を地際から約5cm残して切り、株ごとに品種名のラベルを付けます。春には、葉のない根茎だけで品種を見分けるのは困難です。一般に球根と呼ばれますが、カンナの地下部は根茎です。
- 茎から手の幅ほど離して園芸用フォークを差し込み、周囲の土を緩めて株全体を持ち上げます。根茎は横へ広がるので、深さより掘る範囲を広めに取ります。
- 落ちる土を振り払います。重く粘る土なら根茎を水で洗ってください。湿った粘土の塊を残すと、保存中の腐敗の原因になります。
- 風通しがよく、凍らない場所で乾かします。必要な日数には見解の違いがあります。ウィスコンシン大学の園芸普及部門は1〜2日、ミズーリ植物園は通常の室温で約1週間としています。大切なのは手触りです。表面と茎の切り口が乾き、湿った部分が残っていないことを確かめます。
- 乾いた根茎を新聞紙でゆったり包むか、ごくわずかに湿らせたピートフリーの培養土や木くずに並べ、段ボール箱か紙袋に入れます。密閉したビニール袋は使いません。閉じ込めた湿気で、健康な根茎も冬の途中に腐ります。
保存は涼しく暗い場所で、月に一度点検する
保存場所は凍らない5〜10℃を目安にし、できれば元の推奨範囲である7〜10℃に保ちます。涼しい地下室、暖房のない室内、凍結しない建物の一角などが候補です。屋根裏や断熱のない車庫は要注意です。1月のよく晴れた夜には氷点下になることがあり、ミズーリ植物園もこうした場所を避けるよう注意しています。明るく乾燥しきった場所より、暗く少し湿度のある場所が向きます。
スマートフォンに月1回の点検日を入れ、忘れず箱を開けます。根茎がしわしわになっていたら、周囲の梱包材を少し湿らせます。軟らかいもの、汁が出るもの、異臭のあるものは、腐敗が広がる前に取り除いて処分してください。毎月5分。それが冬の管理のすべてです。
春は株分けして植え付ける
春の4〜5月に箱を出し、大きくなりすぎた株を分けます。根茎を切り分けるときは、各片に少なくとも3つの芽を残し、切り口を1日乾かしてから鉢に植えます。暖かく明るい場所で芽出しすれば、スタートを早められます。庭への植え付けは、遅霜の心配がなくなってからです。ダリアの球根の冬越しや球根ベゴニアの冬越しをしているなら、カンナも同じ春の作業予定に組み込めます。保存箱がひとつ増えるだけで、4月を忙しくする理由もひとつ増えます。
今週済ませること
- 地域の初霜の時期を確認し、10日先までの天気予報を見ておきます。
- 段ボール箱、新聞紙か木くず、ラベルを今のうちに用意します。掘り上げ当日に探し始めないようにします。
- できれば7〜10℃を保てる凍らない場所を選び、温度計で夜間の温度を確かめます。
- 暖地で植えっぱなしにするなら、マルチ資材を用意し、霜で葉が傷んだ後に株元を厚く覆います。
- フォークを出したついでに、11月の庭で植えるものや進めたい作業も確認します。
参考文献・出典
執筆者について

家庭菜園と季節の作業
アーサーさんは同じ市民農園を三十年間耕し続け、一年を月ではなく「種まきの回数」で数えます。野菜づくりと季節ごとの畑仕事について、実践的で飾らないガイドを執筆しています。実際の畑で通用しない言い伝えには、あまり付き合いません。
