ジャーナル/Care Basics · 5分
素焼き鉢とプラスチック鉢、どちらを選ぶ?水やりから考える鉢選び
観葉植物の鉢選びは見た目だけでは決まりません。素焼き鉢・テラコッタとプラスチック鉢の乾き方、根への影響、梅雨の水やりと冬の保管を解説します。
かんたんに言うと
釉薬をかけていないテラコッタは多孔質で、用土の水分を吸い上げ、根に空気を届けます。多肉植物やサボテン、水を多めに与えがちな方に向きます。プラスチック鉢は水分を長く保ち、軽いため、シダなど湿り気を好む植物や水やりを忘れがちな方に便利です。どちらが上ということはありません。植物と自分の水やりに合わせて選びます。
園芸店で鉢を眺めると、温かみのあるテラコッタの山と、手頃なプラスチック鉢の棚が並んでいます。つい見た目で選びたくなりますね。窓辺や棚に置く鉢は、部屋の家具の一部でもあります。ただ、素材は鉢の中で水がどう動くかも変えます。鉢選びは飾り方だけでなく、育て方の選択でもあるのです。どちらが優れているかを決める必要はありません。それぞれに合う植物と、合う水やりの習慣があります。
素焼き鉢・テラコッタがすること
テラコッタは、粘土を焼き、釉薬をかけずに仕上げた鉢です。細かな孔があるため、水と空気が壁をゆっくり通り抜けます。鉢自体が芯のように用土から水分を吸い上げ、外側の表面から蒸発させます。ネブラスカ大学リンカーン校の園芸専門家は、この働きが長所にも短所にもなると説明しています。違いを決めるのは、水やりの習慣です。つい多めに与える方なら、鉢がその熱心さの一部を受け止め、根が水浸しになるのを防ぐ助けになります。水やりの間隔が長い方には、同じ鉢が思った以上に早く土を乾かしてしまいます。
通気性のある壁は、根鉢の外側にある細い根にも空気を届けます。ここは植物が多くの水を吸収する場所です。壁の厚みは、急な温度変化を和らげる役割もあります。鉢の表面にも、中で起きていることが現れます。水が鉢を通って蒸発するとき、溶けた肥料の塩類も一緒に移動し、外側に白い粉状の跡を残します。長く植え替えていない鉢に見られる用土の表面の白い固まりと同じ種類の付着物です。ブラシで落とせますし、土に塩類がたまり始めたことを知らせる早めのサインにもなります。
プラスチック鉢では何が違うのか
プラスチックは逆です。壁を水が通り抜けないため、水は鉢底穴と植物自身を通して出ていき、用土が湿った状態を長く保ちます。生産者が多くの植物をプラスチック鉢で育てる理由の一つです。ネブラスカ大学の園芸普及部門は、湿り気を好む植物や、葉がしおれてから水やりを思い出す方に勧めています。土に触れず曜日で水やりを決めがちなら、1週間忘れたときも、乾きやすい素焼き鉢より余裕があります。ただし梅雨のように湿度が高く乾きが遅い時期は、前回の間隔をそのまま使わず、実際の土の乾きを確かめます。
軽く、安価で、割れにくいのも利点です。掃除のために大きな観葉植物を両手で動かすようになると、その軽さがありがたくなります。一方、薄い壁は根を暑さや寒さから守る力が弱めです。強い日差しを受ける黒い鉢は熱を集め、日当たりのよい窓辺やベランダでは根鉢が過熱することがあります。屋外では日光によって徐々に色あせ、もろくなりますが、屋外用には紫外線による劣化を抑える添加剤を使った鉢も多く、寿命を延ばしています。
植物と、自分の水やりに合わせる
「一番よい鉢はどれか」より、「どの植物を、どんな人が育てるのか」と考えると選びやすくなります。
- 水やりの間に土を乾かしたいサボテン、多肉植物、サンスベリア、多くの地中海原産のハーブにはテラコッタが向きます。水を多く与えがちとわかっている方にも、粘土の吸水が助けになります。
- 湿り気を好む植物や、忙しくて水やりを忘れやすい方にはプラスチック鉢を選びます。釉薬をかけた陶器鉢も、壁から水を逃がしにくい点は同じです。コロラド州立大学の園芸普及部門は、ボストンファーンなどにはプラスチックや陶器を、サボテン、多肉植物、ラン、ブロメリア類には多孔質の粘土鉢を挙げています。
- 植物が大きくなったら、軽いプラスチック鉢なら掃除や明るい場所への移動を続けやすくなります。反対に、背が高く上部が重い株は、重いテラコッタ鉢が転倒を防ぐ支えになります。
- 素材にかかわらず、植える鉢には鉢底穴が必要です。鉢カバーを使う場合も、中に水をためたままにしません。水が抜けない鉢では、素材の利点は生かせません。
買う前に確認したい3つのこと
1つ目は大きさです。素材と同じくらい重要なので、根鉢より直径が約2.5〜5cm大きい鉢を選びます。いきなり広い住まいを用意すると、どの素材でも根が使いきれない水を長く抱えます。2つ目は冬の保管です。屋外のテラコッタは孔に水を含み、その水が凍って膨張すると割れることがあります。特に寒冷地や霜の降りる場所では、空の鉢を乾いた場所にしまい、雪や落ち葉が入らないよう逆さにしておきます。3つ目は再利用前の掃除です。素焼きもプラスチックも、次の植物を迎える前にしっかり洗い、古い塩類の付着物や前の株が残したものを落とします。
鉢は小さな選択ですが、植物もあなたも毎日その選択と付き合います。習慣と戦う素材ではなく、習慣を補ってくれる素材を選んでください。水やりの悩みの一部は、それだけで静かに減っていきます。
参考文献・出典
執筆者について

観葉植物とインテリアグリーン
ウレンさんは数えきれないほどの観葉植物を枯らしてきたからこそ、あなたの株が弱っている理由がすぐに分かります。今では実験室も兼ねた明るい小さな部屋で、何百株もの植物を元気に育てています。ルールに従うのではなく植物のサインを読み取ることを大切にし、どんな窓辺にも一枚の葉があってほしいと考えています。
