Ripe red raspberries on tall green canes tied to horizontal wires in a kitchen garden, soft natural light

ジャーナル/Vegetable Garden · 7分で読めます

ラズベリー(キイチゴ)の育て方:苗は今植えて、剪定の悩みはあとで解決

文: Arthur Meade公開日

ラズベリーは果樹のなかでも手間に対する収穫の多さが随一です。休眠中の苗を11月〜3月に植え、ワイヤーで支柱を組み、剪定は勘ではなくカレンダーで。言い伝えを抜きにした育て方の全体像を紹介します。

かんたんに言うと

ラズベリーの裸苗は、土が凍っていない時期であれば11月〜3月のいつでも植えられます。株間は40〜60cm、根は地表から5cm以内の浅さに。夏果種は前年に伸びた枝に、秋果種はその年に伸びた枝に実をつけます。どちらのタイプかがわかれば、剪定で迷うことはなくなります。

ラズベリーについては、2つのことが言えます。ひとつは、短い1列の株が、同じ面積に植えられるほかのほとんどの植物より多くの実を、毎年、10年以上にわたってつけてくれること。もうひとつは、育てている人のほとんどが、自分の剪定が正しいのかどうか少し自信をもてずにいることです。前者は今月のうちに苗を注文すべき理由で(裸苗のシーズンは11月から始まります)、後者は4段落ほどですっきり解決できます。順に見ていきましょう。

まずは、どのタイプのラズベリーかを知る

ラズベリーのあらゆる判断、特に剪定は、ひとつの区別にかかっています。夏果種(一季なり)は、前年に伸びた枝に実をつけます。冬に植えて、1年目は枝を育て、2年目に収穫です。秋果種(二季なり)はその年に伸びた枝に実をつけるので、植えた年から収穫でき、剪定もたった一度の、気持ちよく、絶対に失敗しない切り方で済みます。初めてなら秋果種がおすすめです。素性のわからない株を譲り受けた場合は、実がなる時期を見てください。6〜7月なら夏果種、8月以降なら秋果種です。

2つのタイプのちがい

夏果種秋果種
一般的な高さ約1.8m1.2〜1.5m
実がつく枝前年に伸びた枝その年に伸びた枝
初収穫2年目の夏1年目の秋
剪定収穫後に実をつけた枝を切り取る。2月に先端を切り詰める2月にすべて地際で切る
定評のある品種(英国RHSのAGM受賞)'Glen Ample'、'Malling Jewel'、'Octavia'、'Tulameen''All Gold'、'Joan J'、'Polka'

植えつけの時期

ラズベリーの苗には2種類あります。裸苗は、鉢も土もついていない休眠中の根つきの枝で、秋から春にかけて出回り、価格もかなり手頃で、通販でも傷みにくいのが特徴です。ポット苗は割高ですが、販売期間が長めです。どちらの場合も、休眠中の苗の植えつけ適期は11月〜3月で、土が凍っていたりぬかるんでいたりしなければいつでも大丈夫です。10月は注文の月。人気品種はすぐ売り切れますし、同じ休眠期の考え方はイチゴの植えつけにも当てはまるので、まとめて注文できます。

植える場所

ラズベリーは弱酸性の土、理想的にはpH6〜6.7を好み、それ以外の土には容赦がありません。浅い石灰質の土では葉が黄ばんで生育が止まり、水はけの悪い土では根が腐ります。日本では梅雨の長雨で土が過湿になりやすいので、水はけに不安があれば高畝やレイズドベッドにしましょう。また、同じ場所での連作を嫌います。以前ラズベリーを植えていた場所は、土壌由来の問題がたまっているので避けてください。植えつけ前には有機物をたっぷりすき込みます。この秋に堆肥づくりを始めたなら、来年できる堆肥はこの列に入れるのがいちばんです。

植えつけの手順

  • 1. 作業がつらくならないうちに、土がまだ暖かい今のうちに多年生の雑草を取り除きます。
  • 2. 株間は40〜60cm。2列以上植える場合は、列の間を1.5〜2mあけます。収穫のときに間を歩けるようにするためです。
  • 3. 浅植えにします。いちばん上の根が地表から5cm以内に来るように。深植えしたラズベリーは育ちが悪くなります。
  • 4. 土を押さえて水をやり、品種とタイプを書いたラベルを立てます。2月の剪定のとき、どちらの方法かがすぐわかるように。

支柱とワイヤーを用意する

支えのないラズベリーは倒れ、倒れた枝は実が日陰になったり茎が折れたりします。一般的なのは、列の両端に支柱を立て、その間に水平にワイヤーを張る方法です。夏果種は1枚の平らなワイヤーの垣根にして枝を1本ずつ誘引し、秋果種は列の両側に2本のワイヤーを平行に張って、枝をもたれさせるだけです。小さな株なら丈夫な支柱1本で足ります。夏果種の枝は約10cm間隔でワイヤーに結びます。面倒そうに聞こえますが、年に10分ほどの作業です。

水やり・肥料・マルチング

植えた苗には、最初の生育期と乾燥が続くときに水をやりましょう。その後、地植えで根づいた株が助けを必要とするのは本格的な干ばつのときだけです。毎年、冬の終わりか春に、有機物のマルチを列に沿って5〜7.5cmの厚さで敷きます。株の栄養になり、水分を保ち、手順1で取り除いた雑草を抑えてくれます。鉢植えのラズベリーは事情が違い、すべてがあなた次第です。生育期には月に1回、液肥を与えましょう。

剪定はカレンダーどおりに

夏果種:最後の実を収穫したら、実をつけた枝はすべて地際で切ります。役目を終えた枝で、二度と実をつけません。1株につき元気な若い緑の枝を6〜8本残してワイヤーに誘引し、残りは取り除きます。2月に、いちばん上のワイヤーより伸びた枝を、ワイヤーの約10cm上で切り詰めます。秋果種:2月に、すべてを地際で切ります。全部です。春に新しい枝が伸びてその年のうちに実をつけます。混み合ってきたら、初夏に約10cm間隔に間引きましょう。

これで謎はすべて解けます。ラズベリーの剪定が難しいと言われるのは、2つの方法が正反対で、タイプを明記しないアドバイスが矛盾して見えるからです。言い伝えでも感覚でもなく、ラベル1枚とカレンダーの2つの日付の問題なのです。

よくあるトラブル

夏の実には甲虫の幼虫が入ることがあり、ネットをかけなければ鳥に食べられてしまいます。また雨が続くと、熟した実が灰色かび病でぐずぐずになることがあります。日本では梅雨どきが夏果種の収穫期と重なるので特に注意が必要です。早めに収穫し、列の風通しをよくしておきましょう。枝の病気やウイルス病もあるため、ご近所から素性のわからない吸枝をもらうより、健全な認証苗を買うほうが実際的です。ウイルスで萎縮した列は回復しないので、抜き取るべきです。葉や実の様子がおかしいのに原因がわからなければ、PlantMeの植物ドクターで写真を撮ると、考えられる原因を絞り込めます。ただしウイルス病の場合、1枚の葉ではなく、列全体の症状の出方で判断することになります。

今月の作業

  • 1. 裸苗を注文します。夏果種、秋果種、または1列ずつ両方にするか決めましょう。
  • 2. 植え場所の雑草を取り、有機物をすき込みます。
  • 3. 土が掘りやすいうちに支柱とワイヤーを設置します。
  • 4. ほかにはありません。植えつけそのものは11月の作業です。

参考文献・出典

  1. Royal Horticultural Society — Raspberries: Grow Your Own

執筆者について

Arthur Meade
Arthur Meade

家庭菜園と季節の作業

アーサーさんは同じ市民農園を三十年間耕し続け、一年を月ではなく「種まきの回数」で数えます。野菜づくりと季節ごとの畑仕事について、実践的で飾らないガイドを執筆しています。実際の畑で通用しない言い伝えには、あまり付き合いません。

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